わきが
レーザーによる中学生のわきが治療
昨日の院長日記、
中学生のわきが治療2019の続きです。
私が2019年5月16日に、
日本形成外科学会で発表した、
1540nmエルビウムグラスフラクショナルレーザーを用いた腋臭症治療です。
残念なことに、
レーザー治療は手術にはかないませんでした。
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ただ1540nmエルビウムグラスフラクショナルレーザーによる治療で、
アポクリン腺が破壊されることがわかりました。
病理組織学的に汗腺が破壊されていました。
問題なのは、
皮膚の奥深くにあるアポクリン腺までは、
レーザーの熱エネルギーが届かず、
アポクリン腺を全滅させることはできないことでした。
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中学生などで、
まだアポクリン腺がそれほど発達していない時期に、
レーザー治療をすると、
においが改善する可能性が考えられました。
あざのレーザー治療は、
皮膚が薄い赤ちゃんによく効きます。
アポクリン腺の治療は赤ちゃんでは無理ですが、
においが気になる思春期の子供さんには、
効く可能性が考えられます。
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多感な中学生や高校生の時代に、
においで悩むのはつらいことです。
いじめの原因にもなります。
アポクリン腺が未発達な時期に、
レーザー治療を行うことで、
においが軽減する可能性があります。
わき毛がまだ少ない、
中学生のわきの皮膚は大人より薄いです。
アポクリン腺が浅い層にしかないので、
レーザーが効きます。
アポクリン腺が発達しても再照射ができます。
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残念なのは保険適応にできないことです。
私が生きている間には無理だと思いますが、
将来は保険適応で中学生のわきがレーザー治療ができるといいと思います。
札幌美容形成外科の1540nmエルビウムグラスフラクショナルレーザーの他に、
ミラドライによる治療でも、
大人より中学生が効く可能性が考えられます。
もっと治療単価が安くなって、
複数回治療でも経済的負担が少なければ、
子供のわきが治療に向いていると思います。
エビデンスがない本間仮説です。