院長の休日
5アンペア生活、猛暑の試練
平成29年8月1日、朝日新聞朝刊の記事です。
5アンペア生活、猛暑の試練 家族「普通の暮らしを…」
電力会社の電気に極力頼らず暮らしたいと、2012年7月に契約アンペアを最小の5アンペアに下げてから5年。生活面で折に触れて報告してきた「5アンペア生活」を続けている。3年半の名古屋勤務をへて今春から、再び東京に来た。節電生活を2年ぶりに紹介する。(斎藤健一郎)
■「エアコンつけたい」唐突な妻の本音
5年間で電力会社に払った我が家の電気代は計1万9319円で、月平均は322円。60カ月の使用量は平均的な家庭の2カ月分だった。そんなデータを集めて満足感に浸っていた先週の朝、保育士の妻(36)が唐突に言った。
「あーやだ。エアコンをつけたいし、電子レンジも使いたい。普通の暮らしがしたーい」
結婚して3年余、妻は僕(42)の節電生活にきっちり付き合ってきた。独身時代、節電を極めた僕も一度は手放した家電を再び買って要望に応え、互いに譲歩しながら快適な暮らしを模索してきたつもりだ。だから「えっ、どうして?」と言った後、返す言葉も見つからなかった。
節電のきっかけは東京電力の原発事故から1年が過ぎ、政府が原発再稼働を言い始めたことだ。契約アンペアが小さければ基本料金は安くなるが、一度に使える電気も少なくなる。5アンペアでは消費電力500ワット超の家電は使えない。
10アンペアは必要なエアコンはやめ、扇風機と行水で猛暑を乗り切る。炊飯器を手放し、鍋でご飯を炊く。電子レンジを捨て蒸し器で温める。電気をジャブジャブ使っている自覚もないまま、負担を地方に押しつける都市生活を見直し、自分の感覚や技術を磨く節電道は刺激的で楽しかった。電気代はまもなく月190円まで下がった。
「電気がなくてもへっちゃら」と自信をつけた3年目の夏、結婚した。掃除機も冷蔵庫もない生活に不満を漏らしつつ、妻は「5アンペア生活、やってみる」と前向きだった。
名古屋に住み始めてからは暮らしの質を追求しようと、自分で発電所を設立し、電気の地産地消を始めた。発電所と言ってもベランダにソーラーパネル数枚を置いただけの小さなシステム。「健康第一電力」(健電)と名付け、10万円ほどかけて徐々にバッテリーなどの設備を強化した。スマホの充電はもちろん、テレビも見られる。今は照明や扇風機、掃除機にも使う。
健電では洗濯機はまだ動かせないので、電力会社の電気を使う。2016年夏には大手電力との契約をやめ、再生可能エネルギーを推進する自然派の新電力を選んだ。昨春から電力小売り自由化が始まり、誰でも「脱原発」の思いを行動で示すことができるようになった。
この新電力の最小契約は10アンペアだったので、妻が熱望し続けたドライヤーを解禁。ほかは「5アンペア以内の生活」が続く。冷蔵庫も妻の迫力に折れたが、資源エネルギー庁の「省エネ型製品情報サイト」で調べて、冷蔵庫より省エネ基準達成率が高かった上開きの冷凍庫を買い、それを夏だけ使うことで合意した。冷凍庫で保冷剤を凍らせて別に用意したクーラーボックスに入れ、冷蔵庫として使う。
こうして忍耐に頼らない節電ライフを築いてきたはずなのに、最も恐れていた妻の「やだ」が飛び出してしまった。原因の一つはこの暑さだろう。名古屋では緑に囲まれた築100年の古民家で涼しく暮らした。
東京では一転、川辺の高層公団マンションを選んだ。住宅密集地で風と太陽を味方につける工夫だが、本当に暑い一時、風がぴたりとやんでしまう。
節電で体を壊しては笑いものだし、仲たがいもごめんだ。だが、再稼働が続く原発に頼らない暮らしを本気で模索してきたのだ。猛暑が揺さぶる節電の暮らし。どうするべきか。次の一手は扇風機用の保冷剤を使って、涼風を呼び込むことにしようか。
■妻の談話「まだ続けられる気が」
毎日の生活のことだから、暑かったり、夫が我を通そうとしたりすると文句の一つも言いたくなります。でも、原発に頼ったエネルギーの大量消費にあらがおうとする心意気には賛成しています。多くの人が想像するほど極端に不便な生活でもないので、まだ続けられる気がします。
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
私が楽しみにしている、
朝日新聞記者、斎藤健一郎さんの連載です。
前回は、
5アンペア_新婚おめでとう!
平成27年5月13日の記事でした。
前にも書いたように、
お医者さんとしては心配していました。
■ ■
斎藤健一郎さんの♡奥さん♡がえらいです。
ほんとうに立派です。
本間家では絶対に無理です。
きっと離婚されてます。
斎藤健一郎さんにお願いします。
東京の次、
もし札幌に転勤になったら、
5アンペア生活は無理です。
札幌の住宅は気密性が高いので、
石油ファンヒーターは危険です。
■ ■
それともし赤ちゃんができたら、
即、5アンペア生活は止めてください。
赤ちゃんにはエアコンが必要です。
斎藤健一郎さんが札幌に転勤になったら、
奥さんにご馳走してあげたいです。
♡けなげな奥様♡だと思います。