医学講座
領土問題と形成外科外来
今日は2024年6月9日(日)です。
第33回 YOSAKOIソーラン祭り最終日です。
北大形成外科は皮膚科の三浦祐晶教授のおかげで、
1978年に北大病院の診療科として独立できました。
当時、形成外科ができたのは東大、京大、北大の3大学でした。
今でも形成外科教授がいない国立大学医学部があります。
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日本形成外科学会から要望を出しても、
なかなか日本全国で医学部の学生全員に、
形成外科教育をできる体制にはなっていません。
私は医師になるために、
形成外科学は必要な学問だと思っています。
〇〇美容外科のようにお金もうけだけではなく、
キズをきれいに治す学問が必要です。
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大学病院や国公立病院に形成外科をつくるのは容易ではありません。
職員定数が決まっているので、
どこかを削らなければ形成外科を新設できません。
大変なのが外来スペースです。
ロシアとウクライナのようなものです。
外来スペースは各診療科の領土なので、
病院長でもなかなか分割できません。
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新病院建設の時などでなければ、
既存の病院に新しい診療科を作るのは難しいです。
1995年に市立札幌病院が桑園そうえんに移転しました。
この時にはじめて形成外科ができました。
私は新病院の設計図を北大に持って行き、
北大形成外科講師だった吉田哲憲先生と相談しました。
吉田先生は市立札幌病院事業管理者に昇進されました。
実に感慨深いものがあります。