医学講座
ボトックスにジェネリック医薬品を!
昨日の院長日記わき汗ボトックス注射ができない人に書きました。
ワキ汗ボトックスを日本に広めたのは…
美容外科です。
大学病院や市民病院ではありません。
私がはじめてボトックスを注射したのは、
中央クリニック新宿院です。
日高士郎先生に教えていただきました。
■ ■
当時の中央クリニック新宿院では…
Dysport(ディスポート)という英国製の製品を使用していました。
とても高価な薬です。
冷蔵庫に大切に保管されていました。
看護師さんが生理的食塩水で溶解して…
大切に使っていました。
■ ■
とても効果のある薬で、
副作用もありませんでした。
極細の針で慎重に注射していました。
Dysportは医師が個人輸入で海外から輸入していました。
英国製の製剤ですが…
米国FDAの認可も得ています。
私はず~っとこのディスポートを使用しています。
■ ■
ボトックス-未承認薬が9割
…という院長日記を…
2010年6月17日に書いています。
朝日新聞の記事を引用しています。
2010年の朝日新聞によると…
ボトックスは、国内では昨年2月、65歳未満の成人で眉間の表情じわをとることを効能とする「ボトックスビスタ」が承認発売され、1瓶4万円台(2~4人分程度)で流通している。しかし、承認以前から個人輸入で使われていた薬が、承認薬の数分の1の価格で流通。承認薬を販売するグラクソ・スミスクラインによると、しわ取り効果をうたう薬剤は年間5万本以上が輸入されており、承認薬のシェアは数%という。
■ ■
2009年に美容目的で…
ボトックスビスタという製品が承認発売されました。
65歳未満限定。
眉間以外には使えない…
(目尻などは不可)
価格は個人輸入の2倍以上。
まったく売れませんでした。
■ ■
現在でもボトックスビスタは販売されていますが、
価格は大幅にダウンしています。
販売会社もグラクソ・スミスクラインから変わりました。
健康保険が使える医薬品は、
国が決めた製品だけです。
価格も国が決めます。
薬価やっかと言います。
■ ■
わき汗ボトックス注射で一番儲かるのは…
製薬メーカーです。
グラクソ・スミスクラインは…
ボトックスビスタで大損をしたはずです。
承認を取得するのに要した費用と時間を…
大幅に下回る数量しか売れなかったと想像しています。
わき汗ボトックスでばんかいしようとしているように感じます。
企業としては当然のことです。
■ ■
日本の健康保険は大赤字です。
国は増え続ける医療費に頭を悩ませています。
国民の中には…
ワキ汗ごときに保険適応はけしからん
…という人もいらっしゃると思います。
私は…
8万円の注射代を…
10回の分割払いで支払ってまで…
注射に来ていただいた方が忘れられません。
■ ■
中国製ボトックスは使う気になれませんが、
FDAが認可した英国製ディスポート、
韓国製の製品などは…
信頼性が高いといわれています。
(私は韓国製を使ったことはありませんが…)
自民党の勝沼栄明(かつぬましげあき)衆議院議員に…
ぜひ、がんばっていただきたいと願っています。
国民のためになります。
“ボトックスにジェネリック医薬品を!”へのコメント
コメントをどうぞ
学生でも悩んでいる方がいっぱいいても 学費や生活費でいっぱいいっぱいで それでも分割でも治したいと思われた方もいると思います。 私の地区でも 衆議院議員に初当選した、鈴木憲和議員(先生とFB友達)にもぜひ なんとかおねがいしたいです。 鈴木君 宜しくお願いします!
10回の分割払いのお話、感動しました。
健康保険が大赤字なのは知ってますが、ワキガごときって酷すぎます。
それでイジメに合う方も居るんですから。
65歳未満って…それ以上の方は危険なんですか?
海外から仕入れている場合、為替、関税などあり、更に1社独占状態で高い為(仕入れ値、薬価)、日本の製薬会社が頑張ってジェネリック造って欲しいですね。