医学講座

皮膚移植の方法⑤

 皮膚移植の方法シリーズの最後です。
 皮膚移植について書けば、
 何日でも続けられるくらい、
 奥が深いのが皮膚移植です。
 医学は進歩しましたが、
 皮膚を一度でぴたっと貼り付けられる、
 魔法の糊はありません。
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 皮膚移植を成功させるには、
 移植する部位をいい状態にして、
 移植する皮膚を、
 慎重に選んで、
 厚さを正確に、
 均一の厚さで採皮することが大切です。
 全層植皮FTSGの時には、
 はさみで丁寧に脂肪を取る作業が必要です。
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 いつか、
 魔法の糊ができて、
 他人の皮膚でも、
 免疫反応を無くして、
 瞬間接着剤のように移植できれば、
 形成外科医は要らなくなるかも?です。
 しばらくは魔法の糊はできそうにないので、
 まだ私たちのような職人が必要だと思います。
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 皮膚移植を成功させるための秘訣は、
 血管新生です。
 移植した皮膚に、
 移植した部位から、
 植物の芽が出るように、
 血管が伸びてきます。
 とても細い血管なので、
 移植した皮膚が少しでも動くと、
 新しくできた血管が切れてしまいます。
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 移植した皮膚を、
 上手に固定して、
 動かさないようにしないと、
 皮膚が壊死になってしまいます。
 植皮が落ちた
 …と言います。
 患者さんも、
 手術をした形成外科医も、
 がっかりです。
 私も何度もがっかりを経験しました。
 皮膚をくっつける魔法の糊ができるまで、
 形成外科医は失業しないと(私は)思っています。

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