医学講座
手術器具に感謝し手入れをしよう
今日は2021年11月19日(金)です。
札幌の朝は晴れていますが、
寒いです。
今週は雪の予報が出ています。
昨日、自転車に感謝し整備したので、
今朝は快適でした。
いいことを教えてくださった、
松島幸和様に感謝しています。
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今日は手術器具のことです。
松島様に習って、
私から若い先生へのメッセージです。
私たち形成外科医が使う手術器具は、
とても繊細です。
先が細いものが多いです。
ちょっと落としたりすると、
すぐに先が曲がります。
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デュモンDumontの5番はAMAZONでも打ってます。
DUMONT 超精密ピンセット DU-5
一本8,092円です。
もう少し安く売っているところもありますが、
だいたい一本5千円はします。
これはまだ安い方です。
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マイクロサージャリーに使う持針器じしんきは、
高いものだと10万円を超えます。
バイポーラーという止血に使うピンセットは、
先が細い精密なものほど高価です。
一本15万円のもあります。
だいたい輸入品です。
私が使っているナイロン糸という糸をつかむ
持針器じしんきは、
日本製で5万円くらいします。
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市立札幌病院で苦労したのは
手術用の器械がなかったことでした。
形成外科メモリアル病院の本田耕一先生にお願いして、
高価な手術器具をタダでお借りしました。
ご恩は一生忘れません。
形成外科メモリアル病院は閉院しましたが、
本田耕一先生は時計台記念クリニックでご活躍中です。
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ここからが本題です。
私から若い先生にお伝えしたいのは、
手術器具に感謝し手入れをしようです。
ふつうの病院では、
手術が終わると手術器具は手術部のスタッフが洗浄と滅菌をしてくれます。
病院の合理化で外注するところも増えています。
超音波洗浄機を使って洗浄し、
他の手術器械といっしょに滅菌します。
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ふつうはこれで問題ありません。
気をつけていただきたいのが、
高価な持針器じしんきやハサミです。
またの部分にどうしても血液がつきます。
超音波洗浄機で洗浄しても、
このまたの部分の汚れが落ちないことがあります。
手術用顕微鏡で拡大して見ると、
黒いよごれがついています。
このよごれを除去しないと、
持針器が重くなります。
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たまにはご自分の手術器具に感謝して、
手入れをしてみてください。
札幌美容形成外科では、
女性職員が丁寧に手入れをしてくれます。
手術中に持針器が重くてストレスになることはゼロです。
ありがたいです。
自転車も手術器具も、
丁寧に使うと長く使えます。
私自身も無理をしないで長く働こうと思っています。