医学講座

メラノーマ誤診の可能性と医師賠償責任保険

 医療は自動車の運転と同じです。
 いつ、
 誰が、
 事故を起こすかわかりません。
 私はいつも、
 事故の加害者にならないように、
 細心の注意を払って車を運転しています
 もちろん任意保険にも加入しています。
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 医療も同じです。
 診療科目によって違いますが、
 私もいつ誤診をするかわかりません。
 医療訴訟の被告になる可能性もあります。
 医師賠償責任保険に加入しています
 私が一番恐れているのが、
 メラノーマの見落としや誤診です。
 札幌美容形成外科で、
 ホクロの治療を積極的にしていない理由の一つです
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 どんな名医でも、
 悪性黒色腫を見落とす可能性があります。
 ダーモスコピーで見ても、
 完璧ではありません
 ちょっとでもあやしい黒い病変があれば、
 必ず組織検査をすすめます。
 明らかにメラノーマを疑った場合は、
 すぐに市立札幌病院形成外科へ紹介しています。
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 気をつけていただきたいのが、
 美容目的のホクロ除去です。
 自由診療で行うホクロ除去手術は、
 ふつうの医師賠償責任保険の対象外です。
 もし誤診で訴えられても、
 医師賠償責任保険は使えません。
 ホクロ1個5000円でレーザー治療は、
 もしメラノーマだったら大変なことになります
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 5000円の治療で訴えられて、
 億単位の賠償金を払うことも考えられます。
 私が過去の院長日記に書いた、
 ほくろとメラノーマの鑑別です。
 専門医でも難しいのが、
 ほくろやしみの診断です

 しみの診断は難しいです
 …に書いたことです。
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 私が心配するのが、
 相談無料の美容外科や美容皮膚科です
 ○○スキンクリニックなんて、
 ピンクのど派手な看板が目に付きます。
 皮膚科専門医ですら難しいシミやホクロの診断を、
 学生時代に満足に皮膚科の講義も聴かなかった、
 なんちゃって美容皮膚科医が、
 なんちゃって美容外科医の先輩に教わって、
 は~い、
 おホクロの治療は簡単ですょ~

 なんて治療をしてしまうことです
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 おいおい
 あんたね~
 せめてダーモスコピーくらい撮って見ておかないと、
 そのレーザーを当てようとしている黒い病変が、
 MMえむえむ(悪性黒色腫)だったらどうするの?
 訴えられたら、
 100%敗訴だょ

 …と心配したくなるようなピンクの看板のクリニックの、
 なんちゃって先生に伝えたいです。

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