医学講座
脂腺母斑の手術時期
2013年7月9日の院長日記、
子どもさんの手術時期への追加です。
皮膚科の先生と…
私の考えが一番違うと思われるのが…
脂腺母斑(しせんぼはん)という母斑の手術時期です。
赤ちゃんの時に…
頭に毛が生えていない黄色っぽい部分があるので気づきます。
■ ■
『あれっ…』
『ここだけ毛が生えていない!』
…っとお母さんが気づきます。
皮膚科へ行くと…
『脂腺母斑(しせんぼはん)』という母斑です。
大きくなって局所麻酔で取れるようになったら…
取ったら良いです。
…と説明されることが多いです。
■ ■
大きくなって…
局所麻酔で取れる年齢になって…
形成外科で切除したとします。
頭が大きくなっているので…
どうしても傷が残ります。
頭皮も厚くなっています。
それだけ皮膚の緊張が強くなっています。
どんなに丁寧に手術をしても…
小さい時に受けた手術と比べると…
手術後の傷が目立ちます。
■ ■
脂腺母斑はある程度の年齢(30歳以上が多いです)になると…
基底細胞癌(きていさいぼうがん)という皮膚ガンになることがあります。
悪性度の低い癌ですが…
増殖して大きくなります。
皮膚のできものにもいろいろあります。
癌になる人はまれですが、
大人になると母斑は隆起します。
■ ■
一番困るのが思春期です。
脂腺母斑という名前のように…
思春期になって…
ニキビが目立つ年齢になると…
それまで平坦だった部分が…
脂腺の発達とともに…
盛り上がってくることがあります。
■ ■
頭皮の中に…
昆虫の卵がついたように見える子もいます。
皮膚科の先生に…
大きくなったら…
局所麻酔で取るようにいわれました。
…と形成外科に来られます。
■ ■
思春期に…
頭に傷をつけるのは抵抗があります。
塾や学校で…
なかなか通院できません。
プールもしばらくお休みです。
小さいうちにとっておけばよかった
…とは患者さんには言えません。
■ ■
頭に小さな毛が生えていな部分がある赤ちゃん。
もし脂腺母斑だったら…
医療費が【無料】のうちに手術で取ってください。
子どものうちの方が…
頭皮は薄くて柔らかいです。
皮膚に緊張もかかりにくいので…
傷あとも目立ちにくいです。
おじいさん先生からのアドバイスです。