医学講座
熱傷治療の進歩2021①
今日は2021年10月23日(土)です。
第47回日本熱傷学会2021
…で勉強したことです。
2020年からのcovid-19で、
重症熱傷の患者さんが減ったそうです。
戦争や爆発事故では重傷熱傷の患者さんが出ます。
災害が起きた時のために熱傷治療は大切です。
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私が医師になって40年の間に熱傷治療は変わりました。
昔は身体の半分以上にやけどをすると、
命にかかわると言われてました。
私が幼稚園へ入園する前に、
近所の仲良しだった男の子が亡くなりました。
内科の先生の一人息子でした。
なみひろちゃんという名前でした。
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今だったら救命できていたと思います。
救命救急医のおかげで、
重症熱傷を受傷しても、
患者さんを救命できるようになりました。
特に呼吸循環管理が進歩しました。
昔は大きなやけどをすると、
ハイポボレミックショック
低容量性ショック(循環血液量減少性ショック)
これでおしっこが出なくなり亡くなりました。
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私が医師になった40年前は、
輸液を投与してこれを克服することが主眼でした。
その後で問題になったのが、
焼けてしまった皮膚が感染することでした。
この感染を研究していたのが、
大浦武彦先生、吉田哲憲先生でした。
私は吉田哲憲先生の研究のお手伝いをさせていただきました。
今でも熱傷治療に興味があるのはこのためです。
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2021年の最新熱傷治療では、
深く焼けてしまった皮膚や組織を、
できるだけ早く切除してしまいます。
日本でこの超早期手術を提唱し、
実際に行っていらしたのが、
仲沢弘明先生です。
30年以上前から今の最新の熱傷治療をなさっていらっしゃいました。
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私が市立札幌病院に在籍していた30年前に、
大浦武彦教授から、
あんたもやってみろ
…と言われましたが、
私にはできませんでした。
大浦武彦先生も仲沢弘明先生も、
すばらしい先生だと尊敬しています。
67歳になっても熱傷治療の勉強は役に立ち興味深いことが多いです。