昔の記憶
ペット可の貸家
平成6年は、
今のように
ネットが発達していませんでした。
帯広に転勤する時は、
家を探すのに苦労しました。
愛犬のチェリーを飼っていたので、
『犬を飼ってもOK』
という貸家を探すだけで大変でした。
帯広の職業別電話帳を、
NTTでコピーして、
札幌から片っ端から電話をしました。
■ ■
帯広の不動産屋さんの中には、
『イヌを飼ってもいいなんて大家さんはいませんよ!』
とピシャリと言われたところもありました。
ようやく何軒か目星をつけて、
家内と帯広へ車で向かいました。
12月10日の吹雪の日でした。
夕張を過ぎた頃には、
前方が雪で見えなくなり…
このまま遭難するのでは?
と思いました。
■ ■
やっとの思いで、帯広に着きました。
これは!
と思っていた家は、×でした。
最後にたどり着いた家は、
不動産屋さんが終了してしまっていました。
FAXしていただいた資料から
その家を見に行きました。
■ ■
外から家の中を見ると、
明かりが点いていました。
家内と、
おそるおそるピンポンを押してみました。
そこのお宅の奥様が出てきてくださいました。
『私たちも貸家探しで苦労したのょ。』と
とても親切に応対してくださいまいした。
その奥様から、
大家さんは
大手住宅建材メーカーにお勤めであること。
札幌に転勤で住んでいらっしゃること。
住所と電話番号も教えていただきました。
■ ■
札幌の大家さんのご自宅は、
私が住んでいたのと同じ、
西区山の手にありました。
お電話をして、
家内とチェリーを連れてお伺いしました。
『この犬を飼ってもいい家が見つからないと、
私は帯広厚生病院に赴任できません。』
万一、犬が住宅を毀損(キソン)した時は、
すべてこちらが費用を負担して直します。
必死の思いで、お願いしました。
■ ■
大家さんは、快く許可をくださいました。
こうして、
私は帯広厚生病院へ赴任できることになりました。
今でこそ、
ペット可のマンションや住宅が増えています。
14年前は、
まだペット可の家はありませんでした。
その後、私は札幌の自宅を貸しました。
もちろん『ペット可』です。
■ ■
平成元年に、
分不相応な家を建てて、
住宅ローン地獄に陥っていた私は、
平成7年1月に帯広に転勤して、
自分の家を借りていただき、
ローン地獄から
脱出することができました。
世の中何が幸いするかわかりません。
今でも家を貸してくださった
大家さんに感謝してます。
帯広でお借りした家
平成7年4月16日