院長の休日
被災犬しろたんの縁
平成28年11月16日、朝日新聞朝刊、
ひとときへの投稿です。
被災犬しろたんの縁
2年前、動物保護施設から譲り受けた犬の「しろたん」は、すっかり私たち夫婦の息子になった。雷や台風などが大の苦手で、空模様が怪しくなると、私たちにくっついて離れない。午後4時が近づくと、前脚で何度もそーっと私をたたいて散歩の催促をする。
しろたんは東日本大震災の被災犬で、原発事故により全村避難となった福島県飯舘村で保護された経緯がある。私たちは元飼い主の方がどんな思いで手放され、今どうされているのかずっと気に掛かっていた。
最近、思い切って飯舘村役場へ問い合わせた。該当する3件から絞り込み、特定できたと連絡があった。まもなく元飼い主さんから電話をもらい、10月25日に夫が福島で会えた。元の家や散歩コースを車で案内してもらい、こちらはしろたんの写真や動画を渡した。
家族の中でも、今86歳のおばあさんがかわいがっておられたそうで、「安心しました」と涙ながらに電話を頂いた。避難女性らが古い着物で作る「までい着」を縫ってくださるという。
「大阪に親戚ができたようでうれしい」とも言われた。私たちもそんな気がしている。しろたんが引き合わせてくれたご縁である。
(大阪府能勢町 佐久久美 主婦 70歳)
(以上、朝日新聞より引用)
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今朝はこの記事を見つけて、
朝から気分がいいです。
甘えん坊の「しろたん」
2015年1月24日の院長日記です。
平成27年1月24日、朝日新聞朝刊、
ひとときへの投稿です。
甘えん坊の「しろたん」
昨年末、わが家に6歳のオス犬がやってきた。
飼っていた犬が半年前に急死し、夫婦ふたりだけの生活になり、悲しくてさびしい日々が続いていた。そんな折、近くにある動物保護施設の犬に出会った。何度かおじゃましているうち、1匹の犬に情が移ってしまい、最期まで責任をもって飼う約束で譲り受けたのだ。
施設の動物には、推定年齢や保護の経緯が記されたカルテがある。わが家へ来た犬は福島県飯舘村生まれ、名前は「シロ」。東日本大震災後、飯舘村は原発事故の被害で全村避難となった。村に取り残されて保護されたという。シロは大阪の施設に来て3年余り、新しい飼い主を待っていたことになる。
わが家では名前を「しろたん」と決めた。白い雑種で、耳や背中に茶色いブチがある。まだ日も浅いのに、背中をなでてというようにすり寄って、私たちに甘えてくる愛嬌(あいきょう)者だ。
「福島でもこうして甘えていたんやろな」
「いまだに帰る見通しもたたない避難生活をしている人たちは、どんな気持ちやろう」
しろたんの頭をなでながら、夫婦で話している。
(大阪府能勢町 佐久久美 主婦 69歳)
(以上、朝日新聞より引用)
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その翌日には、
夫婦ふたりだけの生活
…という院長日記もあります。
実は、
筆者の佐久久美様から、
お手紙までいただきました。
ありがたいことです。
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甘えん坊の「しろたん」の元の飼い主がわかって、
今86歳のおばあさんがかわいがっておられたそうで、
「安心しました」と涙ながらに電話を頂いた。
光景が目に浮かぶようです。
ご主人が、
わざわざ福島まで行かれたのも驚きです。
「大阪に親戚ができたようでうれしい」とも言われた。
私たちもそんな気がしている。
しろたんが引き合わせてくれたご縁である。
いいご縁ができてよかったですね。