医学講座
第117回日本美容外科学会(大阪)③
形成外科系の美容外科学会、
JSAPS(じぇいさぷす)に参加する意義は、
こんな副作用がありました、
…という発表があるからです。
今回の学会で一番勉強になったのは…
国際医療福祉大学三田病院形成外科からの発表です。
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酒井成身先生がトップです。
酒井先生は…
陥没乳頭の手術法など…
日本を代表する形成外科医のお一人です。
平成23年7月16日(土)の、
第111回日本美容外科学会では、
陥没乳頭のトラブル症例について教えてくださいました。
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第117回日本美容外科学会(大阪)では、
人工毛植毛後に発生した難治性潰瘍のバリッドチップグラフトでの治療経験を
種子田紘子(たねだひろこ)先生が発表してくださいました。
酒井先生が発言されました。
会場でバリッドチップグラフトをご存知の先生はいらっしゃいますか?
私自身を含めて…
知っている先生はほぼゼロでした。
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酒井先生ご自身も…
若い種子田先生から教えていただいたそうです。
発表された患者さんは、
80代の男性です。
30年以上にわたり…
人工毛を頭部に繰り返し植えられていました。
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基礎疾患がありワーファリンを内服中でした。
出血の可能性がある植皮術などは、
患者さんから拒否されました。
MRSA感染もあって…
治療は困難でした。
種子田先生は…
なるべく侵襲が少ない方法で傷をふさぎました。
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人工毛による植毛。
かつては有名タレントさんを使って、
TV、新聞、地下鉄などで派手に宣伝していました。
薄毛治療の指針【日本皮膚科学会】では、
行わないよう勧められる=Dに分類されました。
残念なことに…
今でも人工毛移植を受けている人がいます。
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自分の毛になるわけではないので、
半永久的に続けなくては頭髪を維持できません。
元気なうちはなんとかなっても…
ワーファリンを内服し…
免疫能が低下するとあっという間に感染症になることがあります。
私は自分の毛を移植することをおすすめします。
美容外科医御用達の植毛医は、
横浜の今川賢一郎先生です。