医学講座

先行きが不透明な時代こそ、原点に立ち返る

 平成22年7月25日、北海道新聞朝刊の記事です。
 札幌圏版に掲載されていました。
 ちょっと長い文章ですが、
 とても印象深く読みましたので、掲載します。
 はなし_抄
 豊田自動織機顧問_磯谷智生(いそがい・ちせい)さん
 (6月22日・北海道銀行中小企業人材育成基金の講演会から)
 先行きが不透明な時代こそ、原点に立ち返る
 トヨタグループの概況を簡単に話しますと、現在、グループはトヨタ自動車や弊社など15社あります。グループ全体の売上高は約40兆円。全世界での従業員数は約80万人にもなります。ここまで発展できたのは、皆さんのおかけで非常に感謝しています。しかし、2007年のリーマン・ショックを機に、08年度は大幅赤字に陥ったとともに、米国での大規模リコールは、グループにとっても大きな衝撃でした。大変なご迷惑をおかけしたと思っています。
 ひるがえって09年度の決算をみますと、少しは黒字が出てきて先行きが良いとの印象を受けています。世界的に環境・エネルギーに焦点が当たり、自動車産業に目を転じれば、ガソリン車から電気自動車への関心がますます強くなってきています。これは、産業構造が大幅に変化していることを示していると同時に、将来的には、先行きが不透明といえるかもしれません。
 しかし、こうしたときこそ原点に立ち返って反省すべき所は反省し、良い所を継続し、伸ばしていく。将来に希望をもって前に進みたいと思っています。
 トヨタグループのものづくりの原点は、グループの創業者である豊田佐吉が発明した「G型自動織機」にあります。今から120年ぐらい前、織機は人の手と足を使い布を織っていました。貧しい農家に生まれた佐吉は、母親が朝から晩まで機織りに苦労する姿を日夜目の当たりにして育ちました。縦糸の間に横糸を左から右へ右から左へと動かす、大変手間のかかる作業だったためです。
 さらに当時は、若い女性たちが休みなく機織りにいそしみ、体をこわす人もいたそうです。「母親や女性従業員を少しでも楽にさせたい」。これが佐吉の切なる願いでした。1890年(明治23年)、佐吉はトヨタ式木製人力織機を発明しました。それは片手でおさを前後させるだけで、横組みが同時にできるようになっていて、従来に比べて能率を4割から5割も向上させるものでした。
 佐吉は、その後も織機に改良に改良を重ね1924年(大正13年)、長男喜一郎とともに、ついにG型自動織機を完成させたのです。G型は縦糸が切れると、織機が自動的に止まる仕組みになっています。縦糸が切れたままだと、不良品が大量にできてしまうからです。
 止まると、すぐに人が修理して再び動かす。現代のように電気的、光学的なセンサーのない時代に、こうした仕組みを作り上げた佐吉の発明は驚異的だったと思います。
 故障があれは自動的に停止して、修理して再び機械を動かす仕組み。これは、必要な商品を必要な時に、必要な分だけ作るという「ジャストインタイム」の概念につながっています。
 佐吉の原点は、異常があれば自動的に止まる。不良品は絶対につくらない。人を機械の番人にしない-の3点でした。だからこそ、織機の連続運転を可能にし、1人で30台以上も受け持つことができるようになりました。当時の世界は「マジックブーム」として、佐吉に惜しみない称賛を送りました。
 ただ、このG型自動織機は発明して、すぐに販売したわけではないのです。販売するまで2年間も営業試験を行いました。佐吉は機械の動きが、価値を生まなければならないと考えていました。お客さまに絶対に迷惑をかけてはいけない。この考えをわれわれは「自働化(じどうか)」と呼んでいます。故障しない設計を心掛け、806㌻からなる取り扱いマニュアルまで作成しました。 
 佐吉の発明したG型の性能の良さは、今でも同じ仕組みの織機が、中国や東南アジアで数万台も使われていることが証明しています。

 いそがい・ちせい_1929年名古屋市生まれ。53年に名古屋大学工学部卒業後、豊田自動織機製作所(現・豊田自動織機)入社。74年に車両事業部生産技術部長、78年取締役を経て93年に社長。会長を経て2005年から現職。80歳。
 (以上、北海道新聞より引用)
      ■         ■
 私(本間家)は運転免許を取得した時から
 トヨタ車です。
 トヨタの車は故障知らずです。
 16年も乗ったエスティマは、
 故障はほぼ零でした。
 その世界のトヨタですら…
 リーマン・ショックで売上激減。
 私たちの美容外科業界も悲惨です。
      ■         ■
 大手美容外科の…
 神奈川クリニックは…
 2010年5月に会社更生法の申請をしました。
 帝国データバンクによると…
 負債は68億円だそうです。
 美容外科学会へ行っても…
 景気が良い話しは聞きません。
 どこも大変なようです。
      ■         ■
 私は磯谷(いそがい)顧問のお話しを読んで、
 美容医療業界も、
 医療の原点に立ち返ってこそ、
 この不況を乗り切ることができると考えました。
 医療は薄利多売には馴染みません。
 困っている人を援助するのが、
 医療の原点です。
 儲かるからといって…
 美容外科からレーシックの眼科へ転向は、
 どう考えてもおかしな道です。
      ■         ■
 私は自分で開業する時に、
 総合病院の形成外科では
 できなかったことをしようと考えました。
 私の医療の原点は、
 安全で快適な医療の提供。
 確かな技術と信頼です。
 先行きが不透明な医療業界ですが、
 困っている人を助けるのが…
 医療の原点だと信じています。

iso
以上、北海道新聞より引用

“先行きが不透明な時代こそ、原点に立ち返る”へのコメント

  1. さくらんぼ より:

    原点に立ち返る。
    忘れていた言葉でした。農家も 天候相手で大変です。
    でも なんといっても 体を壊しては 何もできません。私の周りでは 私より年下の方が バタバタと病気になり 離農される方もおります。 先生も体に留意なさってくださいね。

  2. まみ子 より:

    暑中お見舞い申し上げます。
    先生お葉書ありがとうございました。お礼が遅くなってしまい申し訳ありません。

    帯広も今年は暑い日が続いています。そんな中、毎日500人を超える患者さんが受診してくれます。本当にありがたい事です。私も暑さには弱くすでにバテぎみです。体重も3kgほど減少・・・。

    でも、バテた顔はできません。具合が悪くて困っている患者さんには笑顔で「おだいじに〜どうぞ!」と声かけをしています。

    そうです。困っている人を助けるのが医療の原点なんです。

  3. らずべりー より:

    原点に立ち返る≒初心に返る事なのだと思います。人は馴れに弱い、慣れによって(感覚が)鈍くなる。だからこそ、原点はどうだったのだろう? 、こういう時はこうしたら良いのかな?っと立ち止まる、その想いをもっていたのなら発明や新たな治療も看護方法や改善策も生まれてくると思います。車はリコールがあった時こそ、勝負だと思います。リコールに適切に対応すれば、改善点が見つかります。それが、お客様の信頼に繋がりますし、安全性を高める事になります。また、顧客が増えたり、二台目を購入しようか?となるかもしれません。「安全と快適」、この2つは永遠のテーマのようです。 医療においても、多少同じことが言えるのかなって感じます。どうすれば改善出来て(試行錯誤し)前向きになれるかどうか。美容や形成なら何を治療(傷、形など)するのか、全体的なバランスはどうか。主観と客観性の調和がとれているかなど。

  4. くくるん より:

    原点に立ち返ることも出来ないくらいに感覚がマヒしたら
    完全にアウトですね。
    儲かれば何でもやってしまえという環境で働いていれば、良心というか原点を取り戻すのは、かなり難しいと思います。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。安売りで儲からなくなったので儲かることに手を出すのは失敗への道だと(私は)思います。患者さんの喜んでいただける医療を提供しなくてはだめです。

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