医学講座
第107回日本美容外科学会(JSAS)東京②
第107回日本美容外科学会(JSAS)一日目で、
一番印象に残った発表です。
エキスパート1
題名:鼻尖の美容外科における名医
座長:福田慶三
演者:草野太郎、大場教弘、福田慶三
座長の福田慶三先生の抜群のアイデアで、
とても有意義な企画になりました。
■ ■
私は鼻の手術はしませんが、
目の手術以上に難しいのが、
鼻の手術です。
エキスパートで、
名医と言われている先生でも、
とても苦労していらっしゃいました。
難しいです。
■ ■
福田慶三先生のすごいところは、
患者さんの長期フォローです。
名医を求めて複数の先生に手術を受ける患者さんがいます。
自分がした手術の結果、
数年後にまた手術を受ける人がいます。
他の先生のところに行って、
また戻って来る人もいます。
■ ■
手術記録や写真をしっかりと保存して、
何が原因か?
どの材料が原因か?
しっかり分析をして手術をしています。
ほんとうの名医は、
自分の手術をしっかりと分析して、
常に改良を重ねる医師だと思いました。
素晴らしい企画をしてくれた福田慶三先生に感謝しています。
医学講座
第107回日本美容外科学会(JSAS)東京①
今日から、
第107回日本美容外科学会(JSAS)です。
学会長は、
医療法人社団美人会・共立美容外科・院長の
久次米秋人くじめあきひと先生です。
会場は東京都港区赤坂の、
ANAインターコンチネンタルホテル東京です。
2年前の第105回日本美容外科学会と同じ会場です。
■ ■
日本には2つの日本美容外科学会があります。
私は毎年両方の美容外科学会に参加しています。
私が美容外科を志した20年前には、
形成外科医は、
いわゆる十仁系の日本美容外科学会には、
参加していけない
…という暗黙のルールがありました。
■ ■
今は違います。
大学の形成外科教授も、
日本美容外科学会(JSAS)に参加されます。
時代も変わったものです。
今朝は眼瞼下垂のライブサージェリーからはじまりました。
ベテランの先生が手術をしても眼瞼下垂症手術は大変そうでした。
2日間しっかり勉強して、
最新の知識を仕入れて帰ります。
医学講座
性器の手術_男女差2019
昨日の院長日記、
がんばっても報われない社会
素晴らしい祝辞だと思いました。
東大の新入生だけではなく、
選挙で当選した人たちにも、
ぜひ読んでいただきたい内容です。
■ ■
札幌美容形成外科を開業して15年、
保険診療で治してあげたいと思う方がたくさんいます。
私個人がどうがんばっても、
保険適応にできないのが、
小陰唇縮小手術です。
外国人でも困っている人がたくさんいます。
私は美容目的の手術ではないと思います。
■ ■
かゆい
痛い
黒い
ひび割れて血がでる
たくさんの症状があるのに、
保険適応で手術ができません。
男女差です。
■ ■
男性の包茎は、
真性包茎のままでも、
困ることはめったにありません。
ちゃんと子供もできますし、
おしっこも出ます。
かゆいこともありません。
無症状の方が大部分です。
■ ■
それにくらべて、
女性は大変です。
毎月生理が来るたびに大変です。
ただでさえめんどうなのに、
かゆかったり、
痛かったりすると苦痛です。
私が生きている間に、
ぜひ女子外性器縮小手術を、
保険適応にしていただきたいです。
医学講座
がんばっても報われない社会
今日は2019年4月15日(月)です。
今朝のTVで、
4月12日に行われた、
東京大学入学式で、
同大名誉教授の上野千鶴子さんの祝辞が、
話題になっていました。
私はとてもいい祝辞だと思いました。
■ ■
2019年4月15日のYahoo!ニュースです。
「がんばっても報われない社会が待っている」
東大の入学式で語られたこと【全文】
「ご入学おめでとうございます。あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました」
「その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょうーー」
4月12日に開かれた東京大学の入学式の祝辞が、話題を呼んでいる。【BuzzFeed Japan/伊吹早織】
新入生約3100人を前に祝辞を述べたのは、ジェンダー研究(女性学)の第一人者として知られる、同大名誉教授の上野千鶴子さん。
上野さんは、東京医科大学が女子受験者を差別していた入試不正問題に触れ、「あなたたちはがんばれば報われると思ってここまで来たはずです。ですが、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています」と述べた。
「がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください」と言い、社会に根付く構造的差別に目を向けるよう求めた。
さらに、東大入学者の女性比率が「2割の壁」を超えないことを挙げ、「社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています。東京大学もまた、残念ながらその例のひとつです」と指摘。
高校生新聞によると、同大の2019年度一般入試合格者のうち、女子は510人で、全体の16.9%だった。17年度の19.3%、18年度の18.2%と比べて比率は下がっている。
「世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひとたちがいます。がんばる前から、『しょせんおまえなんか』『どうせわたしなんて』とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます」
「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください」と訴えた。
上野千鶴子さんの祝辞全文は、以下の通り。
■ ■
ご入学おめでとうございます。あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました。
その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょう。
が、しかし、昨年、東京医科大不正入試問題が発覚し、女子学生と浪人生に差別があることが判明しました。
文科省が全国81の医科大・医学部の全数調査を実施したところ、女子学生の入りにくさ、すなわち女子学生の合格率に対する男子学生の合格率は平均1.2倍と出ました。
問題の東医大は1.29、最高が順天堂大の1.67、上位には昭和大、日本大、慶応大などの私学が並んでいます。1.0よりも低い、すなわち女子学生の方が入りやすい大学には鳥取大、島根大、徳島大、弘前大などの地方国立大医学部が並んでいます。
ちなみに東京大学理科3類は1.03、平均よりは低いですが1.0よりは高い、この数字をどう読み解けばよいでしょうか。統計は大事です、それをもとに考察が成り立つのですから。
女子学生が男子学生より合格しにくいのは、男子受験生の成績の方がよいからでしょうか?
全国医学部調査結果を公表した文科省の担当者が、こんなコメントを述べています。「男子優位の学部、学科は他に見当たらず、理工系も文系も女子が優位な場合が多い」。
ということは、医学部を除く他学部では、女子の入りにくさは1以下であること、医学部が1を越えていることには、なんらかの説明が要ることを意味します。
事実、各種のデータが、女子受験生の偏差値の方が男子受験生より高いことを証明しています。
まず第1に女子学生は浪人を避けるために余裕を持って受験先を決める傾向があります。
第2に東京大学入学者の女性比率は長期にわたって「2割の壁」を越えません。今年度に至っては18.1%と前年度を下回りました。
統計的には偏差値の正規分布に男女差はありませんから、男子学生以上に優秀な女子学生が東大を受験していることになります。
第3に、4年制大学進学率そのものに性別によるギャップがあります。2016年度の学校基本調査によれば4年制大学進学率は男子55.6%、女子48.2%と7ポイントもの差があります。
この差は成績の差ではありません。「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える親の性差別の結果です。
最近ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんが日本を訪れて「女子教育」の必要性を訴えました。それはパキスタンにとっては重要だが、日本には無関係でしょうか。
「どうせ女の子だし」「しょせん女の子だから」と水をかけ、足を引っ張ることを、aspirationのcooling down、すなわち意欲の冷却効果と言います。
マララさんのお父さんは、「どうやって娘を育てたか」と訊かれて、「娘の翼を折らないようにしてきた」と答えました。そのとおり、多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきたのです。
そうやって東大に頑張って進学した男女学生を待っているのは、どんな環境でしょうか。
他大学との合コン(合同コンパ)で東大の男子学生はもてます。
東大の女子学生からはこんな話を聞きました。「キミ、どこの大学?」と訊かれたら、「東京、の、大学…」と答えるのだそうです。なぜかといえば「東大」といえば、ひかれるから、だそうです。
なぜ男子学生は東大生であることに誇りが持てるのに、女子学生は答えに躊躇するのでしょうか。
なぜなら、男性の価値と成績のよさは一致しているのに、女性の価値と成績のよさとのあいだには、ねじれがあるからです。
女子は子どものときから「かわいい」ことを期待されます。ところで「かわいい」とはどんな価値でしょうか?
愛される、選ばれる、守ってもらえる価値には、相手を絶対におびやかさないという保証が含まれています。だから女子は、自分が成績がいいことや、東大生であることを隠そうとするのです。
東大工学部と大学院の男子学生5人が、私大の女子学生を集団で性的に凌辱りょうじょくした事件がありました。加害者の男子学生は3人が退学、2人が停学処分を受けました。
この事件をモデルにして姫野カオルコさんという作家が『彼女は頭が悪いから』という小説を書き、昨年それをテーマに学内でシンポジウムが開かれました。
「彼女は頭が悪いから」というのは、取り調べの過程で、実際に加害者の男子学生が口にしたコトバだそうです。この作品を読めば、東大の男子学生が社会からどんな目で見られているかがわかります。
東大には今でも東大女子が実質的に入れず、他大学の女子のみに参加を認める男子サークルがあると聞きました。
わたしが学生だった半世紀前にも同じようなサークルがありました。それが半世紀後の今日も続いているとは驚きです。
この3月に東京大学男女共同参画担当理事・副学長名で、女子学生排除は「東大憲章」が唱える平等の理念に反すると警告を発しました。
これまであなたたちが過ごしてきた学校は、タテマエ平等の社会でした。偏差値競争に男女別はありません。
ですが、大学に入る時点ですでに隠れた性差別が始まっています。社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています。東京大学もまた、残念ながらその例のひとつです。
学部においておよそ20%の女子学生比率は、大学院になると修士課程で25%、博士課程で30.7%になります。
その先、研究職となると、助教の女性比率は18.2、准教授で11.6、教授職で7.8%と低下します。これは国会議員の女性比率より低い数字です。
女性学部長・研究科長は15人のうち1人、歴代総長には女性はいません。
こういうことを研究する学問が40年前に生まれました。女性学という学問です。のちにジェンダー研究と呼ばれるようになりました。
私が学生だったころ、女性学という学問はこの世にありませんでした。なかったから、作りました。
女性学は大学の外で生まれて、大学の中に参入しました。4半世紀前、私が東京大学に赴任したとき、私は文学部で3人目の女性教員でした。そして女性学を教壇で教える立場に立ちました。
女性学を始めてみたら、世の中は解かれていない謎だらけでした。
どうして男は仕事で女は家事、って決まっているの?主婦ってなあに、何する人?ナプキンやタンポンがなかった時代には、月経用品は何を使っていたの?日本の歴史に同性愛者はいたの?
…誰も調べたことがなかったから、先行研究というものがありません。ですから何をやってもその分野のパイオニア、第1人者になれたのです。
今日東京大学では、主婦の研究でも、少女マンガの研究でもセクシュアリティの研究でも学位がとれますが、それは私たちが新しい分野に取り組んで、闘ってきたからです。そして私を突き動かしてきたのは、あくことなき好奇心と、社会の不公正に対する怒りでした。
学問にもベンチャーがあります。衰退していく学問に対して、あたらしく勃興していく学問があります。
女性学はベンチャーでした。女性学にかぎらず、環境学、情報学、障害学などさまざまな新しい分野が生まれました。時代の変化がそれを求めたからです。
言っておきますが、東京大学は変化と多様性に拓かれた大学です。わたしのような者を採用し、この場に立たせたことがその証です。
東大には、国立大学初の在日韓国人教授、姜尚中さんもいましたし、国立大学初の高卒の教授、安藤忠雄さんもいました。また盲ろうあ三重の障害者である教授、福島智さんもいらっしゃいます。
あなたたちは選抜されてここに来ました。東大生ひとりあたりにかかる国費負担は年間500万円と言われています。これから4年間すばらしい教育学習環境があなたたちを待っています。
そのすばらしさは、ここで教えた経験のある私が請け合います。
あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。
ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。
そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。
あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。
世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと…たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。
あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。
恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。
そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。
女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。
あなた方を待ち受けているのは、これまでのセオリーが当てはまらない、予測不可能な未知の世界です。
これまであなた方は正解のある知を求めてきました。
これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です。
学内に多様性がなぜ必要かと言えば、新しい価値とはシステムとシステムのあいだ、異文化が摩擦するところに生まれるからです。
学内にとどまる必要はありません。東大には海外留学や国際交流、国内の地域課題の解決に関わる活動をサポートする仕組みもあります。未知を求めて、よその世界にも飛び出してください。
異文化を怖れる必要はありません。人間が生きているところでなら、どこでも生きていけます。
あなた方には、東大ブランドがまったく通用しない世界でも、どんな環境でも、どんな世界でも、たとえ難民になってでも、生きていける知を身につけてもらいたい。
大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたしは確信しています。
知を生み出す知を、メタ知識といいます。そのメタ知識を学生に身につけてもらうことこそが、大学の使命です。
ようこそ、東京大学へ。
(以上、Yahoo!ニュース、BuzzFeed Japan/伊吹早織より引用)
■ ■
あらためて全文を読んで、
すばらしい祝辞だと思いました。
しょせんおまえなんか
どうせわたしなんて
…という部分に共感を覚えました。
どんな環境でも、
どんな世界でも、
たとえ難民になってでも、
生きていける知を身につけてもらいたい。
私もそう思います。
■ ■
あなたたちのがんばりを、
どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。
恵まれた環境と恵まれた能力とを、
恵まれないひとびとを貶おとしめるためにではなく、
そういうひとびとを助けるために使ってください。
私もその通りだと思います。
上野千鶴子先生、
すばらしい祝辞をありがとうございました。
昔の記憶
40年前の写真
今日は2019年4月14日(日)です。
自宅で工事があったので家にいます。
自分の部屋の片付けをしています。
私の部屋には本がたくさんあります。
財産になるようなものはありません。
形成外科医になってから、
40年近くの雑誌があります。
■ ■
泥棒が来てもお金になるものはありません。
雑然と本がある間に、
なつかしい写真もありました。
これが自分なのかなぁ~?
…と思うような写真を見つけました。
おそらく洞爺湖の近くで撮った写真です。
■ ■
誰に撮ってもらったのかもわかりません。
医師になる前の写真だと思います。
20代の頃は、
美容形成外科で開業
…なんてまったく考えていませんでした。
人生はわからないものです。
私にも若い時代があったんだなぁ~
…というのが正直な感想です。
医学講座
役に立った奥さんのパソコン教室
今日は2019年4月13日(土)です。
平成も残すところ2週間余りです。
昨日の休診日に、
私はクリニックで電子カルテサーバーのセットをしていました。
今の時代は、
PCがないと何もできません。
PCの操作ができないと何もできません。
■ ■
個人経営の開業医は大変です。
給与計算も、
経理も、
人事労務管理も、
すべて院長の責任です。
そんなの知らなかったでは済みません。
ちゃんとしないと大きなペナルティーがきます。
■ ■
税務調査で大変な目にあったので、
経理は私が東京のアトラス総合事務所とやり取りをしています。
信頼できる会計事務所です。
雇用関係の手続きは、
うちの奥さんの仕事です。
雇用保険や社会保険の手続きです。
雇用保険関係は、
北海道医師協同組合にお願いしています。
■ ■
北海道医師協同組合に、
労働保険事務組合
…という制度があります。
こちらで、
雇用保険と
労災保険の手続きをお願いしています。
同業の先生にもおすすめします。
担当者はとてもしっかりした方です。
■ ■
北海道医師協同組合に、
毎年、
賃金台帳を計算して送る作業があります。
うちの奥さんの担当です。
昨年10月から今年3月まで、
パソコン教室で、
エクセルを習った成果がありました。
■ ■
毎年、電卓で計算していたのが、
今年はエクセルですいすい計算していました。
私が何回言っても、
私には無理
そんなのできない!
…と言っていたのに、
昨日は♡パソコン教室の先生に感謝♡
…と喜んでいました。
60歳を過ぎた方にもエクセルをすすめます。
パソコン教室講師の大矢優美子先生に感謝いたします。
医学講座
日本の長者番付2019
今日は2019年4月12日(金)です。
札幌美容形成外科は、
電子カルテサーバーの入替のため休診です。
サーバーは電子カルテの頭脳です。
こわれる前に入れ替えました。
同時に新元号の令和にも対応していただきました。
工事をしてくださった、
アイレックス様に感謝です。
■ ■
今朝のTVで日本の長者番付を発表していました。
Yahoo!ニュースによると、
ユニクロの柳井正さんがトップです。
ネットで日本長者番付2019を調べました。
上位50人に、
お医者さんは一人もいません。
いまや医療は不況業種です。
大きな国公立病院はほぼ赤字です。
院長先生は大変です。
■ ■
私がいつも院長日記で言っているように、
美容整形は大変です。
♡お金持ち♡になりたい人に、
お医者さんはすすめません。
私たちのように、
自分の手を酷使して稼ぐ職業はダメです。
手は2つしかないので、
どう頑張っても限界があります。
■ ■
保険診療の病院は消費税UPに弱く、
国の医療費抑制政策によって収入はどんどん減ります。
自由診療の美容整形も、
同業者が増えて常に価格競争です。
最新鋭のレーザー機器も、
携帯電話並みに陳腐化が早いです。
私は長者番付には無縁です。
好きな形成外科の保険診療で細々と生きて行きます。
医学講座
脂肪吸引で心肺停止_1億3362万円
院長日記でご紹介した、
美容医療裁判の本2019
埋没法で感染_2795万円
…の続きです。
美容外科手術で重篤な後遺障害や死亡事故があります。
手術を受ける側の患者さんはくれぐれも注意してほしいです。
■ ■
美容医療で事故が起きると大変です。
保険診療のふつうの医療でも死亡事故があります。
自分の身体をきれいにしたいと思って受けた美容医療で、
心肺停止や蘇生後脳症なった例がいくつもあります。
簡単に脂肪吸引はできません。
脂肪吸引をすることで、
脂肪が肺につまる肺塞栓はいそくせん
…という合併症があります。
■ ■
美容医療裁判の本2019に掲載されていた、
裁判例です。
判タ1415号 379頁
東京地裁判決 平成25年3月14日
判タ1415号
…というのは、
判例タイムズという雑誌の1415号です。
東京地裁平25.3.14判決
美容外科クリニックでの脂肪吸引手術中に,患者が心肺停止状態となり,蘇生後脳症となったことについて,執刀医の麻酔管理上の注意義務違反を認めた事例
■ ■
この事件を検索すると、
平成23年(ワ)第10084号
東京地裁民事第35部
…という、
損害賠償請求事件が出ます。
脂肪吸引手術中に心肺停止状態となり、
大学病院に救急搬送されたが、
蘇生後脳症になった事故です。
■ ■
麻酔は、
硬膜外麻酔、
静脈麻酔、
吸入麻酔で行われました。
手術中に、
フェンタニル、
プロボフォールが追加投与され、
その後に舌根沈下によるイビキ様呼吸、
SpO2が68%まで低下したようです。
■ ■
イビキ様呼吸が出た時点で、
すぐにマスクによる酸素投与と換気をしていれば、
心肺停止にはならなかったのに、、、
…と私は思いました。
手術を担当したのは、
なんちゃって医ではなく、
技量を持った美容外科医だったと想像します。
■ ■
事故は一瞬で起こります。
ちょっとした変化に気づくことが大切です。
モニターも必要です。
ふつうの病院で、
ふつうの手術をする時にも事故は起こります。
医療事故裁判の本を読んで、
手術をする側も、
手術を受ける側も勉強するのがいいです。
簡単な手術はありません。
私も事故を起こさないように毎日気をつけて手術をしています。
医学講座
埋没法で感染_2795万円
昨日の院長日記でご紹介した、
美容医療裁判の本2019
…には、
私たちが知らない裁判例が載っています。
裁判は公開された法廷で行われます。
傍聴は誰でもできます。
■ ■
裁判結果は文献になっているものもあります。
専門書を買うと読めますが、
高価なものが多く、
私でも持っていません。
この本は2,400円(税別)です。
専門書としては安価です。
ぜひ美容外科クリニックで購入することをおすすめします。
■ ■
興味深い裁判例が載っていました。
判時1558号 104頁
京都地裁判決 平成7年7月13日
判時1558号
…というのは、
判例時報という雑誌の1558号です。
この雑誌に掲載された裁判例です。
国立国会図書館に行くと読めるようです。
■ ■
美容医療裁判の本2019
…に掲載されていた内容です。
二重埋没法の手術後に、
両眼瞼膿瘍がんけんのうようになり、
両カタル性角膜潰瘍から、
角膜混濁、
角膜・瞳孔の変形、
著しい視力低下となり、
京都地裁で裁判がありました。
2,795万円の認容額となった判例が載っていました。
■ ■
私自身は、
他院で行われた埋没法の後に、
MRSA感染となった患者さんを治療しました。
幸いなことに、
その患者さんの感染は治りました。
後遺障害も残りませんでした。
埋没法で腫れが続く場合は、
必ず受診していただき、
しっかり経過を診ることが大切です。
医学講座
美容医療裁判の本2019
今日は2019年4月9日(火)です。
先日注文した本が届きました。
美容医療裁判の本です。
とても参考になる本です。
美容外科医だけではなく、
一般消費者の方にも読んでいただきたい内容です。
美容医療にはトラブルがあります。
■ ■
この本のタイトルは、
美容医療トラブル解決への実務マニュアル
-施術別裁判例をふまえて-
著者は、
東京の医療問題弁護団に所属する9人の弁護士さんです。
(末吉宜子・寺尾幸治・伊藤茂孝・三枝恵真・田畑俊治・花垣存彦・川見未華・晴柀雄太・渡邊隼人)
2018年11月9日初版発行
A5判216頁
定価2,592円(本体2,400円)
ISBN/ISSN: 978-4-8178-4516-0
■ ■
出版社は、
日本加除出版株式会社
出版社のHPに記載されている、
本の情報です。
急増するトラブルや相談の対応に不可欠!
基礎から実践まで、裁判例を交え網羅的に解説
● 東京の医療問題弁護団に所属する弁護士が有志で立ち上げた美容医療に関する勉強会による、医療的知見の収集、裁判例の調査、東京地裁での3年に及ぶ集団訴訟の集大成。
● その特殊性から相談を受ける弁護士が困難を感じることも多い「美容医療」分野について、医療被害と消費者問題の両方の側面から解説。
● 施術部位ごとに施術方法や問題点、裁判例や裁判例に関する考察で詳解。
● 本文で紹介した裁判例を一覧化して巻末に収録。
● 平成30年6月施行の医療法施行規則についても解説。
本の目次です
第1章 総論
第1 美容をとりまくトラブルの背景と法規制
第2 美容医療による被害
第3 美容医療の契約的側面の問題
第4 美容医療の広告の問題
第5 解決方法
第2章 施術別概要と裁判例
第1 顔の輪郭に関する施術
1 はじめに
2 施術方法等について
・顔面骨格の構造
・施術方法と合併症
3 裁判例
4 裁判例の考察
第2 フェイスリフトに関する施術
1 はじめに
2 施術方法等について
・フェイスリフト(顔面除皺術)
・スレッドリフト(糸によるリフト)
3 裁判例
4 裁判例の考察
第3 フィラーに関する施術
1 はじめに
2 フィラーについて
・フィラーとは
・フィラーの主な合併症
3 裁判例
4 裁判例の考察
第4 眼瞼に関する施術
1 はじめに
2 施術方法等について
・眼瞼の機能,解剖図
・重瞼術(二重瞼手術)
・眼瞼下垂に対する修正術
3 裁判例(手技上の過失)
4 手技上の過失に関する裁判例の考察
5 裁判例(説明義務違反)
6 説明義務違反に関する裁判例の考察
第5 鼻に関する施術
1 はじめに
2 施術方法等について
・鼻の構造
・施術の種類及び合併症
・隆鼻術
・鼻尖形成術
・鼻翼縮小術
3 裁判例
4 裁判例の考察
第6 皮膚に関する施術
1 はじめに
2 施術方法等について
・皮膚の構造
・ケミカルピーリング
・レーザー
3 裁判例
第7 脱毛に関する施術
1 はじめに
2 施術方法等について
・医療機関とエステティックサロンの脱毛の違い
・脱毛施術の種類と合併症
3 裁判例
4 裁判例の考察
第8 脂肪に関する施術
1 はじめに(トラブル事例の傾向等)
・脂肪吸引について
・脂肪溶解について
2 施術方法等について
・脂肪吸引
・脂肪切除(腹部)
・死亡溶解(融解)
3 裁判例
4 裁判例の考察
第9 腋臭症に関する施術
1 はじめに
2 施術方法等について
・腋臭症(わきが)
・手技
3 裁判例
4 裁判例の考察
第10 胸,乳房に関する施術
1 はじめに
2 施術方法等について
・総論
・インプラント(人工物)挿入法
・脂肪注入法
3 裁判例
4 裁判例の考察
第11 陰茎に関する施術
1 はじめに
2 施術方法等について
・包茎の種類
・包茎手術
3 裁判例(損害賠償責任)
4 損害賠償責任に関する裁判例の考察
5 裁判例(消費者契約法に基づく取消し)
6 消費者契約法に基づく取消しに関する裁判例の考察
第12 エステに関する施術
1 はじめに
2 エステ事案に対する考え方
・契約の取消主張など
・医療行為・美容業務との境界について
3 裁判例
(以上、日本加除出版株式会社HPより引用)
■ ■
小さな本に、
たくさんの内容があります。
美容外科手術をする側も、
美容外科手術を受ける側も、
これだけのトラブルがあることを、
よく知ることが大切です。
他人た起こした事故は、
自分も起こす可能性があります
私も事故を起こさないように、
毎日注意して手術をしています。