医療問題
医療事故を防ぐには③
医療事故を起こしにくい先生もいます。
最初はできない人です。
よく叱られた人です。
臆病(おくびょう)な人です。
素直で、
他人の言うことを聞く人です。
チェーン店の美容外科に勤務すると…
最初は…
売上、全国最下位になるような先生です。
■ ■
チェーン店の問題という院長日記を、
2009年12月16日に書きました。
次の文章は私が考えた文です。
美容外科のチェーン店には、
売上目標や売上ノルマがあります。
ないところでも…
利益が出ていないと…
院長の給与はゼロか大幅にダウンします。
不景気になると、
次々と‘閉店’する美容外科もあります。
次の話しは架空の作り話です。
■ ■
この患者さん…
お腹も…
腕も…
太もも全周も…
全部脂肪吸引して…
がっつり根こそぎ
5リットル以上吸引して…
なんて言ってる…
こんなに吸引したらヤバイよなぁ…
■ ■
でも、
これだけ脂肪吸引したら…
250(万円)は取れる…
ローンの審査もパスしている。
今月の売上は低迷…
受付からのプレッシャー
先生、お願いしますぅ♡
悪魔のささやきが聞こえてきて…
■ ■
はいはい、脂肪吸引は簡単ですょ。
眠っている間にすぐ終わりますょ。
2~3日休めば、お仕事もすぐにできますょ。
がっつり根こそぎ脂肪をとりますから…
見違えるように細くなりますょ。
みなさん、していらっしゃいますょ。
心配なんて、いりませんょ。
キズは残りませんょ。
さぁ、手術をしましょう!
■ ■
こんな美容外科は…
実在しないと思いますが…
広告を見ていると、
多少やばいと思っても、
強引に手術をしてしまいそうな…
美容外科も目につきます。
売上が重要なのは、
美容外科チェーン店に限ったことではありません。
大病院の名院長とは…
病院の赤字を減らせる先生のことです。
■ ■
国の医療費抑制政策によって、
どこの病院も疲弊しています。
高齢者が増えた
→医療費増大
財政赤字
→医療費抑制。
→病院の赤字増大。
疲弊したベテラン医師の退職。
という負の連鎖が続いています。
■ ■
最初はできなくて、
よく叱られる人は、
慎重です。
臆病(おくびょう)な人だから
無謀な運転はしません。
素直で、
他人の言うことを聞くので、
しっかり教育すれば、
素晴らしい先生に育ちます。
■ ■
医学部の定員だけを増やしても…
よい先生はできません。
医療事故も減りません。
いくら、
インシデントレポートを書いても、
医療事故は減りません。
大切なのは、
教育だと思います。
どんな業種でも、
事故を防いでよいサービスを提供するには、
まず人を教育することです。
その予算配分が少ないと思います。