院長の休日
北大のイチョウ並木2019
今日は2019年11月4日(月)です。
昨日の休診日に、
北大のイチョウ並木を見に行きました。
今年は脅迫メールのために、
金葉祭こんようさいが中止になりました。
残念なことです。
■ ■
イチョウ並木を見に行くと、
北大病院で研修をしていた頃を思い出します。
形成外科病棟は南病棟6階でした。
通称6-6ろくのろくと呼ばれていました。
南病棟の最上階6階、
南東の角に形成外科のドクタールームがありました。
イチョウ並木がよく見えました。
■ ■
私は1985年10月から1986年3月まで、
形成外科のチーフレジデントとして、
毎日ドクタールームで働いていました。
お給料は安く、
時間外手当もボーナスもありませんでしたが、
とても充実した毎日でした。
手術後に患者さんがお亡くなりになり、
患者さんのお通夜に行ったつらい経験もしました。
■ ■
病棟の窓から毎日イチョウ並木を見ていましたが、
並木道を歩くのは朝と夜に帰る時だけでした。
朝は明るいのですが、
夜は真っ暗でした。
イチョウ並木で、
間違って銀杏を踏むと、
それはそれは強烈なにおいが靴につきました。
毎年秋になると思い出します。
私の若い頃の楽しい思い出の一つです。
医学講座
日本頭蓋顎顔面外科学会とは2019
第37回日本頭蓋顎顔面外科学会(東京)
…の続きです。
私が頭蓋顎顔面外科学会に参加するようになったのは、
2016年の第34回日本頭蓋顎顔面外科学会(東京)からです。
その前にも、
北大形成外科で主催した時には参加していました。
■ ■
学会の名前が難しいです。
頭蓋顎顔面外科学会
とうがい_がく_がんめん_外科学会です。
ずがい_がく_がんめん_外科学会と発音する先生もいます。
英語のCranio-Maxillo-Facial Surgeryの日本語訳が、
頭蓋顎顔面外科です。
■ ■
私たちは、
くらにお
まきしろ
…と呼びます。
頭や顔の骨を、
切ったり移動したりする手術です。
形成外科の中では、
大きな手術になります。
■ ■
くらにおやまきしろの手術は、
もともとフランスで発達しました。
日本人でこの手術をする先生たちは、
フランスに留学した先生が多いです。
昔は骨の手術がメインの学会だと思っていましたが、
近年は美容外科のフェイスリフトやフィラーの手術もあります。
眼瞼下垂の演題も多いです。
形成外科医が参加者の大部分です。
来年の学会にも参加しようと思っています。
医学講座
2020年マラソン札幌で確定
今日は2019年11月2日(土)です。
私が学会で上京している間に、
2020年東京オリンピックのマラソンが、
札幌で開催されることに決まりました。
東京に行ってみて思いました。
TOKYO2020
東京都民が300億円もかけてマラソンコースを整備したのに、
札幌開催で申し訳ございません。
■ ■
札幌市長も、
元東京都職員の北海道知事も、
神妙な顔で映っていました。
東京都民のことを思うと当然です。
【棚ぼた】の札幌開催です。
私は一人の札幌市民として、
心からのおもてなしをしようと思います。
札幌の良さを知っていただきたいです。
■ ■
マラソンコースは、
最初に報道された札幌ドーム発着案ではなく、
北海道マラソンのコースが検討されています。
出発点は札幌美容形成外科のすぐ近くです。
北大構内をコースは、
緑が多くてとてもいいコースです。
私は花咲じじいとして、
マラソンコースの沿道に、
きれいな花をたくさん植えるのがいいと思います。
札幌の五輪マラソンが成功することを祈っています。
2019年11月2日、北海道新聞朝刊
医学講座
第37回日本頭蓋顎顔面外科学会(東京)③
今日は2019年11月1日(金)です。
有意義だった第37回日本頭蓋顎顔面外科学会が終わりました。
今、札幌に戻りました。
金曜日の夜は飛行機が満席です。
11月はあと2つ学会に出席します。
11月14日(木)15日(金)が仙台の日本形成外科学会基礎学術集会、
11月28日(木)29日(金)が東京で日本マイクロサージャリー学会です。
■ ■
私には何の趣味もないですが、
形成外科の勉強が大好きです。
小学校から大学までは、
勉強は嫌いでした。
好きな科目もありましたが、
嫌いな科目の授業は嫌でした。
■ ■
今は好きな形成外科で、
65歳になっても仕事があるので、
ほんとうにありがたいことだと思っています。
第37回日本頭蓋顎顔面外科学会で勉強になったことです。
学会一日目の続きです。
今回のテーマは、
顔のプロフェッショナルを目指してでした。
■ ■
私の印象に残ったのが、
10:10~11:10 特別企画1
GID(性同一性障害)の頭蓋顎顔面外科手術
司会:難波祐三郎 岡山大学病院ジェンダーセンター
丹羽幸司 医療法人ガクト会 ナグモクリニック大阪
SP1-1 GID概論とMTF(Male to Female)の精神医学的特性
医療法人ガクト会ナグモクリニック大阪/近畿大学医学部形成外科学講座/NPO法人関西GICネットワーク
丹羽幸司
SP1-2 MTF性同一性障害者に対する顔面女性化手術について
山梨大学医学部附属病院形成外科
百澤 明
SP1-3 Feminization Surgery, Thailand 30 years experience
Chairman Departmentof Plastic and Reconstructive Surgery King Chulalongkorn University Hospital
Sirachai Jindarak, MD
SP1-4 性差から考えるクラニオフェイシャル・サージャリー
リラ・クラニオノェイシャル・クリニック東京/自治医科大学形成外科
菅原康志
SP1-5 特別発言
NPO法人クラニオフェイシャルセンター
上石 弘
■ ■
GID(性同一性障害)は、
厚生労働省が認めた病気です。
2018年4月から、
認定された病院では、
性別適合手術に健康保険が使えるようになりました。
保険適応になるのは、
性器や乳房の手術です。
■ ■
今回の学会で取り上げられたのは、
性器以外の部分の手術についてです。
心は男性なのに、
身体は女性という方が、
現在、医療機関を受診しているGID患者さんの約65%だそうです。
一見したところ、
ちょっとかっこいいお兄ちゃんに見えます。
駅の男子トイレを問題なく使えます。
■ ■
困るのが、
心は女性なのに、
身体が男性という方たちです。
駅の女子トイレを使おうと思っても、
女装した男性に見られて、
ガードマンが来る可能性があります。
原因は顔です。
男性ホルモンの影響で顔立ちが男のままです。
■ ■
少しでも女性顔に見えるようにするために、
形成外科の手術が必要になります。
この手術は、
美容目的の手術ではありません。
それなのに、
今のところ保険適応外の手術が多く、
困っている患者さんを助けることができません。
日本頭蓋顎顔面外科学会では、
この問題を取り上げて、
活発な討議がされました。
■ ■
私は、
山梨大学形成外科の百澤明先生のご発表がよかったと思いました。
百澤先生は、
埼玉医大でGID患者さんの治療をはじめられました。
患者さんの女子トイレを安心して使いたい、
…という願いをかなえてあげたいという、
強いお気持ちが伝わってきました。
百澤先生は女性顔をつくるプロです。
困っている患者さんの味方だと感じました。
医学講座
第37回日本頭蓋顎顔面外科学会(東京)②
今日は2019年10月31日です。
第37回日本頭蓋顎顔面外科学会に参加しています。
今日の学会で勉強したことです。
招待講演1
The Structure Approach to Asian Augmentation Rhinoplastty
講師:Dean M.Toriumi,MD
Division of Facial Plastrc and Reconstructive Surgery,
Department of Otolaryngology-Head&Neck Surgery, University of Illinois at Chicago
米国シカゴで活躍する、
Dean M.Toriumi先生の講演です。
アジア人の鼻を土台から治す
■ ■
私が東京まで来た目的の一つが、
Toriumi先生の講演を聴くことでした。
日系人の先生ですが、
ご発表は英語です。
きれいな発音で、
ゆっくり話してくださったので、
とても理解しやすかったです。
■ ■
米国で、
日本人が鼻の手術を受けるなら、
シカゴのトリウミ先生です。
抜群に手術が上手です。
日本人やアジア人の、
こんな鼻じゃなかったたらなぁ~
…という夢をかなえてくれる先生です。
■ ■
不幸な手術を受けて、
不幸な鼻になってしまった人も、
見事に治してくださっていました。
トリウミ先生は、
胸から7番目の肋軟骨を採取して、
上手に組み立てて鼻を作ります。
胸のキズがわずか1.3cmです。
信じられない小さなキズです。
■ ■
私が感動したのは、
最初にトリウミ先生のところに来たのに、
他の施設で手術を受けて、
それはそれは悲惨な鼻になってしまったのに、
何回も丁寧に手術をして、
その悲惨な鼻を治してあげた患者さんでした。
シカゴのトリウミ先生は、
鼻を治すプロです。
感動しました。
トリウミ先生です
医学講座
第37回日本頭蓋顎顔面外科学会(東京)①
今日は2019年10月30日(水)です。
明日から第37回日本頭蓋顎顔面外科学会が東京(両国)で開催されます。
昨年は札幌で開催されました
学会長は、
帝京大学医学部形成・口腔顎顔面外科学講座教授、
小室裕造先生です。
手術が上手な先生です。
学会のテーマは、
顔のプロフェッショナルを目指してです。
■ ■
顔のプロになるのは難しいです。
小室先生のご挨拶に、
形成外科の扱う領域は幅広いですが、
「顔」を扱うのが一つの大きな特色です。
「顔」の問題に悩んでいる患者さんに
最適な医療を提供するのが我々の使命であると考え
「顔のプロフェッショナルを目指して」というテーマを掲げました。
さすがです。
■ ■
私の顔が、
もう少しマシだったらなぁ~
…と思う人は、
女性も
男性も
悩んでいる人はたくさんいます。
みんな同じです。
私も形成外科医の一人として、
顔で悩む人のために2日間勉強します。
いいテーマだと思いました。
医学講座
八千草薫さんご逝去
今日は2019年10月29日(火)です。
今朝のとくダネで、
八千草薫さんの訃報を放送していました。
私も、
ふつうの日本人男性の一人として、
八千草薫さんのファンでした。
美しい方でした。
■ ■
今朝のTVで、
八千草薫さんが大阪のご出身で、
宝塚歌劇団の一期生だと知りました。
宝塚に入団したものの、
レッスンをするとお腹が空いて、
お母さんが着物をお米に換えてくれたと、
八千草さんが話していました。
■ ■
形成外科医として見ると、
八千草さんの目と鼻の微妙なバランスが、
とても美しいです。
子供の頃の写真が出ていました。
小さい頃から、
目が大きくて美しい女の子でした。
年齢を重ねても、
美しいままでした。
■ ■
大阪のご出身なのに、
関西のアクセントがまったく出てませんでした。
ご家庭では、
おそらく関西のアクセントで話していたと思います。
愛犬のシェルティーと写った写真もありました。
とても親しみを感じました。
心からご冥福をお祈りいたします。
最後にYahoo!ニュースに掲載された、
時事通信の記事を引用します。
2019年10月29日、Yahoo!ニュースです。
「どんな役も冒険」=気品にほほ笑み絶やさず-八千草薫さん
優しく柔和な表情の中に、りんとした気品をたたえた女性を演じ続けた八千草薫さん。
「どんな役も賭けであり冒険。未知の世界に行って、新しい発見をしたい」。そんな言葉通り、新たな仕事に挑戦し続けた。
2013年、58年ぶりに映画に主演した「くじけないで」。90代の女性を演じ、「普段は背筋を伸ばすよう努力しているのに正反対。加減がつかめなくて」と、82歳にして楽しそうに「年上」の女性を演じる難しさを語っていた。
「静かで悲しいだけの役は苦手」と、ほほ笑みを絶やさなかった八千草さん。「暗いことも明るく表現しちゃう大阪人気質かも」といたずらっぽく話した。
膵臓(すいぞう)がんの治療を受けた後の昨年夏、「また新しい発見のある芝居になれば」と3度目の「黄昏(たそがれ)」の舞台に立った。「80歳になった頃から、これが最後の仕事になるかもしれないと思ってやっています」と明かし、「でも、それでまた次やれるとね、ああ、うれしいな、ありがたいなと思うんです」と、演じられる喜びと感謝を語っていた。
今年は友人の脚本家、倉本聰さんが手掛けたテレビドラマ「やすらぎの郷」の続編「やすらぎの刻(とき)~道」に、引き続き往年の大女優役で出演予定だったが、1月にがんの転移が見つかって降板を発表した。
「体調を整えまして、より一層楽しんでいただける作品に参加できるように帰ってまいります。どうかお許しくださいませ」。静かな女優魂を燃やし続けた88年の生涯だった。
(以上、Yahoo!ニュース時事通信より引用)
昔の記憶
市立札幌病院グリム会2019
今日は2019年10月28日(月)です。
昨夜、市立札幌病院グリム会がありました。
42人の参加者があり、
とても和やかな会でした。
グリム会2014
市立札幌病院は、
私が医師としての青春時代を過ごした病院です。
■ ■
昨日の会で、
お二人の会員がご逝去されたことを知りました。
手戸一郎先生
2019年4月21日ご逝去、
内田多久實先生
2019年1月9日ご逝去、
全員で黙祷をささげました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
■ ■
手術用顕微鏡の想い出
2009年10月7日の院長日記です。
手術の直前になって…
代理店から…
『申し訳ございません』
『顕微鏡の手配ができませんでした』
と連絡がありました。
手術用顕微鏡がなくて手術が延期になりました。
人生で一番困った時の一つです。
■ ■
手術予定の患者さんに、
私といっしょに謝ってくださったのが、
当時、救急部担当の副院長だった、
手戸一郎先生でした。
小児外科がご専門の温厚な先生でした。
私の恩師、
北大形成外科初代教授の大浦武彦先生の同期です。
手戸一郎先生は、のちに市立札幌病院院長に就任されました。
■ ■
いろいろな思い出がある市立札幌病院です。
手戸一郎先生は、
院長室より、
手術室が好きだったと思います。
珍しく手術場の更衣室で手戸一郎先生とお会いした時のことです、
院長室と違って、
にこにこしていました
手術が丁寧で上手な先生でした。
ここ(手術室)はいいですね
小児外科が大好きだった手戸一郎先生のご冥福をお祈りしています。
市立札幌病院に1年以上在籍したことがある医師ならどなたでも入会できます
(正職員・非正職員を問いません)
入会希望の方は市立札幌病院総務課へご連絡ください
医学講座
米国の病院事情2019
今日は2019年10月27日(日)です。
私が毎日聴いている、
杉田敏先生のNHK実践ビジネス英語
とても興味深い内容があったのでご紹介します。
米国の病院事情が変わっているというストーリーです。
タイトルは変容する病院 The Changing Face of Hospitalsです。
米国では大きな病院から、
microhospital マイクロホスピタルという小さな施設に変容しているそうです。
■ ■
以前の番組で、
Heather Howardヘザー・ハワードさんが、
日本の医療制度が米国よりいいと褒めてくださいました。
日本人医師としてうれしいことです。
日本の病院経営は大変ですし、
クリニックの経営も大変です。
医療保険制度の違いもあります。
日本は毎年増え続ける医療費の抑制に追われています。
■ ■
私は米国の医療制度のことには詳しくありません。
形成外科と保険診療
2011年6月15日の院長日記です。
米国の医療費は高いです。
日本では、
保険適応の眼瞼下垂症手術がありますが、
米国で有名な形成外科医に手術を受けると、
とても高額な手術費用がかかります。
■ ■
私は毎日、杉田敏先生に感謝しながら、
NHKのラジオ講座で英語を勉強しています。
英語そのものよりも、
新鮮な話題に驚くことばかりです。
杉田先生のFBに、
2019年10月25日の朝日新聞に取り上げられたことが掲載されていました。
本日の朝日新聞朝刊に「英語 多忙な大人も聞いて学んで」という見出しの大きな記事が載りました。
伊藤絵里奈記者が次のように書いています。
「記者は中学で基礎英語を聞きはじめ、今は実践ビジネス英語をきいている。多国籍企業を舞台に様々な背景の登場人物たちが、米国における貧困や座席を倒す際のマナー、過保護な親たちなど様々な話題で会話を繰り広げる。講師の杉田敏先生は、通算30年以上NHKのラジオ語学番組を担当するベテランで、知識とウィットに富む。ファンが多く、かくいう記者もその一人だ。」
「杉田先生は毎朝ネットなどで、世界のニュースや米国の最新事情をチェックしている。番組の内容は半年以上前に決めるが、放送時にホットな話題になっていることが多いのに驚く」と(NHKの語学部統括部長の)鵜川陽一さん。
私は杉田敏先生のファンの一人として、
一日でも長く実践ビジネス英語を続けていただきたいです。
杉田先生ありがとうございます。