医学講座
見た目の改善と保険診療
今日は2021年1月11日(月)成人の日です。
昨日の院長日記、
保険治療と自費治療2021
…の続きです。
YouTubeで村松英之先生がご説明されているように、
今の健康保険制度では、
私たち形成外科医が得意な、
見た目の改善に健康保険が使えません。
■ ■
下の図は労災保険の後遺症診断に使う資料です。
だれが決めたかわかりませんが、
顔に下のようなキズが残っても、
醜状には該当しない傷なんだそうです。
この基準を決めたお役人にきいてみたいです。
あんたの、
かわいい娘さんや、
お孫さんにこのキズが残っても、
じいちゃんは何もしてやらないのかい?
■ ■
醜状しゅうじょうとは、
みにくいきず
目立つきず
…という意味です。
今の形成外科の技術で手術をすると、
下のキズは明らかに改善できます。
それなのに、
労災保険では目立たないキズです。
■ ■
この判断基準はどう考えてもおかしいです。
顔の傷、男女差は「違憲」
2010年5月28日の院長日記です。
障害認定の際の判断基準は、
1936年のままです。
時代遅れもいいところです。
今の形成外科の技術で治せます。
■ ■
形成外科で困るのが、
運動制限がないと、
保険適応のキズの手術が難しいところです。
下の図は、
醜状には該当しますが、
運動制限は微妙なところです。
私は、
下の図のような患者さんは保険で治療できるようにしたいです。
コロナが落ち着いたら、
ぜひ国に考えていただきたいです。
“見た目の改善と保険診療”へのコメント
コメントをどうぞ
醜状という言葉は初めて知りました。
ほんの些細な傷でも
顔は別です。
とても気になるものです。
人の目に触れやすい箇所です。
傷を気にしてうつむき加減になる人も
いるかもしれません。
人の視線が気になることでしょう。
何とか保険適応にして頂きたいです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。単なるきずあとの手術は保険診療ではできないというのがルールです。運動制限がなくても常識的に誰が見ても気になるキズは保険診療で手術を受けられるようにしてほしいです。
感じ方に相違があり
誰が判断するのかによって該当する
しないの選別はあるかと思いますが
外見の症状は人と関わることが怖く
なったりもします。
すばらしい形成外科の技術が
保険適応で多くの患者さんの
顔と心のキズを治せるように
なってほしいです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。日本全国の形成外科医は図のようなキズは保険診療で堂々と手術をしたいと考えています。残念なことに運動制限のないキズは目立つキズでも保険診療で手術はできません。そもそも図のようなキズを醜状ではない(目立たない)としていることに問題があります。1936年の基準は改善していただきたいです。
傷に基準があり保険の効かないものがあるなんて不公平です。まして顔は保険診療にしてほしいです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。図のようなキズは誰が見ても気の毒なキズです。形成外科の技術で目立たないキズにできます。保険診療で堂々と手術ができるようにしていただきたいです。
憲法14条違反(法の下の平等違反←男女に差)となったものの行政訴訟しないといけないことになったのでしょうか?
10年経過して違憲のままとは‥‥。
違憲判決~著しい外貌醜状についての労災障害等級表は憲法14条違反~ 京都第一法律事務所/創立60年の確かな実績|京都弁護士会所属
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。平成23年2月1日の厚生労働省労働基準局長通達、基発0201第2号、外貌(上肢及び下肢の醜状を含む。)の醜状障害に関する障害等級認定基準の改定で男女差は無くなりました。しかし、(5)障害補償の対象となる外貌の醜状とは、人目につく程度以上のものでなければならないから、瘢痕、線状痕及び組織陥没であって眉毛、頭髪等にかくれる部分については、醜状として取り扱わないこと。例 眉毛の走行に一致して3.5センチメートルの縫合創痕があり、そのうち1.5センチメートルが眉毛にかくれている場合は、顔面に残った線状痕は2センチメートルとなるので、外貌の醜状には該当しない。つまり、図のキズは醜状には該当しないという文言は残ったままです。時代遅れもいいとこです。