医学講座

乳児血管腫に新薬登場

 平成29年9月13日、昨日の朝日新聞朝刊の記事です。
 乳児血管腫に新薬登場 海外で効果確認、昨秋から国内でも
生後間もない赤ちゃんの体にできる「乳児血管腫」(いちご状血管腫)の治療に効果的な薬が出てきた。従来、心臓病の治療に使われていた薬だが、海外で乳児血管腫に効くことがわかり、2016年9月、国内でも保険適用された。海外の薬が国内で使えるようになるまでの時間差(ドラッグラグ)を解消するため、国が始めた制度の成果の一つとしても注目されている。
 ■あざの赤み引く作用
 神奈川県に住む女の子(1歳)は昨年6月に生まれてほどなく、右足のももに濃い赤紫色のあざが見つかった。肌から盛り上がるような形だった。母親(29歳)は小児科医から乳児血管腫と説明を受けた。
 乳児血管腫は毛細血管が異常に増えてできる良性腫瘍(しゅよう)だ。体表面だけでなく内臓にもできる。比較的、女児に多い。生後1カ月~半年ごろに、あざが急速に広がる「増殖期」に入り、1歳ごろピークになる。その後少しずつ小さくなる「退縮期」を経て、6~7歳で最小になるのが一般的だ。
小さくて目立たない場合は様子を見るが、目のそばや肛門(こうもん)、鼻など体の機能に支障が出る場所にできた場合などに、レーザーやドライアイスを当てて小さくしたり、赤みを改善したりするのが従来の治療だった。治療しないと25~69%の子どもに、あざがあった部分に赤みやしわ、たるみなどが残るという報告がある。
 女の子の場合、あざが縦10センチ、横7センチほどまで広がり、ももの前面を覆うほどになった。同年9月、総合病院の形成外科で赤みを改善するレーザー照射を受けたが、水ぶくれやかさぶたができ、高熱を出して別の病院に入院した。「レーザー治療はもうしたくない」と母親も途方に暮れた。
 ちょうどその頃、血管腫に効く新薬が承認されたと知った。そこで神奈川県立こども医療センター(横浜市)で治療を受けることにした。同センターの馬場直子皮膚科部長は「レーザー照射後の経過が思わしくなく、出血していてあざも大きい」と判断し、新薬「プロプラノロール」(商品名・ヘマンジオルシロップ)の投与を決めた。
 入院し、血圧や脈、血糖値を測りながら薬を少しずつ増量していった。馬場医師は「血圧や血糖値を下げるなどの副作用があるので注意が必要」と話す。
 投与開始の数日後から、あざは徐々に柔らかくなって血も止まり、盛り上がりも低くなった。色もピンクになった。母親は「あざの大きさは変わらないが、だいぶ赤みが引いて、厚みも減ってきた」と話す。
 7年前から臨床試験でプロプラノロールを処方している関東中央病院(東京都世田谷区)の鑑(かがみ)慎司皮膚科部長は「早めに薬を服用すれば、より早く血管腫を小さくできる。『いずれ消えるから』で終わらせず、新薬ができたことは知っておいてほしい」と話す。
新制度で早い承認可能に
 プロプラノロールは狭心症や不整脈の治療に使われてきた薬だ。2008年、乳児血管腫でも高い効果があるとの論文がフランスで報告され、その後、欧州や米国で相次ぎ承認された。
 こうした動きを受け2014年、日本小児血液・がん学会など国内の関連学会が厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」に早期開発を求めた。
 検討会議は2010年、ドラッグラグ解消のために発足した。海外の薬について、必要性や承認試験のあり方などを話し合い、製薬会社に開発を要請する。同省によると、検討会議の発足後、今年3月末までに計869の薬の開発要望が寄せられ、297の薬が製薬会社に開発要請された。
 プロプラノロールの開発要望に関わった国立がん研究センター中央病院の小川千登世・小児腫瘍科長は「海外で未承認の薬でも効果が確認されていれば検討対象にあげられるなど、検討会議の条件も緩和され、ドラッグラグが生じにくい仕組みもできた。こうした取り組みが薬の開発と使用の時間差を短縮し、新薬が患者に届きやすくなることに貢献している」と話す。(錦光山雅子)

乳児血管腫の症状の推移と治療の比較
(以上、朝日新聞より引用)

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 私が以前から報告している、
 血管腫の治療です。
 第39回日本美容外科学会(京都)②
 この美容外科学会で、
 聞いたことを書いた内容です。
 一日目の8:00~9:00美容レーザー適正認定講座
 イチゴ状血管腫(乳児血管腫)治療の最前線
 プロプラノロール内服療法VSレーザー

 斗南病院形成外科の佐々木 了ささきさとる先生のご発表をお聞きしました。
 勉強になりました。
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 イチゴ状血管腫という病気があります。
 過去の院長日記でも取り上げています。
 苺状血管腫(いちごじょうけっかんしゅ)
 2009年5月18日の院長日記です。
 このイチゴ状血管腫の治療が大きく変わりました。
 病気の名前も、
 いちご状血管腫から
 乳児血管腫(Infantile Hemangioma:IHになりました。
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 第57回日本形成外科学会【長崎】①
 2014年4月9日の院長日記でご紹介しています。
 プロプラノロールという飲み薬が、
 乳児血管腫治療薬として認可されました。
 ヘマンジオルシロップという商品名です。
 2016年7月4日
 商品名ヘマンジオルシロップ小児用0.375%の製造販売が承認されました。
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 1日あたり1mg/kg~3mg/kgを2回に分割し、
 経口投与します。
 投与は1日1mg/kgから開始し、
 2日以上の間隔を空けて1mg/kgずつ増量、
 1日3mg/kgで維持するのが、
 添付文書に書かれた投与法です。
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 気をつけなければいけないのが、
 低血糖と低血圧です。
 喘息様の発作にも要注意です。
 顔に大きな血管腫がある患者さんは、
 頸部にも血管腫できていることがあります。
 声門近くの下咽頭に血管腫があるとやばいです。
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 投与後に喘鳴が聞こえたら注意です。
 佐々木了先生の結論は、
 ヘマンジオルシロップは効きます。
 でも効き目が悪いこともあります。
 そんな時はレーザーをかけます。
 そうすると薬で治らなかった患者さんが
 よくなっていました。
 赤ちゃんに赤いアザができたら、
 このページを読んでください。
 第一選択はヘマンジオールシロップの内服です。
 効かない症例にはVビームレーザーです。
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 朝日新聞の記事とは少し違っています
 私の院長日記を信用してください。
 赤ちゃんに赤いアザができたら、
 第一選択はヘマンジオールシロップの内服です。
 効かない症例にはVビームレーザーです。

 これが2017年9月現在の最新情報です。
 斗南病院形成外科の佐々木 了ささきさとる先生をおすすめします。
 血管腫のスペシャリストです。
 遠くから飛行機で札幌まで来る価値があります。

TEL 011-231-6666ご相談ご予約このページのトップへ