医学講座
ワクチン接種の費用一回2070円
今日は2021年1月21日(木)です。
新型コロナの感染者数が増えています。
私はワクチンに期待しています。
感染症の歴史を見ると、
見えない敵の細菌やウイルスに勝ったのは、
人間の免疫めんえきのおかげです。
■ ■
抗原と抗体
銀杏によるかぶれ
私はとても幸運なことに、
免疫学が得意です。
理由は札幌医大の学生だった時に、
菊地浩吉先生という、
免疫学の大家から、
直接、講義を受けたからです。
菊地先生は当時、札幌医大第一病理の教授で、
のちに札幌医大学長に就任された先生です。
■ ■
私が学生だった頃、
菊地先生が医科免疫学という本を出版されました。
表紙が赤だったので、
赤本あかほんと呼ばれました。
この本が、
医学書としてはベストセラーになりました。
菊地先生の講義はおもしろく、
居眠りをする学生もいませんでした。
■ ■
私は新型コロナのワクチンができたら、
必ず接種してもらいます。
実験台になってもいいです。
知らなかったのが、
ワクチン接種の費用です。
ネットで調べてみると、
厚生労働省から通達が出ていました。
■ ■
事務連絡
令和2年12月17日
公益社団法人日本医師会 御中
厚生労働省健康局健康課予防接種室
標記について、下記の考え方により第3 次補正予算案における積算を行っております。なお、都道府県及び市町村に対しては、別添の資料で考え方を伝達するとともに、追って、交付要綱等を発出する予定です。
新型コロナワクチンの接種については、厚生労働大臣の指示に基づき国の負担により実施することを踏まえ、接種委託費用についても、全国統一の単価とし、接種1回目、接種2回目とも共通の2,070 円とする。(ワクチン代については、国が確保供給するため接種費用に含めない。)
6歳未満の小児に接種が行われる場合には、660 円を加算するものとする。
■ ■
正直に言って、
一回2070円でワクチンを接種してくれる医療機関が、
何軒あるだろうか?
ちょっと心配になりました。
2070円には、
診療録を作成する費用も、
人件費も、
予約などにかかる費用も含まれています。
赤字覚悟の、
公的医療機関でないと無理だと、
一人の開業医として思います。