医学講座
第2回弁論準備手続記録(札幌地裁)
第2回弁論準備手続
事件番号 平成28年(ワ)第816号
建物明渡請求事件
原告 大同生命保険株式会社
被告 医療法人札幌美容形成外科
期日 平成28年11月4日(金)午後4時01分~午後4時50分
場所 ラウンド法廷(3階304)
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昨日、札幌地裁に行ってきました。
昨日は晴れでしたが、
今朝の札幌は雪です。
東京からいらした弁護士さんは、
お二人とも夏靴でした。
一日違いで雪になりました。
夏靴は転倒の危険があります。
今回はラッキーでした。
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昨日は約1時間もかけて、
裁判官がじっくりと話しを聞いてくださいました。
ありがたいことと感じました。
病院にたとえて言うと、
午前中の混雑した外来では、
患者さんからゆっくり話しを聞くことができません。
説明もせいぜい数分です。
次の患者さんが待っているからです。
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患者さんとご家族に、
時間をかけてゆっくり説明する時は、
通常診療が終了後に、
だれも待っている患者さんがいない時間に、
特別に外来や病棟で時間をつくることがあります。
裁判所の口頭弁論が、
病院のふつうの外来診療のようです。
口頭弁論の期日が10:30だったとすると、
10:30には2件の口頭弁論があります。
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次の予定も入っているので、
広い法廷で、
裁判官がじっくり話し聞くことは不可能です。
ラウンド法廷は、
書記官が執務している部屋の横にあります。
小学校の教室を少し狭くした程度の部屋です。
裁判官1人と書記官1人、
じっくり話しをすることができます。
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病院でいうと、
ナースステーション横のカンファレンスルームで、
患者さんとご家族に説明する雰囲気です。
こちらも質問や発言ができます。
裁判官と会話ができます。
札幌美容形成外科の担当は、
札幌地裁民事第5部4係
根本宜之裁判官です。
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法律を守る裁判官として、
紛争を早く解決してあげたい
…という強い情熱を感じる素敵な方です。
事件番号 平成28年(ワ)第816号
建物明渡請求事件
昨日のラウンド法廷では、
まず被告側(札幌美容形成外科)から、
解決の道について聞かれました。
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私から、
スノー会舘ビルの時代から建替計画があり、
試算をした経緯をお話しました。
立退料をもらっても課税されるので、
クリニックの移転には莫大な費用がかかることをお伝えしました。
裁判所の向いにある、
札幌国税局に相談したことも伝えました。
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今の税制では、
立退料であろうと、
保証料であろうと、
金銭を受領した場合には課税対象となります。
現在の立地条件は、
札幌駅前通地下歩行空間の開通により、
札幌市内でも最も利便性が高い場所です。
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現在の立地条件と同じ場所を探すと、
賃料は現在のほぼ2倍以上になります。
これも移転が難しい理由です。
駅前通りの人気が高いことから、
ビルに空室がないのも事実です。
さまざまな要因で、
移転が難しいことをご説明いたしました。
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大同生命ビルの斜め向いには、
赤れんがテラスと呼ばれるビルがあります。
その場所にあったのが、
旧札幌三井ビルです。
三井不動産が所有していたビルです。
ここに入居されていた歯科診療所は、
札幌第一生命ビルに移転され、
赤れんがテラスの新築時に戻りました。
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札幌美容形成外科も、
同じように、
仮診療所を準備してもらい、
新大同生命ビルへの入居を求めていることをご説明いたしました。
こちらとしては、
金銭での解決は考えていない。
診療を継続することが解決の道であると、
裁判官にお伝えしました。
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私たちの後で、
虎門中央法律事務所の、
板垣幾久雄弁護士
柴田征範弁護士のお二人とも、
約15分程度、
じっくりとお話しをされました。
昨日は相手方から準備書面の提出はなく、
次回は12月1日(木)16:00から第3回弁論準備手続です。
じっくりとお話しを聞いてくださった、
札幌地裁民事第5部4係
根本宜之裁判官に感謝しています。