医療問題

生活保護と重度原発性腋窩多汗症

 札幌美容形成外科には近隣市町村からも患者さんが受診されます。
 生活保護の方も、
 ひとり親の方も受診されます。
 厚生労働省が認めた【病気】であれば、
 必要な医療を受けることができます
 生活保護の受給者が受診する前には、
 役所の担当者に話してもらいます。
 残念なことですが、
 担当者によってはよく理解していない人がいます。
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 昨日、小樽市から来院された患者さんです。
 わき汗がひどくて…
 仕事ができません。
 ネットで調べて…
 そちらの病院のことを知りました。
 生活保護でも受けられるでしょうか?
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 治療が必要な重度原発性腋窩多汗症でしたら、
 生活保護でも受診できます。
 最終的にボトックス注射が必要かどうかは、
 保険医である医師が判断します
 保険診療のルールは、
 患者さんの求めによって治療内容を決めるのではなく、
 医学的な判断によって担当医が決めます。
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 どんなにお金を出しても、
 ボトックス注射をする必要がないと診断した場合は、
 注射をしないこともあります。
 生活保護の患者さんも、
 ふつうの保険診療の患者さんも同じです。
 わきがについても同じことです。
 手術が必要ない人には手術はおすすめしません。
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 昨日の小樽市の患者さんです。
 小樽市役所の担当者は、
 医療係長の金澤妙子さんに相談したそうです。
 治療しないと仕事をクビになる
 …というほど【重度】でなければ、
 医療保護給付の対象とはならない。
 あなたには給付しない
 …と回答されたと受診されました。
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 患者さんは自分でお金を払ってでも治療したいと、
 切羽詰った状態で来院されました。
 診察すると、、、
 両腋窩から多量の発汗を認めました。
 衣服も湿っていました。
 私は小樽市役所に電話して
 医療担当係長の金澤妙子さんに猛烈に抗議しました
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 私は自分自身が、
 腋窩多汗症です。
 役所に抗議する時には、
 多量の発汗があります。
 緑の術衣が汗で脇の部分だけ黒くなります
 脇汗で悩む人の気持ちがわかります。
 『わき汗止まれ!』
 …と命令しても勝手に流れて止まりません。
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 まず医療担当係長さんは、
 わきが多汗症も区別がつかなかったようです
 ボトックスが保険適応になったと言っても、
 何がなんだかわからなかったようです。
 医療関係者でも知らない人がいるので、
 重度原発性腋窩多汗を知らなくても仕方がありません。
 私が説明して、
 市立小樽病院の先生に聞いて、
 ようやく理解できたようでした。
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 日本全国のワキガで悩んでいる患者さんや、
 日常生活に支障があるほどの腋窩多汗症で悩んでいる患者さん。
 生活保護だからといって、
 受けられる保険医療に制限はありません
 私が自治体の担当者だったら、
 ワキガで悩んで仕事ができないより、
 ワキガをしっかり治して就業していただき、
 納税者になっていただきたいと思います。
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 世の中には、
 自分は何も悪いことはしていないのに、
 ワキガとかくさいとか言われて悩んでいる人がたくさんいます。
 私は堂々と保険診療で治療を受けるべきだと思います。
 買春をして性病になったオヤジが
 保険診療で性病治療を受けられるのです
 こちらは本人の責任大だと私は思います
20140809

“生活保護と重度原発性腋窩多汗症”へのコメント

  1. なっちゅん より:

    その患者さんは先生に巡り会えて幸せでしたね。
    抗議の電話を自らして下さったのですから。

    お役所は融通がきかなく、たらい回しにされました。
    そして何の解決もしてくれません。

    生活保護は先進治療も受けられなく、車を持つことも禁じられているようです。
    ここは田舎で公共機関の乗り物が皆無に等しく、私のように股関節が悪いものには自転車は無理です。
    なんとかならないものでしょうかね。

  2. さくらんぼ より:

    そこまで親身にしてくださる先生は中々おりません。 生活保護を受けている人も平等に医療が受けられるべきですよね。先生に出会えてよかったですね。

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