医療問題
保険診療の難しさ…
私は25年近く形成外科医をしてきました。
総合病院の形成外科は保険診療だけで、
自由診療はありませんでした。
婦人科の不妊治療など…
限られた‘治療’は自由診療で行っていました。
先月、
厚生労働省の
北海道厚生局医療指導課による、
集団的指導というのがありました。
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200人近く入るような会場で、
厚労省の担当官と、
医官(医師)による指導がありました。
保険医療機関は、
国からの通達を守って…
保険診療のルール通りに診療をしてください!
という指導です。
実際はスライドを使った講演形式でした。
知り合いの先生もたくさんいらしてました。
偉い先生も来ていました。
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大学の医学部や看護学部でも…
保険診療のルールについての講義はわずかです。
医師国家試験にも…
看護師国家試験にも…
保険診療のルールについては…
ほとんど出ません。
学生はあまり勉強しません。
知らなくてもお医者さんになれます。
でも…
私のように開業して診療をすると、
一番必要に迫られるのが…
保険診療のルールです。
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病院でも研修医を経て…
科長とか医長とか部長になると…
この保険診療のルールが必須科目になります。
ルールを無視して診療はできません。
しっかり勉強して開業しないと、
すぐに倒産の危機となります。
昨日書いた、
悪質な二重請求などは、
保険医取消しとなることもあります。
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美容外科で保険は使えません。
美容目的には使えないとはっきり書かれています。
『わきが』
『眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)』
『授乳障害がある陥没乳頭』は、
病気なので…
保険適応となります。
『わきが』は腋臭症(えきしゅうしょう)という病名になります。
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どの程度の『わきが』だったら…
保険適応になって…
軽度の『わきが』だったらならない…
というのも厳密な規定はありません。
保険医の判断になります。
『わきが』ではない人に、
手術をする医師はいないと思いますが…
世の中には悪い医者もいます。
生涯に悔いを残さないように…
慎重に先生を選んでください。
私は耳垢が湿っていて…
ワキを診察して臭いがすれば
保険適応にしています。