医学講座
溶ける糸と溶けない糸
とける糸は自分で抜いて
2015年9月14日の院長日記です。
溶ける糸はとけません。
専門用語で溶ける糸は吸収糸きゅうしゅうしと呼びます。
一番有名な吸収糸は、
米国ETHICONエチコン社のバイクリルという製品です。
もっと安い製品もありますが、
大きな病院で使うのはバイクリルです。
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この製品情報を読んでください。
吸収期間約56~70日と書いてあります。
つまり最低2ヵ月以上は残っているのです。
この溶ける糸が残っていると、
ちょうど細いピアスの穴ができるように、
縫ったところに穴ができます。
その穴に垢がたまることがあります。
大変です。
硬くなってしこりになります。
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男性も女性も、
性器の手術を受けて、
溶ける糸で通院不要と言われて、
手術から3週間経過しても、
もし糸が残っていたら、
お風呂できれいに洗ってから、
自分で引っ張って抜いてください。
連続縫合という縫い方だったら、
するすると抜けることがあります。
■ ■
もし引っ張っても抜けなかったら、
病院へ行って抜いてもらってください。
1ヵ月以上溶ける糸が残っていたら、
ピアスの穴ができるように、
手術をした部分にしこりができます。
もうしこりになってしまった方は、
近くの形成外科の病院で診てもらってください。
とける糸で通院不要はおすすめしません。
■ ■
だまされないでください!
溶ける糸なんてうそです。
吸収糸と呼ばれる糸があります。
バイクリルという名前の商品名で売られている、
米国製の糸が一番有名です。
専門用語でとける糸は…
吸収糸きゅうしゅうしと呼びます。
とけるのではなく、
分解されて吸収されるだけです。
■ ■
しかも…
分解されて吸収されるまでには…
一ヶ月以上かかります。
分解される…
ということは、
自分の身体が糸を異物と認識するからです。
当然、糸がついている部位では、
炎症が起こり…
キズは赤く硬くなります。
つまりキズは目立ちます。
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形成外科でも、
とける糸を使います。
表面を縫うときに使うのは、
口の中などの粘膜。
鼻の奥で抜糸が難しい部位。
あとは身体の中の腸管粘膜など…
力がかからない部位に使います。
少しでもキズを残したくない部位…
(顔や瞼など…)
にはとける糸は
絶対に使いません。
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クリニックにとって…
抜糸の時間や、
通院で経過を診る時間は、
儲からない赤字部門です。
高いお金を取って…
短時間で手術を済ませ…
あとは抜糸も通院も不要というのは、
悪徳美容外科の一つの指標です。
お母さんにも相談できないのが、
性器の手術です。
くれぐれも気をつけてください。
小陰唇肥大は外国人も困ってます
恥ずかしいことではありません。