医学講座
第37回日本頭蓋顎顔面外科学会(東京)③
今日は2019年11月1日(金)です。
有意義だった第37回日本頭蓋顎顔面外科学会が終わりました。
今、札幌に戻りました。
金曜日の夜は飛行機が満席です。
11月はあと2つ学会に出席します。
11月14日(木)15日(金)が仙台の日本形成外科学会基礎学術集会、
11月28日(木)29日(金)が東京で日本マイクロサージャリー学会です。
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私には何の趣味もないですが、
形成外科の勉強が大好きです。
小学校から大学までは、
勉強は嫌いでした。
好きな科目もありましたが、
嫌いな科目の授業は嫌でした。
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今は好きな形成外科で、
65歳になっても仕事があるので、
ほんとうにありがたいことだと思っています。
第37回日本頭蓋顎顔面外科学会で勉強になったことです。
学会一日目の続きです。
今回のテーマは、
顔のプロフェッショナルを目指してでした。
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私の印象に残ったのが、
10:10~11:10 特別企画1
GID(性同一性障害)の頭蓋顎顔面外科手術
司会:難波祐三郎 岡山大学病院ジェンダーセンター
丹羽幸司 医療法人ガクト会 ナグモクリニック大阪
SP1-1 GID概論とMTF(Male to Female)の精神医学的特性
医療法人ガクト会ナグモクリニック大阪/近畿大学医学部形成外科学講座/NPO法人関西GICネットワーク
丹羽幸司
SP1-2 MTF性同一性障害者に対する顔面女性化手術について
山梨大学医学部附属病院形成外科
百澤 明
SP1-3 Feminization Surgery, Thailand 30 years experience
Chairman Departmentof Plastic and Reconstructive Surgery King Chulalongkorn University Hospital
Sirachai Jindarak, MD
SP1-4 性差から考えるクラニオフェイシャル・サージャリー
リラ・クラニオノェイシャル・クリニック東京/自治医科大学形成外科
菅原康志
SP1-5 特別発言
NPO法人クラニオフェイシャルセンター
上石 弘
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GID(性同一性障害)は、
厚生労働省が認めた病気です。
2018年4月から、
認定された病院では、
性別適合手術に健康保険が使えるようになりました。
保険適応になるのは、
性器や乳房の手術です。
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今回の学会で取り上げられたのは、
性器以外の部分の手術についてです。
心は男性なのに、
身体は女性という方が、
現在、医療機関を受診しているGID患者さんの約65%だそうです。
一見したところ、
ちょっとかっこいいお兄ちゃんに見えます。
駅の男子トイレを問題なく使えます。
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困るのが、
心は女性なのに、
身体が男性という方たちです。
駅の女子トイレを使おうと思っても、
女装した男性に見られて、
ガードマンが来る可能性があります。
原因は顔です。
男性ホルモンの影響で顔立ちが男のままです。
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少しでも女性顔に見えるようにするために、
形成外科の手術が必要になります。
この手術は、
美容目的の手術ではありません。
それなのに、
今のところ保険適応外の手術が多く、
困っている患者さんを助けることができません。
日本頭蓋顎顔面外科学会では、
この問題を取り上げて、
活発な討議がされました。
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私は、
山梨大学形成外科の百澤明先生のご発表がよかったと思いました。
百澤先生は、
埼玉医大でGID患者さんの治療をはじめられました。
患者さんの女子トイレを安心して使いたい、
…という願いをかなえてあげたいという、
強いお気持ちが伝わってきました。
百澤先生は女性顔をつくるプロです。
困っている患者さんの味方だと感じました。