医学講座

新しい唇顎口蓋裂の手術法2017

 2017年6月24日(土)
 北海道大学医学部で開催された、
 第33回北日本形成外科学会学術集会
 あんどう矯正歯科クリニック
 院長 安藤葉介先生の特別講演の次は、
 北大形成外科診療教授、
 小山明彦先生のご発表をご紹介します。
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 唇裂口蓋裂同時手術で一度ご紹介しました。
 片側唇顎口蓋裂に対する一期手術
 術式および当科における全59症例の概要
小山明彦1、舟山恵美1、古川洋志1、林利彦1、村尾尚規1、大澤昌之1、山本有平1、岡本亨2
 (北海道大学形成外科1、おかもと矯正歯科クリニック2)
 当科では片側性唇顎口蓋裂に対しraw surfaceを伴わない一期閉鎖術(口唇形成術、歯肉骨膜形成術、口蓋形成術の同時施行)を2008年から行なっており、現在59例に達した。
 うち完全唇顎口蓋裂は39例であり、平均手術時日齢192日、平均手術時間4時間24分であった。
 全例において術後に抜管可能で、気道のトラブル等はなかった。術後に軟口蓋粘膜の創離開が1例に見られたが、自然閉鎖した。今回、手術術式を提示し、外貌、言語成績を含めて、全症例の概要を発表する。

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 素晴らしい手術法です。
 これからの唇顎口蓋裂の治療を変える手術法です。
 唇裂手術は生後3ヵ月で体重6㎏以上
 口蓋裂手術は生後1歳6ヵ月と
 2回に分けて手術をするのが、
 現在の主流です。
 だいたいどこの病院でも
 この時期に2回手術をしています。
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 唇顎口蓋裂の子供さん
 口唇(くちびる)も、
 口蓋(こうがい:口の中)も、
 同時に手術ができたらどんなにいいか?
 長い間、形成外科医の夢でした
 さまざまな手術が検討されました。
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 今までの方法では、
 残念なことに、
 メリット≦デメリット
 同時手術によるデメリットが大きく実現されませんでした
 北大形成外科の小山明彦先生は、
 これを実現されました。
 形成外科医にとっては、
 青色LEDに匹敵する大発見です
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 成功の秘訣は、
 術前顎矯正でした
 北大歯学部矯正科との、
 適切な共同研究が実を結びました
 唇顎口蓋裂の赤ちゃんが生まれたら、
 北大形成外科の小山明彦おやまあきひこ診療教授です。
 北海道まで来る価値があります
 素晴らしい手術法です

小山明彦おやまあきひこ診療教授

“新しい唇顎口蓋裂の手術法2017”へのコメント

  1. なっちゅん より:

    新たな手法による2つ同時の手術が
    可能になったのですね。

    手術は怖いです。
    一度に済ませたいですよね。

    知人が困っていたら
    紹介したいと思いました。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。形成外科医の長年の夢でした。今まで多くの形成外科医がチャレンジしてきましたが、なかなかいい結果を出せませんでした。小山明彦先生のすごいところは矯正歯科の先生と組んで手術前に上手に顎矯正をしているところです。これからの世界標準になると(私は)思います。一度の手術でよくなると赤ちゃんにとってもご家族にとってもありがたいことです。

  2. さくらんぼ より:

    私が初めて 形成外科という ポスターを見たのは 子宮手術後 皮膚科に行った北山形の済生病院で、形成外科とはこんな事をしています。と子供の顔の下半分の写真でした。手術前と手術後 の写真でした。医学が進歩して早く治せるようになって良かったです。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。形成外科は無名なんです。よく整形外科と間違えられたり美容整形と間違われたりします。形成外科ができる前は外科、耳鼻科、口腔外科などで唇顎口蓋裂の手術をしていました。小山明彦先生の新しい手術法は私が形成外科医になってからの30年で一番の進歩だと思います。

  3. すみれ より:

    難しいことはわかりませんが、早く山形や秋田大学病院にも形成外科ができるといいですね。私の友達の息子はかわいい顔だったのに、くちに問題があり5回も手術しました。成績もよかったのに、いじめられたそうです。熱心に研究を続けていらっしゃる先生に多くの人が後に続くことを願います。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。山形大学医学部、秋田大学医学部、旭川医科大学には形成外科がありません。日本形成外科学会では全国の大学医学部に形成外科講座を開設してほしいという要望を出していますが、なかなか実現しません。小山明彦先生の新しい手術法はこれからの世界標準になる手術法だと思います。形成外科を目指す先生は増えています。これからも研究が続けられると思います。

  4. くくるん より:

    さかのぼると、これは2014年末の発表だったのですね。
    口蓋裂も唇裂も、形成外科では代表的な疾患だと思うので、2回分けないと出来なかった手術が、同時に出来るということは、とても画期的なことですよね。
    このやり方がスタンダードになるのはまだ先のことかもしれませんが、医学に限らず、どの世界にも今までの常識を塗り替える人が出てくるものなんですね。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。小山明彦先生の発表は素晴らしいです。今までの先人ができなかったことなのです。きっと将来はスタンダードの治療法になります。

  5. 齊藤いずみ より:

    小山先生は素晴らしい方だったんですね!
    息子が左唇裂で、12年くらい前に手術をして頂きました。今では全然わからない程、本当にきれいになっています。
    今日、一年ぶりに診察でしたが、福島に行かれると聞いて、残念な反面、ちゃんとお礼も言えず、慌ただしく帰って来てしまいました。どうか感謝の気持ちお伝えください、本当にお世話になりありがとうございました。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。小山明彦先生が開発された手術法は将来、Oyama methodとして世界中で有名になると思います。4月に福岡で開催される日本形成外科学会で先生にお伝えいたします。

  6. あずさ より:

    私は、小さい時に唇顎口蓋裂の手術をしたのですが……
    大人になって鼻と口が変形し始めてしまい困っています
    大人になってからでも整形手術は出来るのでしょうか?

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    唇顎口蓋裂の手術は大人になってもできます。歯科矯正も保険適応になります。美容外科ではなく唇顎口蓋裂の手術をしている大きな病院の形成外科で相談なさるのがいいです。北海道でしたら北大形成外科の舟山先生や函館中央病院形成外科の木村先生をおすすめします。

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