医学講座

丸藤先生のCOVID-19診断と治療戦略

 今日は2020年5月7日(木)です。
 札幌美容形成外科は今日まで休診です。
 新型コロナの新しい情報です。
 前北大救急部教授の、
 丸藤哲がんどうさとし先生が、
 日経メディカルに投稿された記事です。
 難しい内容ですが、
 最前線で治療に当たっている先生への情報です。
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 血栓止血学から見たCOVID-19の診断と治療戦略
 ISTH interim guidance on recognition and management of coagulopathy in COVID-19
 2020/05/06
 丸藤 哲(札幌東徳洲会病院救急集中治療センター救急センター)
 日本における考え方
 酸素飽和度、CT画像所見などに加えてD-ダイマーをCOVID-19症例の重症化評価指標に加えることは妥当であり、ISTHガイダンスの推奨は正常上限値からの3~4倍の上昇であるが、Zhangら19)の報告基づき4倍の上昇が入院治療の閾値と考える。
・D-ダイマー正常上限4倍以上の上昇で入院を考慮する。
・入院後は血栓・塞栓予防策を行う。
・病態悪化時は急性期DICスコア算出を毎日実施する。4点以上が持続する場合の予後は不良であり、治療開始を考慮する。
 (以上、日経メディカルより引用)

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 新型コロナで人が亡くなるのは、
 サイトカインストームから
 遷延性全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)sustained SIRSを呈し、
 播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation)DICを発症することが重症化の重要な原因の一つです。
 ふつうの肺炎と違って、
 急激に悪化するのはこのためです。
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 丸藤先生の投稿は、
 入院後にD-ダイマーの測定を毎日繰り返し行うことにより、
 重症化を早く発見することになる。
 重症化を防ぐために、
 低分子ヘパリンを血栓・塞栓症の予防として投与する。
 …ということだと(私は)理解しました。
 この丸藤先生の投稿を読んで、
 フサンという薬剤が効く意味が理解できました。
 新型コロナの治療戦略は確実にできてきています。
 死なない病気になれば、
 経済活動が再開できます。
 自殺する人も少なくなります。
 もう少し辛抱しましょう。

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