医学講座
とける糸で通院不要
とける糸で縫いますから…
通院は不要です。
抜糸の手間も要りません。
何とも魅力的な言葉です。
遠方から手術に行く場合など、
通院不要で、
簡単に治る
簡単にキレイになれる
と信じてしまうことがあります。
■ ■
だまされないでください!
溶ける糸なんてうそです。
吸収糸と呼ばれる糸があります。
バイクリルという名前の商品名で売られている、
米国製の糸が一番有名です。
専門用語でとける糸は…
吸収糸きゅうしゅうしと呼びます。
とけるのではなく、
分解されて吸収されるだけです。
■ ■
しかも…
分解されて吸収されるまでには…
一ヶ月以上かかります。
分解される…
ということは、
自分の身体が糸を異物と認識するからです。
当然、糸がついている部位では、
炎症が起こり…
キズは赤く硬くなります。
つまりキズは目立ちます。
■ ■
形成外科でも、
とける糸を使います。
表面を縫うときに使うのは、
口の中などの粘膜。
鼻の奥で抜糸が難しい部位。
あとは身体の中の腸管粘膜など…
力がかからない部位に使います。
少しでもキズを残したくない部位…
(顔や瞼など…)
にはとける糸は
絶対に使いません。
■ ■
クリニックにとって…
抜糸の時間や、
通院で経過を診る時間は、
儲からない赤字部門です。
高いお金を取って…
短時間で手術を済ませ…
あとは抜糸も通院も不要というのは、
悪徳美容外科の一つの指標です。
お母さんにも相談できないのが、
性器の手術です。
くれぐれも気をつけてください。