医学講座
医学部教授はひざをつき患者の目線?
昨日の院長日記、
ひざつき、患者の目線での続きです。
こんなことを書くと、
大学の偉い先生に叱られそうです。
私は開業医で大学とは関係ありません。
医学生に教育をする、
大学病院の先生にも、
実にいろいろなタイプの先生がいます。
医学部の教授になるには、
英文論文を書かなくてはなれません。
■ ■
英語が下手な教授はあまりいません。
でも、
患者さんへの説明が下手な教授はいます。
誤診をする教授もいます。
大学教授は名医?
2010年4月3日の院長日記です。
残念なことですが、
名医ではない大学教授がいます。
名医ではない元大学教授もいます。
■ ■
医学部の教授は…
名医で…
手術が上手で…
ヒューマニズムに富んで…
素晴らしい先生だと…
思っていらっしゃいませんか…?
私も医師になるまでは…
そう思っていました。
■ ■
教授の講義は素晴らしく…
何でも知っていらして…
どんなに難しい病気でも治してしまう。
そんな…
神の手を持った人が…
教授職に就くのだと…
勝手に…
想像していました。
■ ■
私の恩師である、
大浦武彦先生は…
まさに神の手を持たれた…
素晴らしい先生です。
山形大学整形外科の
荻野利彦先生も
そんな素晴らしい先生でした。
でも…
残念なことに…
そんな素晴らしい先生ばかりではありません。
■ ■
米国の大学へ留学したという…
素晴らしい経歴を
HPに書いている先生がいます。
若くして留学経験を積んでも…
米国の医師免許がなければ、
診療に携わることはできません。
州によっても違いますが、
手術に入ることすらできない所もあります。
米国へ行ったけれど…
研究だけしていた先生もたくさんいます。
■ ■
海外の大学で教員をしていたという先生もいます。
向こうでの評判が…
惨憺(さんたん)たるものであったとしても…
外国に居たというだけで…
すごいと思われがちです。
私も偉そうなことは言えませんが…
経歴だけで医師を判断するのは…
はっきり言って危険です。
■ ■
一般的に言えることですが、
医師の場合、
助教→講師→准教授→教授と
職位が上がれば上がるほど、
患者さんと接する時間は短くなります。
会議や
学会の用事。
学生の教育。
研究。
文部科学省の会議。
どんどん患者さんから離れます。
■ ■
皇后さまに、
ベッドの上から見下ろすような態度はよくない。
ひざをついて患者と同じ目線であいさつをしたほうがいい
…と申し上げたのは、
故日野原重明先生です。
先生は、
聖路加国際病院という民間病院の先生です。
大学教授ではありません。
戦争中も戦後も、
大変苦労なさったと今朝の朝日新聞に書いてありました。
お医者さんを選ぶのは大変です。
権威とか地位で選ばないで、
その先生の人間性で選んでください。
ひざをついて患者の目線で話したことがない、
医学部教授がいらっしゃると(私は)思います。