医学講座

青葉容疑者、死亡率95%超だった…

 今日は2020年5月28日(木)です。
 今日のYahoo!ニュースに、
 京都アニメの犯人が受けた熱傷治療について
 読売新聞の記事が掲載されていました。
 救命された先生は、
 ほんとうに大変だったことと思います。
 コロナで救命救急センターが大変な今だったら、
 救命できなかった可能性もあります。
      ■         ■
 2020年5月28日、Yahoo!ニュースです。
 青葉容疑者、死亡率95%超だった
 懸命に治療した医師君も罪に向き合って
 世界中のアニメファンらに衝撃を与えた京都アニメーション放火殺人事件で、京都府警は27日、全身やけどで一時は瀕死の状態だった青葉真司容疑者(42)の逮捕に踏み切った。発生から10か月余り。殺人事件としては平成以降、最多の36人が犠牲となった事件の取り調べは、異例ずくめの形で始まった。
      ■         ■
 「青葉容疑者の治療に力を尽くしたのは、被害者と真相解明のためだ。罪に向き合ってほしい」。近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)で約4か月、治療にあたった医師の一人が読売新聞の取材に経緯を語った。
 熱傷患者の専門治療ができる同病院に、容疑者がヘリで搬送されてきたのは事件2日後の昨年7月20日。やけどは全身の9割超に及び、最初に搬送された京都市内の病院では手に負えなかった。当時の症状から計算した死亡率は「95%超」。医師は「救命は難しいかもしれない」と感じた。
 実施したのは「自家培養皮膚移植」と呼ばれる治療法だった。焼けずに残った部分の皮膚の細胞を培養で増やしてシート状にし、やけどした部分に移植する。培養に3~4週間かかるため、この間の全身管理が難しい。皮膚の機能がなくなると体内の水分が失われるほか、感染症にかかりやすく、死亡リスクもある。
 青葉容疑者は、事件時に身に着けていたかばんのひもの下や、足の付け根などに、わずかに正常な皮膚が残っていた。数センチ角の皮膚を切り取り、専門の業者に頼んで細胞を培養。その間、やけどの激しい部分の皮膚を取り除いては、動物のコラーゲンでできた「人工真皮」を貼り付ける手術を繰り返した。
 8月中旬に1回目の培養皮膚移植を実施。体の表面の20%程度が覆われると、血圧など全身状態が徐々に改善した。3回目の移植で救命のめどが立ち、移植は9月中旬、5回目で終わった。10月上旬には呼吸管理のための管を抜き、会話もできるようになった。
 青葉容疑者は現在のさいたま市で生まれ、定時制高校を卒業後はアルバイトを転々とした。21歳の頃に父親が職を失って自殺後、窃盗事件やコンビニ強盗事件を起こしていた。
 服役中は刑務官に繰り返し暴言を吐いたり、騒いだりし、精神疾患と診断された。出所後は、生活保護を受給しながら、さいたま市のアパートで暮らしていたが、音楽を大音量で流すなどの奇行が目立ち、住民とトラブルにもなっていた。
 青葉容疑者は近大病院でのリハビリ中、「意味がない」「どうせ死刑だから」「(自分は)意味のない命」などと投げやりな態度を見せた。食べ物の好き嫌いも激しく、病院食を拒むことも多かった。
 しかし、この医師が「私たちは懸命に治療した。君も罪に向き合いなさい」と繰り返し諭し、リハビリをさせると、次第に態度の変化も見られた。
 昨年11月の転院時、青葉容疑者は医師に「他人の私を、全力で治そうとする人がいるとは思わなかった」と漏らしたという。
 読売新聞オンライン 5/28(木)7:30配信

(写真:読売新聞)

関西テレビ 5/27(水)配信
(以上、Yahoo!ニュースより引用)

      ■         ■
 私はJA帯広厚生病院に勤務していた時に、
 帯広刑務所の受刑者を手術したことがありました
 献身的に看護をしてくれたのは、
 東5病棟の看護師さんたちでした
 青葉容疑者の看護を担当した看護師さんが、
 容疑者の心を開いたと書いた記事もありました。
 熱傷患者の看護は想像以上に大変です。
 治療を担当された先生と看護師さんに敬意を表します。

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札幌の百貨店営業再開

 今日は2020年5月27日(水)です。
 札幌は気温が低いです。
 ちょうど一年前は、
 昨日の北海道は記録的な猛暑でした
 …と書いてありました。
 令和になって新しい年の気分でした。
      ■         ■
 令和2年は、
 まさかのコロナ不況です。
 札幌の百貨店は、
 ようやく今日から大丸札幌店が営業再開です。
 丸井今井と三越札幌店は5月28日(水)から、
 さっぽろ東急百貨店は6月1日(月)からです。
      ■         ■
 百貨店で働く従業員さんも、
 ようやくほっとしていると思います。
 ほんとうに大変な年です。
 すぐに前のような売上は無理だとしても、
 デパートが再開したのは、
 デパートに行かない私でもうれしいです。
 あとは海外からのお客さんが来てくれるのを待つだけです。
 日本人のお客さんだけだと、
 デパートも大変です。
      ■         ■
 2020年5月27日、北海道新聞朝刊の記事です。
 札幌の4百貨店、順次再開 27日から、地下街も時短で
 政府が新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を全面解除したことを受け、札幌市内の大手百貨店は全館営業を再開する。大丸札幌店は27日から(午前11時~午後6時、6月1日から午後7時まで)、丸井今井札幌本店と札幌三越は28日から(午前11時~午後7時)、さっぽろ東急百貨店は6月1日から(午前11時~午後7時)で、当面は営業時間を短縮する。
 各店とも店内の消毒や換気、買い物客と従業員との間で適切な距離を保つなどの予防策を講じることで、安全に買い物してもらうことができると判断した。
 一方、札幌市中央区のさっぽろ地下街オーロラタウン、ポールタウンも27日から、一部店舗を除き営業を再開する。当面は午前11時~午後7時の時短営業となる。(小沢弘和、久保田昌子)
 (以上、北海道新聞より引用)

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緊急事態宣言解除

 今日は2020年5月26日(火)です。
 昨日、北海道や首都圏の緊急事態宣言が解除になりました。
 北海道では、
 感染者数
 死者数もゼロではありません。
 札幌との往来は控えるように指示が出ています。
 ホテルも休業中のままです
      ■         ■
 北海道民としての実感は、
 海外からのお客さんが来てくれないと、
 北海道経済は回復しません。
 私が2020年1月31日の院長日記に書いたことです。
 新型コロナウイルスの流行はどのくらい深刻なのか? 
 私が心配するのは、
 経済への影響です。
 インバウンド効果で売上増になっていたところは、
 軒並み売上減です。

      ■         ■
 私の予測以上になってしまいました。
 想定外でした。
 これからは、
 日本は、
 安全と安心
 …を売り物にすることです。
 たとえコロナになっても、
 たとえ病気になっても、
 日本なら大丈夫です
 これが経済回復への鍵です。
      ■         ■
 私は日本はいい国だと思います。
 トイレはきれいだし、
 チップはないし、
 国民も勤勉で親切です。
 ポストコロナは、
 より一層、医学に力を入れて、
 予防医学にも力を入れることです
 早く経済を回復させるには、
 国民の不安を取り除くことです

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新型コロナと医療機関の経営

 今日は2020年5月25日(月)です。
 札幌美容形成外科は今日がお給料日です。
 今月分のお給料は支払えました。
 家賃も、
 薬代も、
 検査費用も支払えました。
 新型コロナで医療機関の経営が厳しくなっています。
      ■         ■
 特に大変なのが、
 院内感染で外来を休止した医療機関です。
 すぐに収入減になります。
 新型コロナの感染者を受け入れた病院も大変です。
 他の患者さんを減らして、
 コロナの患者さんを引き受けています。
 病院の大きな収入源となる手術も減らしています。
      ■         ■
 国が決めたコロナ患者の診療報酬UPでは、
 焼石に水です。
 とても赤字を補えません。
 コロナの患者さんを診た看護師さんへの、
 危険手当も出せないと想像しています。
 何度も私が繰り返すように、
 死なない病気にすることです。
      ■         ■
 解決へのヒントは、
 丸藤哲先生が書かれた、
 COVID-19診断と治療戦略と、
 日本の死者数が少ない原因の科学的な究明です。
 私は尾身先生が言われた、
 国民のいわゆる健康意識が比較的高い
 …というのが原因ではないと思います。
 健康意識が低い人もたくさんいます。 

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タクシー苦境、月収半減

 今日は2020年5月24日(日)です。
 北海道新聞朝刊の記事です。
 コロナ・ショック 現場は今
 待てど走れど… タクシー苦境 歩合制、月収半減
 新型コロナウイルスの感染拡大で、国内外からの観光客の人波が消えた北海道。2月下旬の道独自の緊急事態宣言もあって、道民は実質的に約3カ月間の自粛生活を強いられており経済への打撃も深刻だ。人の移動や観光動向が売り上げに直結するタクシー業界は苦境が続く。札幌市内タクシー会社の女性ドライバー(58)の1日を追い、厳しい実情を目の当たりにした。
2時間動かず
 勤務開始の午前8時。すでに配車予約の入っていた高齢女性が1人目の乗客だった。札幌市西区発寒から中央区内の病院までで2千円超え。少し前の土曜日に1日の売り上げが3千円台だったこともあるだけに「さい先がいい」と喜んだ。
 その後は何人かの客を乗せたが続かない。午後0時半から中央区内の病院前でタクシー10台以上が待つ列に並んだ。車内で事前に買っていたコンビニ弁当を食べて待つ。2時間15分後、ようやく客が乗った。
 タクシー運転手は歩合制賃金で、2月に約30万円あった月収は4月で14万円ほどになった。息子と2人暮らしで、女性1人で家計を支える。「この状態が続けば光熱費も払うのが厳しくなる」と言葉少なだ。
 北海道ハイヤー協会(札幌)によると、抽出調査した道内5社の4月の売り上げは前年同月比47.6%減の1億1234万円。今月初めには旭川市内のタクシー会社が一時休業に追い込まれたほか、札幌市内でも減車に踏み切る会社も多いという。
9時間で6組
 女性ドライバーはこの日、会社が新たに始めた飲食店の宅配サービスの注文もあった。スープカレー店へ行き、商品ができるまで30分待ち、利用者の元へ届ける。注文から配達まで所要約1時間で、店と利用者からもらえるのは合計800円。「1時間誰も乗らないよりいいか」。この日請け負った注文は1件のみ。乗客が減る中、タクシー会社は新たな収入源確保に乗り出すが、どこまで浸透するかは未知数で、各社の模索は続いている。
 病院帰りの客を乗せることも多く、換気のため、寒くても車内の窓は開けっ放しだ。現金を触った手は持ち込んだ消毒液で殺菌を欠かさない。「感染リスクはあるけど、『タクシーがあって助かるよ』と声をかけられ、励まされている」
 午後5時勤務終了。9時間走って乗車は6組、売り上げは9910円。「これでも最近では良い方よ」。感染拡大前、1日で多いときは3万円ほどあった売り上げは3分の1以下に減った。
 道内は25日にも緊急事態宣言が解除される可能性がある。女性は不安と祈るような思いを語った。「夏のイベントも中止になり、いつタクシー客が戻るか分からない。お客さんとコロナ以外の話で盛り上がる日がいつか来てほしい」(榎本雅也)

宅配サービスの出前を待つ女性ドライバー。「大変なのはみんな同じ。耐えるしかない」と話す=21日正午、札幌市中央区(写真を一部加工しています)
(以上、北海道新聞より引用)

      ■         ■
 タクシーの空車の列が目立ちます。
 景気がいい時は、
 ススキノでタクシーが見つからない夜もありました。
 今は観光客もビジネス客もいません。
 病院に通う人も減っています。
 とにかく大変なことになっています。
 観光バスも見なくなりました。
      ■         ■
 北海道と首都圏だけ赤く塗られています。
 海外からのお客さんで、
 北海道経済は観光客が来てくれないと、
 壊滅してしまいます
 政府の専門家と呼ばれる人たちは、
 治療薬がないと主張されます。
      ■         ■
 私は、
 治療薬はなくても、
 死なない病気にすることが先決だと思います。
 ただ国民をおどすだけではなく、
 しっかりと治療法を見つけて、
 素早く情報を開示することです。
 今のままだと、
 コロナに経済までやられてしまいます。
 ラベンダーが咲くまでに収まってほしいです。

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コロナでも普通の葬儀ができるはず

 今日は2020年5月23日(土)です。
 昨日、ネットでとても興味深い記事を見つけました。
 東洋経済ONLINE 解説部コラムニスト大崎明子さんの記事です。
 新型コロナでも「普通の葬儀ができるはずだ」
 ウイルス専門家の西村医師が現状を問題視
 大崎明子:東洋経済ONLINE、解説部コラムニスト

      ■         ■
 2020年5月12日の国立病院機構仙台医療センター・臨床研究部ウイルスセンター長の西村秀一医師へのインタビュー記事『「PCR検査せよ」と叫ぶ人に知って欲しい問題』は読者から大きな反響をいただいた。その直後に、西村医師から「話したいことがある」と連絡を受けた。その内容が、本インタビューだ。「ひとりの人間として、これでいいのかと思う」とし、そして何よりウイルスを扱ってきた立場から、「新型コロナで亡くなった方の遺体の扱い、葬儀の仕方は間違っている」という。
 「納体袋に密封」はひどすぎるし必要ない
――新型コロナに罹患して亡くなった場合、遺体から感染するリスクがあるとされ、遺族は通常のようなお葬式はできないのが現状です。タレントの志村けんさんや岡江久美子さんもそうでした。
 大きな問題だし、ものすごい憤りを覚えている。結論から言えば、普通のお葬式ができるはずだ。家族が最後のお別れもできず火葬にも立ち会えなかったという報道は、衝撃だった。日本中でそんなことが行われているのか。それは悲しみに暮れる遺族の心をさらに踏みつけるような仕打ちだ。
――厚生労働省からの通知が出ているのですね。
 現状では厚労省から自治体に事務連絡として指導が出ており、自治体から病院に通知が出ている。それによると、看護師は「防護服を着て遺体を保健所から届く非透過性の納体袋に入れて密封し袋の表面を消毒して、防護服を着た人が搬送して、そのまま火葬する」こと、そしていったん袋に入れたらもう袋は絶対に開けてはならないことになっている。
 ときに誤解も拡散されるオンラインニュースの時代。解説部コラムニスト7人がそれぞれの専門性を武器に事実やデータを掘り下げてわかりやすく解説する、東洋経済のブリーフィングサイト。画像をクリックするとサイトにジャンプします
しかし、私はそもそも袋などいらないと思うし、さらに密封する必要などないと考えている。納体袋というのは亡くなった人への敬意が感じられないひどいものだ。遺体を扱う葬儀社の人たちまでもがなぜ防護服を着なくてはならないのかも疑問だ。
私は遺体から感染する危険などないと考えている。この病気は、主に感染した人の口から出る咳やくしゃみ、あるいは場合によっては、呼気によって体外に排出される飛沫由来のエアロゾルと呼ばれる微細な粒子に含まれるウイルスをほかの人が吸い込むことによってうつる。
 「息をしない」遺体からは感染しない
 遺体が咳をしたり息を吐き出したりするわけはないので、うつる心配はない。亡くなった直後に人工呼吸器を外すなどの過程で飛沫が体に付くことはある。だが、遺体を看護師さんがアルコール綿でていねいに拭いてあげれば何の問題もない。
遺体からうつることは考えにくいと言ったが、例外はもちろんある。例えば特殊な事情で遺体内部が腐乱してガスがたまって、それが吹き出すリスクがあるというのであれば、それは問題だ。最近、司法解剖がなかなかすすまないという話もあるが、そうしたことも理由のひとつになっているのかもしれない。
 しかし、病院で亡くなってすぐの人についてはそんな問題はありえない。体内にウイルスが残っているから危ないという「専門家」がいるそうだが、それが肺からどうやって出てくるというのか。
 お棺を開けて普通にお別れできる
――だとすれば遺族の気持ちから言っても、死者の尊厳という意味でも現在のやり方は改めないといけないですね。
 そうです。遺族はもちろんのこと、病院にも動揺が広がっている。それまで頑張って病気と闘っていた患者さんへの敬意があり、看護師たちにはきれいにエンゼルケア(体の清拭、身なりを整えたり、メイクをしたりすること)をしてあげて見送りたいという気持ちがある。こうしたケアを普通に行って、家族の元にお返しすべきだし、葬儀でも顔を見てお棺に花などを入れて通常のお別れをすることはできる。
 たとえ万が一拭き残しがあったとしても、遺体に触らなければ何の問題もなく、また手袋をしてその処置をちゃんとすれば触っても問題はない。そのくらいのことは常識ある大人なら理解できることではないか。
――インフルエンザではこんなことはしていませんよね。
 新型コロナよりも怖い病気はいっぱいあるが、遺体について今回のような扱いはしていない。たとえば、多剤耐性の結核(薬の効かない結核)だとか、エイズだとか、肝炎で亡くなった場合でも今回のような指導はしていないし、それで遺族に感染したという話は聞いたことがない。新型のインフルエンザが出現したときもそんなことはやっていなかった。通常のインフルエンザでも毎年たくさんの人が亡くなっているが、そんなことはしていない。なぜ今回は別なのか。
 厚労省のQ&Aは納得できないことだらけ
――自治体から病院や葬祭業者への通知、厚労省から自治体への事務連絡を見ても、厚労省のホームページにある「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A」の「関連業種の方向け」「遺体等を取り扱う方へ」の内容が基本になっているようです。その基になっているのは「新型インフルエンザ等対策ガイドライン」(2013年6月26日、2018年6月21日一部改定)ですね。
 この中の記述にはいろいろと疑問がある。「遺体からの感染を防ぐため、遺体について全体を覆う非透過性納体袋に収容・密封することが望ましいです」「遺族等の意向にも配意しつつ、極力そのままの状態で火葬するよう努めてください」という文言があるが、それらについては先ほども言ったように、遺体から感染なんてしない。こんな状態で、「遺族等の意向に配慮」しようがないでしょう。
 また、「血液・体液・分泌物(汗を除く)・排泄物などが顔に飛散するおそれがある場合には、不織布製マスク、眼の防護(フェイスシールド又はゴーグル)を使用してください」って書いてあるけど、飛散するようなことは起きないでしょう。いったい何がどう飛散するのか、どういう事態を想定しているのかと問いたい。何度でも言うが、「亡くなった方は息をしない!」。
――その一方で、ここにははっきりと「火葬に先立ち、遺族等が遺体に直接触れることを希望する場合には、遺族等に手袋等の着用をお願いしてください」と書いてあります。
 手袋着用で触って問題がないのなら、なぜ、納体袋への密封を指導するのか。記述に矛盾がある。その後ろには、「万が一、遺体の体液等で汚染された場合など」と出てくる。通知のほうにも「万が一」と恐ろしげなことばかり書いているから、業者はそちらのほうに忖度せざるをえず、画一的な対応をとっているのではないか。
――また、厚労省のQ&Aの下には、「感染症法に基づく消毒・滅菌の手引き」を挙げて、「エボラ出血熱参照」とあります。
 エボラ出血熱は現在は「エボラウイルス病」と表記される。恐ろしい病気だが、空気感染はせず皮膚の傷口や粘膜を介した接触感染でうつる。この病気は症状としてここ数年までは体のあちこちからの出血が顕著だった。それなのに、アフリカではお別れに遺体にキスしたり、亡くなった人のからだを素手でさすったりと、風習上の問題が原因で感染が拡がった。新型コロナウイルスはこれとはまったく違う。画一的にエボラウイルス病の接触の問題をそのまま当てはめるのは適切ではない。
――イタリアでも亡くなった後に遺族が会えなかった、そのまま火葬場に持って行かれたということが問題になっています。
 海外と比較して云々する報道が今回はこれ以外にも多いが、この問題に関していえば宗教上、文化上の違いもあり、比較しても仕方がないと思う。1918年のスペイン・インフルエンザのパンデミックでも国や地域によって違いがあった。感染管理上の問題がないのなら、日本は日本のやり方を考えてもよいはずだ。
 「脅しすぎ」から「恐れすぎ」に
――葬儀業者は防護服を着ての霊柩車の消毒を行うなど、神経をすり減らしていると報道されています。
 葬儀業者もある意味、「脅しすぎ」の犠牲者だ。そんなことまでする必要はまったくないと断言できる。前回もお話ししたが、例えば、一般社会においてエレベーターのボタンを直接指で押すことはやめましょうとか、しょっちゅうドアノブを拭きましょうとか、スーパーマーケットのプラスティックパックの表面をアルコールで消毒しましょうとか、今回の新型コロナはウイルスであるのに細菌であるかのように語られていることが多い。それが一億総強迫神経症のような混乱を引き起こしている。
いったい、どうやったら棺や霊柩車が感染を引き起こすほどのウイルスで汚染されるというのか。冷静に考えて理性的に物事を決めてほしい。
 細菌はそれ自体が自立性の細胞なので条件が揃えばそれ自身で増えるが、ウイルスは細菌のように自立して増えることはできず、他の細胞、それもそのウイルスに適した極めて限られた種類の細胞に入り込まないと増えていかない。ウイルスは体の外に出た後もいつまでも生きているように言う人がいるけれども、それは大きな誤りで、外に出た状態にもよるが時間経過とともにどんどん失活していく。
――物の上で数時間生きているとか、数日生きているとか言われて皆、消毒に神経質になっています。
 プラスチック上で4日という話が独り歩きしているが、それは大量のウイルスを生き残るための最適に近い条件においた実験での話で、一般の社会生活とは別の話だ。実験データをきちんと理解しておらず論文をまともに読んでいない「専門家」の説明を鵜呑みにしている。
 ウイルスは時間の経過とともに、大きく減っていく。実験条件によって1時間から3時間ぐらいで半減し、そこからまた同じ時間で半減するので、よほどたくさんのウイルスがいないと長時間残らない。たとえ少し生き残ったとしても、それを指で触って指に移る効率はかなり低いし、さらにそれが感染につながるまでの間にウイルスは死ぬ。
「よほどたくさんの」というのは、たとえば咳やくしゃみで落下する液滴レベルではそこまでに達しないし、感染者がマスクをしていれば、それすらないと断言できる。感染した人が故意に自分の咳やくしゃみや唾液を手に吐き、それを塗り付けるくらいのことをしないと無理だ。それはテロ行為ともいえる。われわれはテロを警戒しているのか。
 何度も繰り返すが、理解して欲しいのは、生きている人の体内には病原ウイルスはいるが、環境にはほとんど存在しないということ。感染者がいる病室のような場所以外では問題にならない。そんじょそこらに危険なウイルスがまき散らされていて、それによる感染の「可能性は否定できない」という言い方をする「専門家」が多い。だがそれは間違っている。
 可能性が「ない」ことを証明することは悪魔の証明ともいわれ至難の業であり、それこそ不可能である。それが「ある」という側が実例をもって証明すべきである。棺でもいい、スーパーの包装でもいい。一般の環境にウイルスがいると言い張る人たちはぜひ一般環境から生きたウイルスが検出されることを、環境調査をやって証明してほしい。
 蛍光塗料による実験はミスリード
 私は以前、新型インフルエンザの流行期に環境調査をやってみたことがあるが、何度やってもまったく検出できなかった。その代わり細菌はうようよいた。テレビに出てくる「専門家」はみな細菌しか頭にない。
彼らが視覚に訴えるためによくやる手だが、蛍光塗料で代用して見る環境のウイルス汚染の映像がある。だが、ウイルスは蛍光塗料とはまったく別物である。蛍光塗料を手にべったり付けるほどの量、あるいは空中に噴霧してあちこちの壁にまんべんなく付着するほどの量のウイルスを人は出していない。出ているのはそれらに比べたらきわめてわずかということになり、さらに感染性の点から見れば、体から出たそのわずかな量のウイルスもその後時間とともに失活し(死んでいき)感染性は失われる。
あのような映像とそれを用いた説明は、一般の人びとを、あるいはもしかしたら彼ら自身をもミスリードしている。
 西村秀一(にしむら・ひでかず)/1984年山形大学医学部医学科卒。医学博士。米国疾病予防管理センター(CDC)客員研究員、国立感染症研究所ウイルス一部主任研究官などを経て、2000年より現職。専門は呼吸器系ウイルス感染症。『史上最悪のインフルエンザ―忘れられたパンデミック』(みすず書房)、『豚インフルエンザ事件と政策決断―1976起きなかった大流行』(時事通信出版局)、『インフルエンザ感染爆発―見えざる敵=ウイルスに挑む』(金の星社)などの訳書や論文執筆多数。

(以上、東洋経済ONLINEより引用)

      ■         ■
 私もずっと変だと思っていました。
 西村先生がおっしゃるように、
 新型コロナよりも怖い病気はいっぱいある
 たとえば多剤耐性の結核(薬の効かない結核)

 実際に病院の現場で院内感染対策を経験したことがあれば、
 アルコール消毒で退治できるコロナは、
 ばい菌としてはちょろいのです。
 結核菌は抗酸菌なので、
 簡単には退治できません。
      ■         ■
 厚生労働大臣は西村先生のご発言を真摯に受け止めて、
 新型コロナの取り扱いを変更してほしいです。
 志村けんさんや、
 岡江久美子さんが亡くなった時に、
 TVに映ったご家族の悲しい表情を忘れられません。
 間違った取り扱いはすぐに変更してください。

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無料相談は中止しました

 今日は2020年5月22日(金)です。
 昨日の院長日記、
 15年前に手術を受けました
 …になっちゅんさんから、
 コメントをいただきました
 今、先生のクリニックでは
 美容外科部門の手術は
 引き受けられてるのですか?
 カウセリングのみでしょうか?

      ■         ■
 申し訳ございません。
 2004年8月3日に開院した時には、
 美容外科手術の無料相談をしていました。
 いわゆる、
 無料カウンセリングというのです。
 このカウンセリングという言葉があいまいです。
 ネットで
 カウンセリング+美容外科
 …と検索すると、
 ピンクのホームページが何軒かヒットします。
      ■         ■
 電話やメールで相談するのは、
 医師や看護師以外の人が回答しても問題はないと思います。
 問題はクリニックでの無料カウンセリングです。
 クリニックは、
 保健所に届出をした診療所です。
 医師法や医療法による規制があります。
 相談に訪れた人でも、
 医師が診察をするには、
 診療録カルテを作成する義務があります。
      ■         ■
 医師法違反無料カウンセリングに書きました。
 美容外科の優秀な受付カウンセラーさんが
 あなたの目は眼瞼下垂
 あなたのワキはわきがです。
 当院のミラドライをすすめます。

 …と診断するのは医療行為です。
 医師法違反です
      ■         ■
 札幌美容形成外科では、
 医師の本間賢一が、
 診療録カルテを作成して、
 診察をしています。
 保険診療でできる手術をしています。
 フェイスリフト手術など、
 明らかな美容目的の手術は中止しました。
 眼瞼下垂症手術は保険適応でしか実施していません
 これが無料相談を中止した理由です。

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15年前に手術を受けました

 札幌美容形成外科へのお電話です。
 15年前に手術を受けました。
 札幌駅から大通までだったと記憶しています。
 15年前には(お宅は)別のところでしたか?

 私:はい雪印パーラーの上でした。
 もう一度、同じ先生に手術をしてもらいたいというご希望です。
 お名前を伺いました。
      ■         ■
 私:記録を調べてみましたがお名前は見つかりませんでした。
 どんなクリニックでしたか?
 うちは、
 階段を上がって、
 そこからエレベーターに乗るビルでした。

 どうやら札幌美容形成外科ではなさそうです。
 クリニックの特徴を伺ってみました。
      ■         ■
 ワンフロア全部がクリニックで、
 とても大きなところでした。

 私:グランドホテルの別館にあった
 神奈川クリニックではないですか?
 あぁ、そうです。
 神奈川クリニックでした。

 私:神奈川クリニックは無くなりました。
      ■         ■
 そうですか、
 それで調べても出てこないのですね。

 私は神奈川クリニックにいらした先生のことをお伝えしました。
 15年前にあった札幌の美容形成外科も、
 何軒も無くなりました。
 新型コロナで影響を受けている企業がたくさんあります。
 札幌美容形成外科を含めて、
 何とか生き残りたいです。

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アビガン有効性示せず

 今日は2020年5月20日(水)です。
 5月20日なのに、、、
 今年は寒いです。
 世の中の景気も冷え切っています。
 札幌の街中には、
 人がいません。
 危険地域なので、
 札幌に人が来れません。
      ■         ■
 2020年5月20日、北海道新聞朝刊の記事です。
 治療薬アビガン、有効性示せず 月内承認への「前のめり」指摘
 新型コロナウイルス感染症の治療薬候補アビガンを巡り、国の承認審査にデータを活用できると期待された臨床研究で、明確な有効性が示されていないことが19日、分かった。複数の関係者が共同通信に明らかにした。感染した著名人がアビガンの投与後に回復したと公表し、安倍晋三首相は「5月中の承認を目指す」とするが、現時点で薬として十分な科学的根拠が得られていない状況だ。
 アビガンは催奇形性の問題などがあり、専門家からは「効果や安全性を十分確認せずに進むのは納得できない」「月内の承認方針は前のめりだ」などの声が出ている。
 アビガンは富士フイルム富山化学が開発した新型インフルエンザの治療薬。新型コロナ向けに国の承認を得るには、臨床研究や治験でウイルスの減少や肺炎症状の改善といった効果があるとのデータを示す必要があるが、企業による治験は完了していない。
 企業とは別に、藤田医大(愛知県)を中心に多施設共同の臨床研究を実施。無症状と軽症の感染者を対象としてアビガンの投与時期を変えて比較する内容で、このデータが国の承認審査で活用できると期待されてきた。
 しかし複数の関係者によると、今月中旬に厚生労働省に報告された中間解析結果で、ウイルスの減少率に明確な差が出なかった。研究は今後も続けることが決まった。
 ほかにも全国の医療機関が参加する研究でアビガンが投与された患者約3千例のデータが集まっている。結果は近く公表予定だが、関係者は「審査の補足資料にはなるが、承認の主要な根拠には使えない」と話す。
 自治医大の田村大輔准教授(小児感染症学)は「薬は厚労省や規制当局が利益と危険性を評価して世に出さなければならない。アビガンが飛び抜けて治療効果が高いとのデータはなく、科学的根拠に基づき慎重に評価するべきだ」と指摘する。
 アビガンは投与後に症状が改善したという著名人の発言が広がり、期待が高まる。一方、新型コロナ感染者の多くが自然に治るとされ、薬の効果を証明しにくい面がある。

アビガンの錠剤(ロイター=共同)
(以上、北海道新聞より引用)

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 私は65歳の医師です。
 感染症は専門ではありません。
 素朴な疑問です。
 アビガンが投与された約3000人のデーターがあると書かれています。
 2020年5月20日時点で、
 日本で発表されたPCR陽性者数は、
 16,367人です。
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 3,000人に投与されたとなると、
 PCR陽性者の5.5人に一人は、
 アビガンを投与されたことになります。
 軽症者も含まれています。
 16,367人のうち、
 回復者数が11,564人、
 死亡者数が768人です。
 死亡者数には志村けんさん岡江久美子さんも入っています。
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 効果や安全性を十分確認せずに進むのは納得できない
 月内の承認方針は前のめりだ

 …と主張している専門家が誰かは知りません。
 催奇形性がある薬はたくさんあります。
 私たち形成外科医は、
 異常がある赤ちゃんをたくさん治療しています。
 薬剤が原因で異常があった赤ちゃんは、
 私は手術したことはありません。
 気をつけて使えば有用な薬が大部分です。
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 私のエビデンスがない【本間理論】です。
 アビガンの有効性を示せなかったのは、
 臨床試験の組み方の問題だと思います。
 アビガンが効いた人はいます。
 アビガンを投与する対象と、
 投与時期を再検討すると、
 きっと有効性が出ると思います。
 安易に効かないと言わないでほしいです。
 効いた人がいるのは事実です。

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医学講座

コロナ 血栓リスクに要注意

 今日は2020年5月19日(火)です。
 札幌はリラ冷えが続いています。
 寒いです。
 新型コロナの影響が続いています。
 私は国の対応に不満です。
 反応が遅いです
 一刻を争う治療なのに、、、
 もたもたしていると患者さんが亡くなってしまいます。
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 2020年5月18日のYahoo!ニュースです。
 コロナ、血栓リスクに要注意 厚労省が診療の手引改訂
 厚生労働省は18日、新型コロナウイルス感染症の患者の診療に当たる医師らに活用してもらう診療の手引を改訂したと発表した。患者は肺の血管に血栓ができて呼吸不全につながる恐れがあるとして注意を呼び掛けた。
 軽症から重症まで段階に分けて症状や診療のポイントを初めて分類。欧米で血管に炎症が起きる川崎病のような症状が子どもに報告されていることも盛り込んだ。
 手引は感染症や集中治療の専門家が国内外の報告や研究を基に作成した。新型コロナによって起きる病気の特徴や治療法、院内感染対策をまとめていて、今回は3月17日に出した第1版を改訂した。
 (以上、Yahoo!ニュース、共同通信より引用)

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 この血栓リスクに要注意は、
 私が丸藤先生のCOVID-19診断と治療戦略
 2020年5月7日の院長日記で伝えた内容です。
 私の院長日記から10日も経過しています。
 その間に重症化した患者さんがいます。
 もっと早く改訂してほしいです。
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 加藤厚生労働大臣の、
 37.5℃以上の発熱発言についても、
 各地の保健所には怒っている保健師さんがいると思います。
 最初からそう言っていれば、
 亡くならなくもよかった患者さんがいます
 今一番大切なのは、
 死なない病気にすることです。
 重症化さえ防ぐことができれば、
 経済封鎖も解除できます。
 感染症の指定も見直すべきだと(私は)考えています。

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