医学講座
メラノーマ誤診の可能性と医師賠償責任保険
医療は自動車の運転と同じです。
いつ、
誰が、
事故を起こすかわかりません。
私はいつも、
事故の加害者にならないように、
細心の注意を払って車を運転しています。
もちろん任意保険にも加入しています。
■ ■
医療も同じです。
診療科目によって違いますが、
私もいつ誤診をするかわかりません。
医療訴訟の被告になる可能性もあります。
医師賠償責任保険に加入しています。
私が一番恐れているのが、
メラノーマの見落としや誤診です。
札幌美容形成外科で、
ホクロの治療を積極的にしていない理由の一つです。
■ ■
どんな名医でも、
悪性黒色腫を見落とす可能性があります。
ダーモスコピーで見ても、
完璧ではありません。
ちょっとでもあやしい黒い病変があれば、
必ず組織検査をすすめます。
明らかにメラノーマを疑った場合は、
すぐに市立札幌病院形成外科へ紹介しています。
■ ■
気をつけていただきたいのが、
美容目的のホクロ除去です。
自由診療で行うホクロ除去手術は、
ふつうの医師賠償責任保険の対象外です。
もし誤診で訴えられても、
医師賠償責任保険は使えません。
ホクロ1個5000円でレーザー治療は、
もしメラノーマだったら大変なことになります。
■ ■
5000円の治療で訴えられて、
億単位の賠償金を払うことも考えられます。
私が過去の院長日記に書いた、
ほくろとメラノーマの鑑別です。
専門医でも難しいのが、
ほくろやしみの診断です。
しみの診断は難しいです
…に書いたことです。
■ ■
私が心配するのが、
【相談無料】の美容外科や美容皮膚科です。
○○スキンクリニックなんて、
ピンクのど派手な看板が目に付きます。
皮膚科専門医ですら難しいシミやホクロの診断を、
学生時代に満足に皮膚科の講義も聴かなかった、
なんちゃって美容皮膚科医が、
なんちゃって美容外科医の先輩に教わって、
は~い、
おホクロの治療は簡単ですょ~
なんて治療をしてしまうことです。
■ ■
おいおい、
あんたね~
せめてダーモスコピーくらい撮って見ておかないと、
そのレーザーを当てようとしている黒い病変が、
MMえむえむ(悪性黒色腫)だったらどうするの?
訴えられたら、
100%敗訴だょ
…と心配したくなるようなピンクの看板のクリニックの、
♡なんちゃって先生♡に伝えたいです。
“メラノーマ誤診の可能性と医師賠償責任保険”へのコメント
コメントをどうぞ
そうなんですよ。私も左足 の巻き爪を手術するにあたって2つの病院のどちらの診療科でしようか迷いました。整形外科と皮膚科です。私は山形大学の皮膚科を選び 大きな病院だし 背中の脂肪腫もついでに取ってくださいと頼み、よく検査していただきMRIも撮り手術しました。私は山大を選んで正解でした。なんと脊髄腫瘍までみつかり、退院する頃は重病人になってました。 誰にもほくろやシミがあります。 でもいちいち気にしていればよいのか、気にしない方がよいのかもわかりませんが、なんちゃってみたいに簡単に手術するような所は避けたいです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。同じ疾患を大学病院の2つの診療科で診ている場合、残念なことに仲が悪いところが多いです。俺が一番と思っている教授がいるとなおさらです。チェーン店のなんちゃって医より始末が悪いことがあります。さくらんぼさんの脊髄腫瘍もできた部位によって整形外科と脳神経外科が対立していることがあります。困ったことです。
確かに誤診は困りますが、本人も自分の体をよく観察することが大事と思います。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。自分で見てもよくわからないことがあります。背中など自分では見えない場所もあります。いい先生を選ぶことが大切ですが難しいです。
今回納得しました。
前回、ご自分のほくろが多くなってきたけれど
気にしないようにしてるというような事が
書かれてました。
何故、本間先生がほくろ除去、シミ除去を
しなかったのか。
判明しました。
ダーモスコピーでも見落としがあるかもしれない
のですね。
怖いですね。
私の2回目の再発の凹凸のあるシミ
本間先生にアドバイスしていただいたので
もう少し様子を見てみようと思ってます。
まだまだとてもちいさく、薄いのです。
でも顔は気になります。
もう少し大きくなってきたら
皮膚科にダーモスコピーがあるところに
行く予定です。
ダーモスコピーは必ず、やってほしいです!
本間先生から学びました。
ありがとうございました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。皮膚科専門医でも形成外科専門医でも見落としや誤診の可能性があります。それだけ診断が難しいメラノーマがあります。悪性黒色腫という名前なのに黒くないこともあるのです。
ホクロは誰にでもあるので、
気にしたことはありませんでしたが、
院長日記を拝読して注意が必要な場合も
あることが、よくわかりました。
専門医でも診断が難しいのですね。
なんちゃってに行ってしまったら
大変です。
気になるホクロがある時は
まず皮膚科を受診すれば
良いのでしょうか。
気をつけたいと思います。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。そうです。信頼できる皮膚科を受診してください。札幌市内でしたら日曜日も診療をしているアリオ札幌の皮膚科がおすすめです。嵯峨先生や森川先生という優秀な先生がいらっしゃいます。その反面ちょっとあやしいとなんでもかんでも悪性黒色腫の診断をつける困った専門家もいます。気をつけてください。
私は違う病院の整形外科と山形大学病院の皮膚科で迷いました。 その後頚椎も手術しましたが、その時、整形外科と脳神経外科との対立を知りました。 以前も書きましたが、対立などしていないで どちらの科も協力すればもっと医療の進歩につながると思います。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。勝手に訂正してしまい申し訳ありませんでした。さくらんぼさんのおっしゃる通り『対立などしていないで どちらの科も協力すればもっと医療の進歩につながる』のです。残念なことですが対立しているところがたくさあります。