医療問題
医療事故を防ぐには⑤
現在の医学教育の中で、
医療事故防止のための専任教員はいません。
私は…
○○大学医学部、
医療事故防止講座主任教授です。
…なんて人は、
日本の医学部には存在しないと思います。
■ ■
医学の特殊性かも知れませんが…
私たち医療関係者が、
医療事故について…
医学論文として…
発表することは極めて稀です。
形成外科関連では、
過去数十年間に数編しか見たことがありません。
■ ■
私はこんな失敗をしました。
…なんてことは人に言いたくありません。
そんなことを発表すると…
開業医は命取りになります。
一般病院や大学病院でも…
患者数が減ります。
誰でも事故を起こした病院は敬遠します。
■ ■
私たちが医療事故のことを知るのは、
同じ病院内であっても稀(まれ)です。
関係者だけの秘密です。
医師賠償責任保険のパンフレットや、
医療事故裁判の判例などで…
こんな事故があったのか?
と知る程度です。
示談や和解になったケースだと、
たとえ死亡事故でも闇の中です。
■ ■
医療事故を防ぐ一番の方法は、
こんな医療事故で患者さんが亡くなったとか、
こんな検査で後遺障害が残ったとか、
そういう情報を、
正確に伝えることです。
仮免許なのに…
いきなり高速道路を200㎞/hで飛ばすような…
無謀な人でも
覆面に捕まっている車を見ると…
スピードを落とします。
■ ■
厚生労働省は、
国の政策として医療事故防止に取り組んでいますが、
私に言わせると…
美容外科の分野では無策です。
レーザーなどの医療機器も、
ヒアルロン酸などの医療材料も、
未承認品だらけです。
使った医師の責任にしています。
どんな事故が起こっているか?
どんな副作用が出ているか?
知るすべがありません。
■ ■
医療事故を防ぐには…
怖さを教えることです。
誰でも…
事故でぐちゃぐちゃになった車を見ると…
怖いと思います。
死亡事故現場という看板を見ると…
スピードを落とします。
この道は人が死んで…
幽霊が出るという評判になれば、
誰でも慎重になります。
怖さを教える教育が…
大切だと思います。