医学講座
父の死乗り越え歩み始めた君へ
平成29年6月13日、朝日新聞朝刊、声の欄への投稿です。
父の死乗り越え歩み始めた君へ
高校教員 久原弘(山口県 58)
彼と最初に出会ったのは、私が通信制高校に赴任した年だった。おとなしい1年生で、2年の時に父親を亡くした。病弱な母親と幼い弟を抱え、家計を支えるため毎日のようにコンビニで働いた。
3年生になると、少しずつ元気になり、立候補して生徒会役員にもなった。そして週1回、片道2時間かけて学校に来て、生徒の相談係だった私と「どんな職業を目指すか」何度も話し合った。働きながら養成学校に通えて、就職がほぼ確実とされる准看護師を、彼は選んだ。
先月、出張先で再会した。4月に終末期ケアの病院に就職したという。3交代できつい時もあるが、長い人生を生きてきたお年寄りが大好きで、仕事に生きがいを感じる、中古の車も買った、とうれしそうに話す。「頭が下がるよ」と私は言った。心から。20歳を過ぎたばかりの笑顔が、まぶしくたくましく見えた。
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
今日は朝からいいお話しを読ませていただきました。
毎日コンビニで働きながら
通信制高校に通い、
病弱な母親と幼い弟のために、
家計を支える
なかなかできることではありません。
■ ■
通信制高校を卒業後に、
働きながら養成学校に通い、
准看護師となった。
お年寄の看護を担当する
素晴らしいことです。
20歳の若者が、
毎日一生懸命働いている姿が、
目に浮かぶようです。
■ ■
私が医師になった32年前には、
働きながら准看護師になる道がありました。
札幌市医師会にも、
准看護師の学校がありました。
卒業後に正看護師になる学校もありました。
働きながら学び資格を取った看護師さんを、
何人も知っています。
■ ■
みなさんとても優秀な看護師さんです。
師長さんとして働いている人もいれば、
先生の奥さんになった人います。
看護師になる道はたくさんあります。
中学校卒業後に、
高校の衛生看護科に進む道もあれば、
大学の看護学部もあります。
■ ■
残念なのは、
どの道を選ぶにしても、
入学金や授業料が高いことです。
奨学金をもらっている看護師さんもたくさんいます。
でも、
奨学金をもらう前に、
入学試験や入学金にお金がかかります。
■ ■
准看護師の制度について、
あれこれ言うつもりはありません。
コンビニで働きながら高校を卒業する若者でも、
看護職になれる道がもう少し広ければいいと(私は)思っています。
20歳の若者がとても輝いて見えます。
これからも勉強を重ねて、
より上を目指していただきたいです。
■ ■
投稿者の久原先生と同じ気持ちです。
「頭が下がるよ」と私は言った。
心から。
20歳を過ぎたばかりの笑顔が、
まぶしくたくましく見えた。
朝からいいお話しをありがとうございました。
私が老人になったら、
苦労して准看護師になった若者にみていただきたいです。
“父の死乗り越え歩み始めた君へ”へのコメント
コメントをどうぞ
父の入院で老人の看護がどれ程大変か
看護師さんの苦労を見ました。
あるご老人はナースコールして
看護師さんが用が今あるので
後で来るからと言っても
何度もナースコールを押していました。
怒鳴られてる看護師さんもいました。
認知症もあるのでしょう。
苦労して社会に出た方は
人を思いやる気持ちが人一倍あると思います。
先生が書かれてたように
広く受け入れてくれるようになるといいですね。
奨学金制度というのもあるのですよね?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。奨学金制度はありますが御礼奉公という義務が生じる奨学金が多いです。看護師になるための学校は専門学校も大学もお金がかかります。朝日新聞に書かれた青年のようにコンビニで働きながら家計を助けて、その上、高額の入学金を払うのは無理なところが大部分です。もっとお金がかからない養成校があるといいと(私は)思います。
凄いがんばりやですね。 我が家には両親がいますが、学資保険をバイクに使った次男は高校卒業後農業資材の会社に就職し 退職してから家で農家を手伝いながら、大型、大特、自動二輪、フォークリフトなどの免許をとり、何を思ったか千葉の介護福祉士の専門学校に通い、帰ってきて山形の病院で5年働き300万円を貯めて 愛知県の准看護士の学校に行き、東京の正看護師の学校に行き、遠回りはしましたが、落第もせず 今は 関東地区の病院の脳神経外科で働いています。到底 300万円では足りず 保険を解約したり もちろん 息子も訪問入浴のアルバイトなどをしてお金をつなぎました。 兄の方は 600万円貯めていましたが、医療系はお金がかかり 奨学金も大学の時借りていてまだ返し終わらず、借りないでなんとか頑張りました。病院などの奨学金制度はありますが、借りると絶対そこに入職せねばならなくなります。 どこも看護師不足ですが、もっと厚生労働省が考えて欲しいです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。さくらんぼさんのお二人のご子息様はご立派です。600万円の貯金がある若者はなかなかいません。300万円の貯金ですら少ないです。医療系専門学校はお金がかかります。昔は医師会が設立した看護師養成学校がありました。そこで働きながら准看護師→正看護師と国家資格を取った看護師さんを何人も知っています。看護師になりたくてもお金がかかるのであきらめている人がいます。昔がよかったとは言いませんが国も何とか考えてほしいです。朝日新聞に書かれた青年は立派です。きっといい看護師さんです。
私も看護師さんには、頭がさがります。自分ではとてもできないと思うことも積極的にする姿は偉いと思います。ショートステイでお世話になっている32歳の青年も白血病の難病を克服したそうです。
よい記事を有り難うございました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。看護師はきれいな仕事ではありません。医師も同じです。きたない物もにおいがきついものも扱う職業です。自分が病気で苦労した人は優しくて思いやりがある看護師さんが多いと思います。
優しく、素早く対応してくださる
看護師さんは感心と感謝の気持ちです。
私の細い血管に点滴の針が刺さらず、
何度も痛い思いをさせてごめんなさいね。
と声かけしてくださり一生懸命に処置して
くださいます。
主人の母(70歳)も働きながら准看護師に
なり、注射が得意だったそうです。
私も母と弟、3人の母子家庭でしたので、
家計を支える事までは出来ませんでしたが、
高校3年間はアルバイトで家計の協力を
していた事を思い出しました。
素晴らしい記事を、ご紹介いただきまして
ありがとうございます。
お心遣いのお言葉にも感謝しております。
おかげさまで少しずつ痛みも落ち着いて
きました。自宅では息子が家事を担って
くれています。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。痛みが減ってきてよかったです。ご子息様が家事を手伝ってくださりうれしいですね。
私の知り合いも50才を過ぎてから准看、さらに正看の免許を取得して働いています。
やはり御礼奉公があるらしいですが、数年働くと全額免除だそうです。
お金がかからない防衛や自衛隊の看護はレベルが高く、競争もすごいですよね。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。50歳を過ぎてから准看→正看は素晴らしいです。私でも看護師国家試験を今年受けて受かる自信はありません。かなり勉強しないと無理です。