医療問題

医療事故を防ぐには⑤

 現在の医学教育の中で、
 医療事故防止のための専任教員はいません。
 私は…
 ○○大学医学部、
 医療事故防止講座主任教授です。
 …なんて人は、
 日本の医学部には存在しないと思います。
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 医学の特殊性かも知れませんが…
 私たち医療関係者が、
 医療事故について…
 医学論文として…
 発表することは極めて稀です。
 形成外科関連では、
 過去数十年間に数編しか見たことがありません。
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 私はこんな失敗をしました
 …なんてことは人に言いたくありません。
 そんなことを発表すると…
 開業医は命取りになります。
 一般病院や大学病院でも…
 患者数が減ります。
 誰でも事故を起こした病院は敬遠します。
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 私たちが医療事故のことを知るのは、
 同じ病院内であっても稀(まれ)です。
 関係者だけの秘密です。
 医師賠償責任保険のパンフレットや、
 医療事故裁判の判例などで…
 こんな事故があったのか?
 と知る程度です。
 示談や和解になったケースだと、
 たとえ死亡事故でも闇の中です。
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 医療事故を防ぐ一番の方法は、
 こんな医療事故で患者さんが亡くなったとか、
 こんな検査で後遺障害が残ったとか、
 そういう情報を、 
 正確に伝えることです。
 仮免許なのに…
 いきなり高速道路を200㎞/hで飛ばすような…
 無謀な人でも
 覆面に捕まっている車を見ると…
 スピードを落とします。
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 厚生労働省は、
 国の政策として医療事故防止に取り組んでいますが、
 私に言わせると…
 美容外科の分野では無策です。
 レーザーなどの医療機器も、
 ヒアルロン酸などの医療材料も、
 未承認品だらけです。
 使った医師の責任にしています。
 どんな事故が起こっているか?
 どんな副作用が出ているか?
 知るすべがありません。
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 医療事故を防ぐには…
 怖さを教えることです。
 誰でも…
 事故でぐちゃぐちゃになった車を見ると…
 怖いと思います。
 死亡事故現場という看板を見ると…
 スピードを落とします。
 この道は人が死んで…
 幽霊が出るという評判になれば、
 誰でも慎重になります。
 怖さを教える教育が…
 大切だと思います。

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