医療問題

医学部定員増2009

 平成21年12月7日(月)、北海道新聞夕刊の記事です。
 医学部定員17人増
 道内10年度、文科省計画
 深刻化する医師不足対策として、文部科学省は12月7日、2010年度の大学医学部の入学定員について、国公私立61大学で計360人増やし、定員総数を過去最多の8,846人とする計画を公表した。私立大分については大学設置・学校法人審議会に諮問し、年内に決定する見通し。国立大は諮問がいらない。
 これにより、道内は北大が7人増の112人、旭川医大が10人増の122人、札幌医大は増員なしの110人で、3大学合計で17人増の344人になる。全国では国立大42校で265人増、公立大6校で25人増、私立大は13校で70人増。
 文科省は増員分について、医師不足に対応するため卒業後の地元勤務を前提に奨学金を出す「地域枠」などを設定。旭川医大は地域枠を活用し、北大は歯学部定員を振り替える。
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 私は、1974年(昭和49年)に札幌医大に入学しました。
 私が入学した年から、入学定員が80人→100名に増えました。
 私は運良く…
 増えた20人の定員増の中に入れたのだと思っています。
 当時の札幌医大には…
 道内出身者を入学定員の90%にするという不文律がありました。
 そうした、‘内規’が当時の文部省にバレて、
 国の補助金で運営している公立大学にふさわしくないという趣旨で
 撤廃されたと聞いています。
 2007年12月21日の日記に書いています。
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 2008年9月7日の日記にも、
 医学部定員増というタイトルの日記があります。
 千葉県の安達智江先生が、
 朝日新聞に投稿した原稿を掲載しています。
 安達先生は医療現場の混乱を指摘されています。
 北海道内の医学部定員を17人増やし、
 日本全国で360人の定員が増えます。
 私はこれで今の医師不足が解消されるとは…
 到底思えません。
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 来春入学した学生が、
 一人前の医師として活躍できるようになるには…
 医学部6年+臨床研修2年(現行制度では)=8年
 +研修期間(数年)で
 最低でも10~15年はかかります。
 私自身のことを考えると
 一人で独立してできるようになったのは、
 卒後10年程度経ってから…?
 だったように記憶しています。
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 医師不足解消の特効薬は、
 医師が働きやすい環境を作ることです。
 意外と盲点になっているのが、
 昨日の日記にも書いた、
 就労支援です。
 私が勤務医だった頃には、
 看護師さんの子どもは…
 院内保育所へ預けられましたが…
 女医さんの子どもは不可でした。
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 多くの働くお母さん先生は、
 無認可の保育所に預けるか…
 自分の親に育ててもらうか…
 高いお金を払って…
 ベビーシッターを頼むか…
 とにかく看護師さん以上に大変でした。
 子どもを預けるのに…
 私の当直料の何倍もかかる…
 と何人もの女医さんがこぼしていました。
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 国のお役人は気付いているのかどうか…?
 その辺は、わかりませんが、
 現在の医学部は、
 30~40%が女子学生です。
 私の頃は…
 せいぜい10%台でした。
 女医さんが増えています。
 結婚して→子どもを産んで→
 安心して働ける環境作りをすると…
 医師不足解消に役立つことは、
 現場の医師なら誰しも気付いています。

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