医学講座
スプレー缶のガス
札幌のガス爆発事故
…の続きです。
爆発の原因はスプレー缶だったようです。
まさかスプレー缶のガスで、
あれほどの爆発が起こるとは、
私でも想像しませんでした。
消防庁が調査を開始しました。
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平成30年12月18日、北海道新聞朝刊の記事です。
スプレー缶100本超を窓開けず噴射 不動産店従業員 札幌・平岸爆発
札幌市豊平区平岸の建物で16日夜に起きた爆発と火災で、この建物に入居する3店舗のうち最も倒壊が激しかった不動産仲介業「アパマンショップ平岸駅前店」の男性従業員が「窓などを閉めきった室内で、100本以上の除菌消臭用のスプレー缶の中身を噴射した」と話していることが17日、捜査関係者への取材で分かった。従業員は「湯沸かし器をつけたら爆発した」とも説明しており、道警や札幌市消防局は可燃性が高いスプレーの成分に引火して爆発したとみて調べている。
このスプレーの製造業者によると、成分に燃えやすい「ジメチルエーテル」が含まれ、同店が毎月30本購入していた。捜査関係者によると、従業員はスプレーを使い切って廃棄する目的で噴射していたといい、17日の現場検証などで焼け跡からは数十本のスプレー缶が見つかったという。
アパマンショップの元従業員によると、このスプレーは賃貸物件などの清掃時に使い、中身が残った場合は従業員が室内などで噴射して空にしてから廃棄するケースもあったという。
爆発があった建物は木造2階建てで、アパマンショップと居酒屋「北のさかな家 海さくら平岸店」、整骨院の3店が横並びに入居。この事故でアパマンショップと、海さくら平岸店が倒壊し、整骨院も外壁などが崩れた。消防などによると、17日午後までに倒壊した建物を含め計28棟の破損を確認。数百メートル離れた車の窓ガラスが割れるなど広範囲で被害があった。
当時、海さくらには客42人と店員5人が、アパマンショップには男性従業員2人がいた。このうち41人が病院に搬送され、1歳から60代の男女40人が軽傷を負ったほか、アパマンショップの30代の男性従業員1人が、顔をやけどするなどの重傷を負った。新たに自分で病院に行った1人が軽傷を負っていたことが17日に判明し、負傷者は計42人になった。
消防などによると、倒壊した建物の外には3店が計9本のプロパンガスのボンベを設置していた。一部のボンベは外側が焦げていたが、いずれも破裂するなどの大きな破損はなかったという。
海さくら平岸店の経営者によると、従業員の一人は「店内のガス警報器は鳴らず、ガス臭もしなかったが突然爆発した」と話したという。道警や消防は、爆発前にプロパンガスが漏れた形跡が確認されていないことから、最初の爆発でガス配管などが破損してガスが漏れ出して引火し、建物の広範囲に燃え広がったとみて調べている。
札幌豊平署などによると、火災は出火から5時間以上がたった17日午前2時10分ごろに鎮火し、延べ約360平方メートルを全焼した。
(以上、北海道新聞より引用)
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スプレー缶100本を、
窓を開けずに室内で放出したことが、
爆発の原因として報じられています。
北海道新聞の記事によると、
ジメチルエーテルがスプレー缶に入っていて、
それが爆発の原因として考えられています。
エーテルは実験室で使います。
私はラットの麻酔に使いました。
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エーテルは独特のにおいがします。
吸入麻酔薬は同じようなにおいがします。
私が問題だと思うのは、
そもそも
除菌消臭用スプレーは、
密閉した室内で使う製品だということです。
賃貸人が退去した後で、
不動産屋さんが消臭のために使うスプレーです。
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アパマンの従業員さんは、
何の疑問もなく、
除菌消臭用スプレーを室内で、
シューっとしていたと想像します。
爆発するとわかっていたら、
誰も消臭スプレーをシューしません。
日本国内でたくさんの除菌消臭スプレーが使われています。
消防庁が原因を詳しく調べてくれることを願っています。