医療問題
二重一点留(9,800円)
二重まぶた埋没法の最安値が
一点留め保証なし
キャンペーン料金
9,800円と広告に出ています。
最高級の糸を使った
プレミアムスーパークイック法
が3年間の安心保証制度がついて
39,800円だそうです。
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そもそも、
埋没法の手術で一番大切なのが、
何点で留めるかとか?
最高級の糸を使うとかではないのです。
二重まぶた埋没法の手術は、
日本で開発された、
アジア人に適した手術です。
古い文献(ぶんけん:論文のこと)では、
第二次世界大戦の前(1920年代)から
この手術が発表されています。
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誰にでも簡単に二重を作れる、
‘魔法の手術’という、
誤ったイメージがあります。
一番大切なのが、
埋没法に向いた目かどうかを診断することです。
瞼が厚い方や脂肪が多い方は、
埋没法には向いていません。
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目は丸い形をしています。
二重の線は目の丸い形に沿ってできます。
心ある美容外科医でしたら、
最初から一点留めはしません。
アイプチにしても…
メザイクにしても…
ある程度の長さをつけないと二重になりません。
一点留で二重ができない理由です。
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一点だけ糸で固定して、
二重の形をキレイに出せる方は、
二重手術なんていらない方とも言えます。
ですから、
二重一点留9,800円は、
客寄せのための広告です。
9,800円のつもりで行っても、
もっと高い手術をすすめられます。
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私は、札幌中央形成外科の
武藤靖夫先生とご一緒に、
二重まぶた埋没法についての研究をしました。
国際美容外科学会誌
Aesthetic Plast Surg. 24(4):289-91,
に2000年に発表しました。
その時に調査した結果によると、
2点留と4点留では、
二重の消失率に差がありました。
4点で留めたほうが
消失が少ないという結果でした。
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でも4点で留めると、
2点で留めるよりずっと腫れが強くなります。
2点で留めて、
二重が消失する率は、
だいたい5~10%です。
10人中9人は取れないということです。
生まれつきの二重と同じ構造を、
糸で作るのです。
そう簡単に取れることはありません。
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最高級の糸というのも疑問です。
手術に使う糸は、
医療用具として厚生労働省の認可を得ています。
日本で製造販売している業者は、
限られています。
簡単に切れることはありません。
糸の価格はせいぜい数千円です。
最高級で、
一本一万円以上もする糸はありません。
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良心的で良い美容外科医とは、
埋没法に向かない目の人には、
しっかりとその理由を説明できる人。
たとえ、埋没法でしたとしても、
もし取れた時には、
取れにくい部分切開法などの手術ができる人。
最初から手術を無理にすすめない人です。
ある程度、技術力を持った先生は
自分の技術を決して安売りしないと思います。