医学講座
花火事故
平成20年8月1日、朝日新聞朝刊の記事です。
花火事故9歳以下が6割
国民生活センターは、
過去10年間の花火による事故状況をまとめた。
子どもたちの夏休みにあたる7~8月に集中、
特に9歳以下の子どもの事故が約6割を占めた。
■ ■
全国の消費生活センターなどに
過去10年間に寄せられた事故事例は157件、
危害情報収集の協力病院からは429件あった。
計586件のうち、
9歳までが59.4%で、
10歳代の14.7%と合わせて、
未成年が74.1%を占めた。
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寄せられた事例は、
▽手持ち花火をしていたところ、
火花が腰に当たりやけど
(2004年8月、6歳男児)
▽打ち上げ花火が左目を直撃、けが
(2005年8月、10歳男児)
▽手持ち花火をしていたところ、
暴発し
近くにいた子どもが首などにやけど
(2006年8月、4歳男児)
などだ。
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また、
花火を踏んでしまった想定で
加圧、変形させ、
着火テストしたところ、
異常な勢いで燃焼することが
確かめられたという。
国民生活センターは
「明るいうちに説明書や注意事項を確認する」
「踏んだり変形したりした花火は使用しない」
などの注意を呼びかけている。
(以上、朝日新聞より引用)
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今日から8月です。
今日は札幌市内で朝日新聞社主催の
花火大会も開催されました。
夏の花火は美しくキレイです。
コンビニでも花火セットが売られています。
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私は形成外科医として、
たくさんのヤケドの患者さんを治療してきました。
まさか線香花火で大ヤケド?
と思われるかもしれません?
ところが線香花火でもヤケドはしますし、
思わぬところで、
一生消えないキズが残ることもあります。
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どんなに小さな花火でも、
火薬と火を使います。
線香花火でも束に火がつくと
大きな炎が出て驚きます。
その瞬間に、浴衣(ゆかた)などの着衣に引火。
あっという間に、大ヤケドです。
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着衣着火(ちゃくいちゃっか)といいます。
こちらの大阪市消防局HPに
高齢者の着衣着火についての記載があります。
子どもさんの浴衣を購入する時は、
何を基準に購入しますか?
大部分の方はデザインでしょう。
防炎製品の浴衣があるのをご存知でしょうか?
もし火がついても、燃えにくいのが防炎製品です。
燃えにくいカーテン、絨毯などには
必ず防炎マークがついています。
札幌美容形成外科のカーテンにもついています。
■ ■
私が小学校の頃に、
夏休み前に学校から注意事項がありました。
花火をする時には、
必ずバケツに水を準備するように!
子ども心に、
花火なんて危なくないじゃん!
という意識がありました。
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本間家でも、子どもが小さい頃には
家で花火遊びをしました。
バケツの水は、
花火の火を消すだけではなく、
もし、浴衣などの着衣に火がついた時、
すぐに消火するのに役立ちます。
夏の花火でヤケドをしないように…
どうぞ気をつけて遊んでください。
もしヤケドをした時は、
形成外科専門医や熱傷専門医を受診してください。
フィブラストスプレーが効きます。