医学講座

梅毒、感染予防のポイント

 朝日新聞に掲載された、
 梅毒の記事の続きです。
 <アピタル:ニュース・フォーカス・今さら聞けない+>に
 2017年1月21日に掲載されました。
 梅毒、感染予防のポイント
 梅毒の感染者が増加しています。国立感染症研究所によると、昨年の感染者数は4千人を超えました。専門家は「決して過去の病気ではない」と注意を呼びかけていますが、どんなことを心がければよいのでしょうか。
梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌による感染症です。感染者との性交渉などにより、性器や口などの皮膚や粘膜の小さな傷から細菌が侵入することで、感染します。
 感染すると、約3週間で細菌が入り込んだ部位などに小さなしこりができますが、痛みはなく、放置しても多くは数週間で治まります。感染から約3カ月で細菌が全身に運ばれ、「バラ疹」と呼ばれる赤い斑点が現れたり、様々な部位に発疹ができたりするなど多彩な症状が出て、数年後にゴム腫ができ、さらに大動脈瘤(りゅう)やまひなどに進行するおそれもあります。
 感染は血液検査で分かりますが、症状が消える時期があることが発見の遅れにつながります。感染者はエイズウイルス(HIV)感染の検査も勧められています。
 梅毒が世界的に広がり始めたのは15世紀末で、コロンブスの米大陸到達が契機と考えられています。医学史にも詳しい日本大学医学部の早川智教授(性感染症学)は「地中海沿岸が起源とする説もあったが、近年の細菌の遺伝子研究で米大陸を起源とする説が有力になった」と話します。
 日本には16世紀に入ってから伝わったとされ、江戸時代には庶民間でも流行していたとの記録が残ります。20世紀初頭に、原因菌の梅毒トレポネーマが突き止められます。その後に発見されたペニシリンに梅毒の治療効果が確認され、今も治療に使われています。
 戦後間もない時期には年間10万人超の国内感染者が報告されましたが、治療薬の普及などで次第に減少。今世紀に入ってからは年間数百人程度で推移していました。しかし2011年から増え続け、昨年(2016年)は4518人(速報値)で、1974年以来42年ぶりに感染者が4千人を超えました。
 感染研の大西真・細菌第一部長は「2010年ごろから男性の同性間で増加がみられてきたが、最近は異性間が目立ち、増加が加速している」と指摘します。
 顕著なのは若い女性での感染の広がりです。2015年の感染者を年代別にみると、男性の感染者は各年代で偏りがないのに対し、女性は20代以下が6割を占めます。性産業に従事する若い女性やその客となる男性の間で感染が広がっている可能性が推測されます。
 どう防げばよいでしょうか。まず不特定多数との性交渉など感染リスクが高い行動を避けるのが大前提。その上で、早川さんは「リスクを減らすにはコンドームを使うべきだが、100%防げるわけではない。キスで感染したという報告もある」と話します。増加の一因として、「低用量ピルが一般化したことで、コンドームをつけない性交渉が増えているのではないか」との見方も示します。
 妊婦が感染していると、胎児への影響も懸念されます。流産や死産、誕生後の耳や肝臓の障害など先天梅毒のおそれがあります。妊娠初期の検査で感染がわかれば、治療で胎児への影響は防げます。ただその後に感染するおそれもあり、早川さんは「パートナーが妊娠中だからとコンドームを使わない性交渉で感染することもあり得る」と指摘します。
 また感染リスクの高い行動を取っていなくても、配偶者や恋人が不特定多数と性交渉を持つなどし、知らないうちにリスクにさらされていることもあります。大西さんは「症状がなくても高リスクの行動を取った人は、パートナーのためにもすぐに検査を受けてほしい」と呼びかけています。
記者のひとこと
 性感染症の怖さは、知らないうちに大切な人にうつしてしまうことです。梅毒と言われても、世代によってはぴんと来ないかもしれませんが、若い女性の場合は母子感染も心配です。関係ないと思わず、知っておくことも大切な人や自分を守る一歩で、感染拡大を防ぐことにつながります。
(川村剛志)
 (以上、朝日新聞より引用)

      ■         ■
 コロンブスの昔から、
 江戸時代から花魁おいらんに代表される
 遊女たちが苦しめられた病気に、
 2017年の現在も苦しんでいる人がいます。
 性欲という、
 江戸時代から変わらない人間の欲望のためです。
 情報が発達した現在でも、
 知らない人が多すぎます。
      ■         ■
 朝日新聞記者の川村剛志さんが書かれているように、
 知らないうちに大切な人にうつしてしまうことが大問題です。
 男性は、
 悪い友だちに誘われて、
 風俗に行きます
 最初から一人で行く人はいないと思います。
 私も天国みたいなところ
 …と誘われたことがあります。
 行って地獄に落ちなくてよかったです。
 感染予防のポイントは、
 危険なところに行かないことです。

“梅毒、感染予防のポイント”へのコメント

  1. なっちゅん より:

    梅毒患者さんが、
    この平成にも多いと知り
    驚愕してます。

    海外に行き、危ない行為をする男性も
    いらっしゃると思います。

    梅毒などの性病の恐ろしさを
    多くの方に知っていただきたいですね。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。江戸時代からの病気を根絶できないのは情けないことです。私は教育が一番いい予防法だと思います。

  2. なっちゅん より:

    さくらんぼさん

    子供の産めない身体にされ
    離縁されたというコメントを読ませて頂き
    その男性に憤りを感じました。

    すすきのは観光客には特に怖いところです。
    ぼったくりもあります。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    渡辺淳一先生の『花埋みはなうずみ』という小説に出てくる、日本初の女医、荻野吟子先生も最初の夫からうつされた淋病がもとで離婚し医師を志したと書かれています。女性にとっても大問題です。お金になるからと安易にすすきのの風俗で働く女性にも教育が必要です。

  3. さくらんぼ より:

    このブログを読んでくれている事を願ってます。地方紙にはどこにもそんな事は書いてません。殆どの人が知らないと思います。 JOYさんが結核になり 結核予防の テレビCMに出ていたように 梅毒予防の CMも有名人を使って流せば 少しはふせげると思います。 嵐なんかがしてくれれば効果があると思います。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。さすがさくらんぼさんいい考えだと思います。TVで梅毒にならないための政府広報をするといいのに、、、無理かなぁ~

  4. すみれ より:

    本間さんが、最後に書いた風俗に行かないのが一番ですが、学校でも教育の一環として、ぜひ女子にも映像を見せてほしいと思います。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。すみれさんのおっしゃる通りです。ちゃんと教育をすると望まれない妊娠や性病も減ると思います。

  5. さくらんぼ より:

    なっちゅんさんへ
    ありがとうございます。従姉は第一子を妊娠中で流産し不妊になりました。だんなも 膿みがでて治療しました。 お姑さんは 自分の息子が悪いのではなく、従姉が妊娠しないのが悪いと言い張り家を出されました。ラジオの人生相談にも従姉の父は電話したくらいでした。 風の便りではだんなの方は再婚し子供が授かったと聞きましたが、従姉は再婚はしましたが、子供はいません。慰謝料も殆どもらえませんでした。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。ラジオの人生相談にも電話されたのですね。淋病で卵管狭窄になった例はたくさんあると思います。お気の毒だと思います。すすきのの風俗が憎いお気持ちがよく理解できます。

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