医学講座
目立つきずあとと後遺症診断
今日は2021年1月14日(木)です。
札幌は雪です。
湿った雪です。
道路も少しとけています。
こんな雪は重くて歩きにくく、
除雪も大変です。
私は家にいます。
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新型コロナの患者数が増えています。
何とか収束させたいです。
11都府県に緊急事態宣言が出ています。
熊本県のように、
県独自で緊急事態宣言を出すところもあります。
私は用心するに越したことはないし、
県独自で出すのもいいことだと思います。
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私の院長日記は、
醜状しゅうじょうの続きです。
目立つきずあと
きずあと
…を治すのが、
私たち形成外科の役目です。
今の日本の制度ではやりにくいことがたくさんあります。
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後遺障害診断書
2008年8月16日の院長日記です。
この後、2010年5月27日に京都地裁で
労災で顔に傷、補償に男女差は「違憲」
…という判決がでたので、
2011年2月1日に改定されました。
平成23年2月1日の厚生労働省労働基準局長通達、基発0201第2号、外貌(上肢及び下肢の醜状を含む。)の醜状障害に関する障害等級認定基準の改定。
…残念ですが時代遅れの認定基準です。
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2011年2月の厚生労働省通達には図はありません。
下の図は、
労災補償_障害認定必携
監修_厚生労働省労働基準局
著者名:労災サポートセンター
出版社:労災サポートセンターから引用しました。
厚生労働省通達にあるのは、
わかりにくい言葉だけです。
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著しい醜状 7級12号
顔面については、鶏卵大面以上の瘢痕又は10円銅貨大以上の組織陥没
相当程度の醜状 9級16号
顔面部の長さ5センチメートル以上の線状痕
醜状 12級14号
顔面部については、10円銅貨大以上の瘢痕又は長さ3センチメートル以上の線状痕
これが基準です。
顔に大きなきずが残るとかなりのダメージですが、
残念なことに等級は低いです。
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私が形成外科医になって40年です。
下の図のような、
著しい醜状の後遺障害はありません。
著しい醜状を治したことはあります。
1936年に決めた基準は時代に合いません。
交通事故の後遺障害等級も、
労災の後遺障害等級に合わせて決められます。
時代遅れの障害等級認定基準は変えていただきたいです。