医学講座
皮膚移植の方法①
保険でも見た目重視の形成外科
…のつづきです。
顔に皮膚がんができたとします。
大部分の皮膚癌は、
手術で切除します。
当然、顔にキズができます。
大きな皮膚がんを手術すると、
皮膚が足りなくなります。
■ ■
皮膚移植という方法があります。
この皮膚移植は難しいです。
ブラックジャックという手塚治虫さんのマンガがあります。
主人公のブラックジャックは、
顔に傷があって、
移植した皮膚の色が違います。
ブラックジャックに移植された皮膚は他人の皮膚です。
皮膚がんの手術で移植する皮膚は、
本人の皮膚です。
本人か一卵性双生児の皮膚でなければつきません。
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どこから皮膚を採取して、
どのくらいの厚さで移植するかで、
見た目がまったく違います。
ふつうの人が考えるのは、
お尻などの目立たない部位からの皮膚移植です。
形成外科では、
お尻から顔に皮膚移植をすることは、
まずありません。
目立つからです。
■ ■
皮膚に余裕があれば、
皮弁ひべんという方法で皮膚を移動します。
皮膚移植より、
皮弁の方が目立ちません。
近くの皮膚を移動するので、
皮膚の色や質感が似ているからです。
私たち形成外科医は、
少しでも傷が目立たない方法を考えて、
皮膚移植をしています。
高齢者の顔だったとしても、
少しでも見栄えがいい手術法を選択するのが形成外科医です。