医学講座
二重と隆鼻で飯が食えた時代
世界における隆鼻術の歴史
…の続きです。
ひと昔前の美容整形の時代は、
二重と隆鼻ができれば、
十分にやっていけたそうです。
美容整形といえば、
目と鼻でした。
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今は骨を切る手術もあれば、
頭蓋骨に人工骨をくっつけて、
おでこの骨をまるくする手術もあります。
時代は変わったものです。
アジア人の美容外科手術は、
日本が発祥の地です。
日本人が考えた手術法がアジアに広まっています。
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埋没法の歴史
2013年11月15日の院長日記です。
埋没法は歴史のある手術です。
札幌美容形成外科HPに記載したように…
古く1920年代に日本で考えられました。
もともと眼科の睫毛内反症さかさまつげ手術の応用です。
1920年というと…
今から100年近く前になります。
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埋没法の歴史に詳しいのは、
サフォクリニックの白壁征夫先生です。
英文論文を書かれています。
埋没法が普及したのは…
ナイロン糸の発明が大きいです。
終戦後に女性のストッキングが普及したのと同じです。
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戦後、景気回復とともに…
東京の十仁美容整形で、
二重手術が行われたそうです。
当時は厳重な企業秘密。
手術に入れるのは限られた先生だけ、
若い先生は手術室ナースから秘中の技を聞いて覚えたそうです。
問題だったのが固定に使う糸。
今のように異物反応が少ない糸がありませんでした。
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埋没法で二重にできない目
…もあります。
私が一番多く手術をしているのが、
眼瞼下垂症手術です。
自分も手術を受けました
埋没法では、
黒目が大きく出て、
まつ毛が上向きにならない人がいます。
ぎょうざの皮のように薄い、
挙筋腱膜という膜を引っ張る手術をします。
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二重の手術が進歩したように、
隆鼻の手術も変わりました。
昔は象牙を使っていた時代もありました。
私は象牙は一度しか見たことがありません。
変形していました。
今でも使われているのが、
シリコンプロテーゼです。
私は適応を選べばいい方法だと思っています。
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眼瞼下垂症手術は簡単な手術ではありません。
私が手術をさせていただいても、
左右差、
再発、
腫れがとれない、
…などのトラブルになることがあります。
できるだけ満足度の高い手術を目指して、
日々考えながら手術をしています。
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隆鼻の手術は、
もともと耳鼻科の先生が担当していました。
病気の鼻中隔の手術を、
耳鼻科の先生がしても、
不満足な結果になることがあります。
鼻は難しいです。
ちょっとでも鼻の粘膜が腫れると、
鼻閉鼻づまりになります。
なんちゃって医には無理です。
鼻の専門家、
耳鼻科医が手術をしても難しいので、
私は鼻中隔の手術はしていません。