院長の休日
はたらくお母さん
平成21年12月5日(土)
北海道新聞朝刊『いずみ』への投稿です。
小学校3年生の田代楓花(ふうか)ちゃん、です。
はたらくお母さん
私の家には、お父さんはいません。お母さんが、かんごしの仕事をしながら1人で、私とお兄ちゃんを育ててくれています。
お兄ちゃんは、学校がおわるとサッカー少年団へ行くので、私は、1人でおるすばんをします。外が暗くなると、さみしい気もちになるけど、お母さんが帰ってくるとだっこをしてくれるので、さみしい気もちをわすれます。
私は、お母さんのお手つだいをします。おちゃわんをあらったり、お米をといで、すいはんきのタイマーをおします。ときどき、せんたくものをたたみます。お母さんは「ふうか、ありがとう。ふうかが女の子でたすかるわ」と、ほめてくれます。
私が、ねつをだしても、お母さんは仕事を休めないことがあります。そんな時は、お母さんの病院にいって、ベッドにねています。ベッドにねながらお母さんの仕事をみています。てきぱきと、かんじゃさんにちゅうしゃをしたり、けつあつをはかったりします。
はたらくお母さんをみて私は、「かっこいいなあ」と思います。私は、はたらいているお母さんが大好きです。お母さん、お仕事から帰ってきたら、またいっぱいだっこしてね。毎日、お仕事してくれてありがとう。おつかれさま。私も、しょうらいは、かんごしさんになりたいので、しっかりべんきょうしたいと思います。
田代楓花(9歳・小学3年)=渡島管内
■ ■
私は、楓花(ふうか)ちゃんのような子が大好きです。
2009年10月18日の日記に書いた、
新聞配達の日の
苫小牧市の亀尾優希さん(9)も…
お母さんの新聞配達のお手伝いをしている、
素敵な女の子です。
小さい頃から、
親の苦労を見て育った子は、
立派な大人になります。
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看護師さんの子どもたちは、
院内保育園で一日を過ごし、
大好きなお母さんの帰りを待っています。
私が病院に勤務していた頃…
お母さんの業務が5時で終わらず…
延長保育の時間も過ぎてしまい…
病棟の詰所で…
お母さんの仕事を見ている子がいました。
■ ■
忙しい病院では、
日勤者(にっきんしゃ)の業務が、
5時で終わるどころか…
夜の9時にまでなることもありました。
保育園の子どもたちは、
保育園が終了後…
病棟で…
お母さんの仕事(看護計画や記録)を見ながら、
お菓子を食べて待っていました。
■ ■
駄々をこねることもなく…
お腹がすいたとも言わず…
じっと絵本を読んで待っていました。
クリスマスになると、
その子たちが、
患者さんへプレゼントを渡してくれる、
天使の役割もしてくれました。
今でも懐かしく想い出します。
もう、大人になっていることと思います。
■ ■
働くお母さん看護師さんの多くは、
自分の親に協力してもらって、
子育てと仕事を両立させていました。
朝5時に起きて、
掃除・洗濯をして、
子どものお弁当まで作って、
仕事に来ているお母さん看護師さんもいました。
今は院内保育も改善しているでしょうか…?
でも、子どもが熱を出した時は、
やはりお母さんです。
この辺の就労支援を充実させることが、
国の政策として大切だと思います。