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新聞記事の誤り
今日の北海道新聞に汗の記事が掲載されています。汗…気になる季節。わきが、多汗症…という見出しです。須藤幸恵さんという記者の署名記事です。以下が北海道新聞の記事の冒頭です。
気温の上昇とともに、気になるのが汗。体温を調整するために重要な役割を果たしているが、わきがによるにおいや、大量に汗が出る多汗症で悩む人も少なくない。対処法は、大量に汗が出る周辺を清潔にするのが基本だが、制汗剤を使ったり、病院で簡単な手術を受ける方法もある。(須藤幸恵)
ここでは3人の医師がコメントを述べていますが、本文にはどこにも‘簡単な手術’とは書いてありません。私が何度も書いているように、わきが手術は簡単ではありません。簡単な手術と書いているのは、インチキ美容外科の宣伝だけです。簡単だと思って手術を受けると、とんでもない目にあいます。
さらに不適切な表現は、『脇の部分を2~3㎝ほど切り、はさみで汗腺を切り取る。アポクリン腺だけでなくエクリン腺も取るため、汗もある程度抑えられる』という表現です。エクリン腺は、アポクリン腺よりも皮膚の浅い層にあるため、はさみで切り取っても全部は取りきれません。エクリン腺もすべて切り取ると、皮膚はペラペラに薄くなってしまい、シワシワの拘縮になりキズがひどくなります。
わきが手術を数多く経験すると、半年位するとしっとりとする程度の汗をかくことは必ず経験します。これは、わきがの再発ではなく、神経が再生しエクリン腺に作用して汗が出るためです。
私は、アポクリン腺が多くて臭いがある腋臭症(わきが)ではなく、汗が多いだけの多汗症にはボトックス注射や交感神経の手術をお薦めしています。交感神経の手術は北海道新聞に出ていた本間英司先生にお願いしています。4月4日の日記に記載しています。
北海道新聞では、交感神経の手術をすると「代償性発汗」がほとんどの人に起こると書いてあります。今朝、早速、札幌南三条病院の本間英司先生にお電話しました。数日前に北海道新聞の取材を受たそうです。学会でも程度の差こそあれ、代償性発汗が起こることは事実として認められているそうです。ただ、手術を受けた全員が代償性発汗で悩んでいるのではなく、大部分の患者様は『あんなに悩んでいた汗がなくなり快適にすごしている』そうです。本間先生は適応を選んで手術を行えば、とてもよい方法だと話されていました。
今日の件については、北海道新聞社にメールしてみます。もし返答があればこのページでお知らせします。
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欠品
良い製品を安く売るチェーンストアで一番困るのが‘欠品’だそうです。おねだん以上の製品は人気が出るので、常に店頭に在庫しておかなければ売れません。製品を常時在庫しておくには費用がかかります。効率よく計画し生産・配送することが大切です。
美容外科はもっと大変です。‘製品’を作ることができるのは、医師免許を持った‘先生’だけです。医師の数は限られている上に、ちょっと教えた程度では上手な先生にはなれません。せっかく高い広告宣伝費をかけて‘お客様’がたくさんいらしても、『申し訳ございません。手術の予約がいっぱいです』では倒産してしまいます。‘先生’を確保しておかないとすぐに‘欠品’してしまいます。
腕が良くて、イケメンで女性に人気があり、人当たりもよく、たくさん‘売り上げ’をあげてくれる先生を雇用するのは至難のわざです。上手になった‘先生’は自分で開業し、お店を出して‘はいさようなら’です。
経営者もあの手この手で‘先生’を引き留めます。全部の手術を教えてしまうと簡単に辞められるので、少しずつ小出しに手術を教えるチェーン店もあります。
私は前職の中央クリニックを円満退職させていただきましたが、こういうケースはマレです。中央クリニック社長様のご理解があったからできました。感謝しています。
医師は医療技術者であり職人です。経営者から見ると、自分自身(私)を含めて一番わがままで扱いにくい職種だと思います。自分が思った通りに手術ができないと、いくらお金を出しても辞めます。逆に、どんなにお給料をいただいても、‘医師としての良心’がとがめるような治療はできません。忙しすぎて体を壊して辞める先生もいます。医師にとっては、毎日の診療で患者様から‘先生ありがとう’といわれるのが一番です。
よい品質の製品は見分けられますが。よい品質の手術をしてくれる医師は簡単には見分けられません。ホームページは‘商品カタログ’のようなものです。良く吟味して選んでください。
医療問題
自殺と救急医療
松岡利勝・農林水産大臣(62)が首をつって自殺した記事が新聞に掲載されていました。搬送されたのは慶応義塾大学病院です。相川直樹病院長が疲れた表情で安倍首相と写真に写っていました。相川教授はもともと外科の先生です。熱傷を研究されていました。外科→救急と活躍され、病院長に就任されました。医師国家試験の出題委員長もなさった立派な先生です。熱傷学会では毎年お会いしています。救命できなかった残念そうな表情が印象的でした。
救命救急センターに搬送されて来る患者様の中には自殺もよくあります。首をつった、飛び降りた、薬物を飲んだ、灯油をかぶって焼身自殺をした、などたくさんの患者様が搬送されてきます。
形成外科に関係するのが、焼身自殺による全身熱傷です。救命技術の進歩により自殺をしても助かることが多くなってきています。自殺した患者様でも、救急車で搬送されてくると救急医は懸命に夜も寝ないで治療に当たります。
全身熱傷を受傷すると簡単に死ねそうに思うかもしれません。ところが先にあげた自殺法の中で、一番最後まで意識があって苦しむのが焼身自殺です。
人間や動物が死ぬ時は心臓や呼吸が止まり、脳や臓器に酸素が行かなくなって死にます。熱傷を受傷しても簡単に心臓は止まらず、意識もあります。自分の体が黒焦げになって、手も指も炭のようになっているのも見えます。
何度もなんども手術を繰り返しても、‘絶対’に元のキレイな皮膚には戻れません。指もなくなってしまいます。さらに、自殺は自己の重大な過失による外傷なので原則的に健康保険は使えません。救命救急センターに入院すると、入院費が最高で一ヵ月に1,000万円にもなることがあります。全身熱傷も治療費が極めて高額になります。私が治療を担当させていただいた患者様で数ヵ月の治療費が2,000万円にもなって、両親が家を売って支払った症例もありました。残念なことに結局その方は亡くなりました。
救急医にとって懸命に治療したけれど命を救えなくて、治療費の借金だけが残った症例はとても悲しくつらいものです。
医学講座
ニキビと毛
昨日のレーザー研究会は皮膚科の先生も多数出席していらっしゃいました。皮膚科でも『たるみ』や『シミ』の治療をしているところが増えているようです。でも、皮膚科で圧倒的に多いのがニキビ治療です。
悪化したニキビは日常生活に支障をきたしますので、保険適応で治療を受けることができます。私は積極的にニキビ治療はしておりません。難治性のニキビは皮膚科の先生をご紹介しています。内服薬(漢方を含む)や外用薬で治療するのが一般的です。
ニキビの多くは毛に関係しています。毛が生えているところを顕微鏡で見ると、ニキビ性の方は毛穴に皮脂がたくさん詰まっています。皮脂はふつう少しずつ自然に排出され皮膚を潤します。ところが何らかの原因で排出できなくなるると硬くなり、そこにバイ菌がつくと感染して真っ赤なニキビになります。軽度の感染でしたら、抗生物質の内服や外用で治りますが、こじれると治りません。
何ヵ月も赤く硬くなって、いくらしぼっても出てこないニキビは、毛の奥深くで炎症をおこしています。こうなると皮膚科でいくらお薬をいただいても治りません。『肉芽腫(ニクゲシュ)』という状態になってしまったニキビは、麻酔をして顕微鏡で見ながら取り除くと驚くほど快くなります。毛の先にどろどろになった炎症性のかたまりがあります。皮膚科で治療してくれるところは少ないようです。札幌美容形成外科の職員は私が‘治療’しています。ご要望があれば時間がある時にお引き受けいたします。
ニキビは毛穴にある皮脂腺が関係していますので、レーザーで毛を焼くと快くなります。昨日のレーザー研究会でも発表されていました。当院の職員も悩んでいたニキビがレーザーフェイシャルで驚くほど快くなりました。毛がなくなりツルツルになって気分も良いそうです。
札幌美容形成外科にはありませんが、スムースビームというダイオードレーザーでニキビを照射すると皮脂腺が破壊されニキビが快くなります。ただし痛いのが欠点です。自分でしぼるよりはマシだと思いますが、レーザーフェイシャルよりも痛いです。
ニキビで悩んでいる女性は驚くほど多いものです。生理前に悪化するニキビなどは女性特有の悩みです。原因の一つである顔の毛が少なくなると、ニキビもできにくくなります。
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レーザー研究会
今日は東京でレーザーの研究会があったので日帰り出張をしてきました。朝7:21札幌駅発のJRで新千歳空港に向かいました。私はいつもANAを利用します。空港に着くとカウンターの前に長蛇の列ができていました。私は札幌駅の自動チェックイン機でチェックインして行ったので、そのまま手荷物検査をして入りました。8:00を過ぎていたのに、まだ7:50発のANA50便が出発していません。変だなぁ~と思って聞いてみると、コンピューターのシステム障害で発券できず、出発できないとのこと。ANAの親切な女性係員が「今でしたら8:50発のJALさんに変更できますので、お手続きをいたしましょうか?」と言ってくださいました。私は『飛行機もいるし復旧するだろう』と思い、そのまま待つことにしました。
ところがコンピューターのシステム障害は全国的なものだったらしく、発券から飛行機の運行管理まですべてストップしていたらしいです。結局、8:30発の便が出発したのは10:21で羽田に到着したのが11:50。急いでモノレールとJRで有楽町に向かい、会場に着いたのが12:40でした。40分遅れで講演を聴きました。
今日の会は札幌美容形成外科で使用している、キャンデラ社のユーザーズミーティング。形成外科・美容外科の他、皮膚科や婦人科の先生など、全国からキャンデラの機器を使用している先生が集まる会です。学会とは違い、各先生の本音をざっくばらんに正直に話す会なので毎年参加しています。懐かしい皮膚科の先生とお会いするのも楽しみです。
今日の会で参考になったのが、宮田成章先生が発表された、GentleLASEのカーボンピーリング。札幌美容形成外科で使用しているレーザーを使用。開いた毛穴にカーボンオイルを塗って、毛穴を黒く染めて、そこにレーザーを‘ボン!’とかけます。隣に座っていた女医さんは思わず‘あぁ~こわ!’と言っていました。鼻からジュっと煙が出て毛穴が焼けていました。約一週間のダウンタイムが必要とのことでしたが、目だった毛穴が見事に改善していました。モニターになっていた女性誌の編集者の方は、取材にいらして施術を受け、その後ずっと改善されていました。術後2年でもキレイでした。宮田先生のご発表は以前に美容外科学会でもお聴きしましたが、今日のはビデオだったのでよくわかりました。
もう一つとても参考になったのが、金沢で開業されている林洋司先生のビデオです。林先生は私と同じ形成外科医です。金沢大学医学部をご卒業後、金沢医科大学形成外科で形成外科を学ばれました。金沢医大は形成外科学会で長らく学会誌の編集委員長を務められた、塚田教授が築かれた日本でも有名な形成外科です。
林先生の診療は、実に良心的な形成外科医の診察風景でした。形成外科の研修医や医学部の学生に見せたい診療でした。林先生は気恥ずかしいと仰っていらっしゃいましたが、形成外科の保険診療と自由診療を上手に組み合わせて、地域住民に本当に貢献していると思いました。
レーザー屋さん主催の研究会は、最新機器の宣伝販売を目的とすることが多く、過大な効果を宣伝して、高価な機器を買わされることもあります。キャンデラ社の方針は良心的で、来年もこの研究会に出席しようと思いました。キャンデラ社の皆様ありがとうございました。
わきが
術後2年
わきが手術をなさって2年後の患者様がレーザー脱毛にいらしてくださいました。『先生、おかげさまで脇はとってもキレイになりました。是非見てください!』と言っていただきました。私が見ても、職員が見てもキズがどこにあるかわからない位キレイでした。
写真を撮らせていただき、ご本人からご快諾をいただきましたのでHPで紹介させていただきます。患者様は看護師さんで、臭いの他に白衣の黄ばみや、自宅に白衣を持ち帰って洗濯するのが苦痛でした。
2年前に一週間の夏休みを利用なさって手術を受けました。術後一時的に手術した部位が赤くなったり、硬くなったりして治療をしましたが、その後は順調でした。お薬をつけてのマッサージを約半年間続けました。
この方はワキガの範囲が7.5×15㎝と標準的で、経過も良かったのでキズがまったくといっていいほどわからなくなりました。2年間の間に寿退職され、お医者さんとめでたくご結婚なさったそうです。ご主人の先生にも手術のことは話されたそうですが、ご主人が見てもキズはわからなかったそうです。
わきが手術の経過は個人差が大きく、全員がこのような経過をとるとは限りません。キズが残って何年も経過をみている方もいらっしゃいます。その方の遺伝的な体質によりケロイドになる方もいらっしゃいます。
この患者様がおっしゃるには、白いものを安心して着られるようになり、試着にもビクビクしなくなったそうです。
札幌美容形成外科では、わきが手術を原則的に保険適応でしかお引き受けしておりません。保険で手術しても、しっかり治療すればキレイに治ります。私や職員にとっても嬉しい知らせでした。

わきが手術2年後 ←がキズです
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広告宣伝費
昨日の講義で似鳥昭雄社長が、ある上場企業の経常利益が100億円で、その会社の広告宣伝費が200億円と話されていました。私たちが楽しんでいる民放各局は、企業が出す広告宣伝費で運営されています。私が好きな‘北の国から’や‘Dr.コトー診療所’も民放の番組でした。電通・博報堂という有名な広告代理店もあります。どの会社の業績もよいようです。
美容外科も広告宣伝費を使います。大手美容外科は、かなりの金額を広告宣伝費に使います。広告宣伝で一番高くつくのがTV-CMです。ビューティーコロシアムが広告宣伝費で製作されているか、純粋な取材なのかは存じませんが、番組の効果は絶大だと思います。大塚美容外科の阪田院長は元形成外科医で、手術が上手なので有名な先生です。
全国に20箇所もあるような、チェーン店の美容外科でしたら、たとえ1,000万円のTV-CMを流しても、費用は一店当たり50万円です。1,000万円のTV-CMなんて、あっという間に終わります。
私のように、個人経営の美容外科は、まず‘絶対に’TV-CMは無理です。せいぜいローカル局のスポットCMですが、それでも目の玉が飛び出るほど費用がかかります。
広告代理店から最近よく提案されるのが、インターネット関連の広告です。‘わきが’と入力して出てくる画面で、スポンサーサイトとなっているのが‘広告’です。高い広告になるとワンクリックでかなりの価格になります。たくさん広告宣伝費を使っている美容外科は、ネット関連だけで一ヵ月に数百万円も使うそうです。
安くて上手な美容外科を見つけるのは至難の技です。牛丼でしたら、‘早い安いうまい’がわかりやすいですが、美容外科には通用しません。
やはり最後は自分の目で確かめることです。広告宣伝費をかけているところは、その分が‘製品’の価格に上乗せされています。気をつけてください。
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おねだん以上
今日は北海学園大学のニトリ寄附講座「流通・サービスを科学する」の講義を受講してきました。3回目です。講師は似鳥昭雄社長。講義のためにわざわざ東京からいらしていただいています。私は自分が40代の時に、看護学校や札幌医大で90分の講義を1コマするのも大変でした。ニトリ講座は90分の講義が2コマ連続。途中に10分の休憩があるだけです。似鳥社長は休む間もなく話し続け、休憩時間の間にも携帯電話で忙しそうに打ち合わせをなさっていらっしゃいました。脱帽です。
ニトリのTV-CMで‘おねだん以上ニトリ’というフレーズが流れます。今年の小学生用の机では他社を引き離して、圧倒的にニトリ製品が売れたそうです。
ニトリでは価格が安いことが一番。買う立場から買いやすい価格を設定し、それを目標に製品開発をします。同じ品質なら他社より3割以上安いこと。同じ価格なら他社より5割以上品質が良いことがニトリの大原則です。
製品は人件費が安い海外で現地生産。品質は使う立場から、‘適正’な品質にします。高品質だけを考えるとどうしてもコストが高くなるので、実用的な品質で安い製品を提供します。これがニトリ成功の秘訣です。
医療は典型的な労働集約型の産業です。日本は世界一人件費が高く、その中でも特に医療従事者の人件費は高額です。海外で現地生産し輸入することもできません。医療の品質は世界で一番良く、安全でなければなりません。
私は札幌美容形成外科を開業する時に、なんとか安価に最高品質の医療を提供できないかと考えました。そこで私が考えたのが‘保険診療’です。一般の方が保険が利かないと考えている、ワキガ、陥没乳頭、眼瞼下垂などを保険診療で行うことにより、最高品質の医療を安価に提供できます。
ワキガ手術の一般的な価格は25万円~30万円です。札幌美容形成外科では、保険診療の自己負担分が全身麻酔でしても8万円程度です。
陥没乳頭手術は30万円~35万円が約6万円。
眼瞼下垂症手術は35万円~38万円が約6万円。
これはニトリ様の同じ品質なら他社より3割以上安いことを十分にクリアーしています。安すぎる位です。
特に手術用顕微鏡を使用した若い方の眼瞼下垂症手術は、世界でも最高水準の‘品質’で他社には絶対に負けない‘製品’です。HPで公開しているのは、決して特殊な例ではありません。目の機能を回復して、その上、とてもキレイになっています。絶対にお買い得な‘おねだん以上、札幌美容’です。
私はお金儲けだけを考えて診療をしているわけではありません。少しでも‘お客様’に喜んでいただき、毎日快適に生活していただきたいと願って深夜まで仕事をしています。
医療問題
人工呼吸器
和歌山県の病院で88歳の脳死状態になった患者様から人工呼吸器を外して‘殺人’をしたと、医師が書類送検された記事が掲載されていました。
和歌山県立医科大付属病院紀北(きほく)分院(和歌山県かつらぎ町)で、延命措置を中止する目的で80歳代の女性患者の人工呼吸器を外して死亡させたとして、県警が、50歳代の男性医師を殺人容疑で和歌山地検に書類送検していたことが22日、わかった。
調べによると、男性医師は脳神経外科が専門で、県立医大の助教授だった2006年2月27日、脳内出血で同分院に運ばれてきた女性患者の緊急手術をした。しかし、患者は術後の経過が悪く、脳死状態になっていたため、家族が「かわいそうなので呼吸器を外してほしい」と依頼。医師は2度にわたって断ったが、懇願されたため受け入れて人工呼吸器を外し、同28日に死亡したという。
医師は3月1日に紀北分院に報告。分院では射水市民病院での問題が発覚した直後の同年3月末、和歌山県警妙寺署に届け出た。捜査段階の鑑定では、呼吸器を外さなくても女性患者は2~3時間で死亡したとみられるが、県警は外したことで死期を早めたと判断、今年1月に書類送検した。
飯塚忠史・紀北分院副分院長は「呼吸器の取り外しについては医師個人の判断だった。医療現場の難しい問題なので、司法の判断を仰ぎたいと考えて県警へ届け出た」と話している。家族は被害届を出しておらず、「医師に感謝している」と話しているという。
呼吸器取り外しを巡っては、北海道立羽幌(はぼろ)病院の女性医師が05年5月に殺人容疑で書類送検(不起訴)されており、今回の書類送検が2例目。羽幌病院の問題では、女医が呼吸器を外した行為と、患者の死との因果関係が立証できずに証拠不十分で不起訴となった。
しかし、問題発覚後、呼吸器の取り外しは医療の現場では一般的に行われている可能性があることなどが判明。これを契機に、国や医学界が延命措置中止に関するルールを明確にしようと指針作りに乗り出したこともあり、富山県警は、慎重に捜査を進めている。分院の医師が書類送検されたことで、富山県警の捜査関係者からは「同様の事件で死亡者数はこちらの方が多いのに、書類送検しないという選択肢があるのかは微妙な問題だ」との声も出ている。
(2007年5月22日読売新聞)
ここまでが新聞の報道です。人工呼吸器は医療現場ではレスピレーターと呼ばれます。高価な医療機器です。
新聞には書いていませんが、人工呼吸器を使用すると料金がかかります。内科医しかいない病院にも急速に普及したのは‘儲かる’からです。一日使用すると\7,450がかかります。30日間使用すると\223,500です。一年365日使うと\2,719,250です。
もし国が人工呼吸器の料金を大幅に引き下げると誰も使わなくなります。あるいはICUなど特殊な病床にだけ認めると一般病院からは姿を消します。
私はこの脳外科の先生がとてもお気の毒に思います。一生懸命手術しましたが助けられず、身内の人を呼んでくださいと伝えました。東京からあと○時間で身内が来ます。それまでなんとか持たせてくださいと言われレスピレーターを装着したようです。
最期のお別れをして、『先生ありがとうございました。もう結構です、苦しそうなので外してください』と言われて外したら殺人罪です。
早く法律を変えて安心して医療を行えるようにしてください。法律を変えられるのは政治家だけです。医師は無力です。私は自分自身には‘絶対に’人工呼吸器は要りません。早く死んでも本望です。
医療問題
美容外科がなくなる?
松山の美容外科学会で高須先生から‘美容外科’という科目がなくなると伺いました。帰ってからネットで検索すると次の記事が見つかりました。
厚生労働省は21日、医療機関が広告などで使える38の診療科名を26に整理し、新たに「総合科」などを加える案を、医道審議会診療科名標榜(ひょうぼう)部会に提出した。同部会で今後検討する。
同省案は診療科目を減らす一方で、「乳腺」「頭痛」「ペースメーカー」など、医療機関が得意とする分野を明記することも認めており、同省は「広告の規制緩和を進めるとともに、患者の利便性を高めることができる」と説明している。
削減案の対象となったのは、アレルギー科、心療内科、心臓血管外科、呼吸器科など。アレルギーを専門とする場合は、「内科(アレルギー)」と表記することが可能という。ただ、患者団体や専門医から反発が出る可能性もある。(2007年5月20日 読売新聞)
美容外科という名前(正式には標榜科目と言います)が認められるまでには、私たちの先輩が大変な苦労をなさいました。美容整形がいいか美容外科がいいかは別として、美容外科がなくなると困るのは一般市民です。
厚生労働省の案では形成外科は残るそうです。すると形成外科(得意な手術は美容整形です)なんて広告や、内科(アンチエイジングが得意です)なんて広告もOKになるのでしょうか?
松山の美容外科学会でも話題になっていましたが、一般の内科や外科を‘標榜’なさっていた先生が、保険診療だけでは儲からなくなったので、自由診療をどんどんなさっているそうです。眼科の先生が二重をしたり(韓国では多いです)、内科の先生が毛はえ薬を処方したり。婦人科の先生がレーザー脱毛をしたり…。
私も職員のインフルエンザの予防注射くらいはしますが、自分の専門分野以外は手を出しません。厚生労働省は何を考えているのでしょうか?こんなことをしても日本の医療はよくなりません。