昔の記憶

イオンの自転車屋さんに感謝

 私も奥さんも、
 自転車が好きです。
 古い自転車です。
 大切に乗っています。
 自転車屋さんのおじさんから買いました
      ■         ■
 自転車に乗りました2015
 2015年3月23日の院長日記です。
 昨年は3月23日が初乗りでした。
 今年は少し早く3月17日から乗りました。
 昨年は調子がよかったのに、
 今年は一晩で後輪の空気が抜けました。
      ■         ■
 私の自転車は、
 息子のおふるです。
 もうぼろぼろです。
 昨年と一昨年は、
 ぎこぎこいっていたので、
 油を差しました。
 ぎこぎこ言わなくなりました。
 快適に乗っていました。
      ■         ■
 琴似の自転車屋さんまで行くのは大変なので、
 イオン桑園店の自転車屋さんにお願いしました。
 夜遅くまで、
 若い職人さんが働いています。
 他店で買った自転車なのに、
 親切にみてくださいました。
 ありがたいことです。
      ■         ■
 私:もう古いから(修理は)無理でしょうか?
 イオンの若い職人さん:(ブリジストンの)いい自転車だから修理できますよ。 
 イオンの若い職人さん:修理して乗ってる方も多いですよ。

 ありがたかったです。
 上手に修理をしていただいて、
 新しいタイヤになって快適に走っています。
 昨日は奥さんの自転車が故障しました。
 変速レバーが効きませんでした。
      ■         ■
 奥さんの自転車も、
 イオンの自転車屋さんで修理をしていただきました。
 とっても軽くなった。
 よかった。
 修理費も2000円ちょっとだった。

 ありがたいことです。
 これでしばらく愛着がある自転車に乗れます。
 イオン桑園店の自転車屋さん、
 ありがとうございました。
 感謝しています。
shu

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昔の記憶

親父の人生に学ぶ②

 昨日は親父の火葬から一週間でした。
 仏教では、
 亡くなった日から数えて7日目に営む法要を初七日と呼びます。
 本間家は無宗教なので
 初七日も、
 四十九日もありません。
      ■         ■
 人が亡くなると、
 実にいろいろな手続きがあります。
 私たちは人が亡くなるまでのことはよく知ってます。
 おしっこの量(尿量)が減ってくるとまずい
 SPO2(えすぴーおーつー)が80を切るとまずい
 SPO2経皮的動脈血酸素飽和度
 (指につけて酸素の量を測定する装置です)

      ■         ■
 私は死亡届けを出して、
 火葬許可をもらうのを区役所に行ってしました。
 出生届けは24時間受け付けてくれるので、
 死亡届けも夜間でも大丈夫?と思っていました。
 ところが、
 死亡届けを出して、
 火葬許可をもらうのに時間がかかり、
 夜間はダメなことが行ってみてわかりました。
      ■         ■
 私にとっていい親父だったか?
 うーん。
 いい親父だったんだと思います。
 私が親父に感謝していることはいくつかあります。
 まず人生で役立っているのが、
 法律とか、
 契約書とか、
 裁判所とか、
 公証人とか、
 ふつうの人が知らない知識を自然と身につけてくれました。
       ■         ■
 これには理由があります。
 裁判所というところ
 2009年7月26日の院長日記に書いてあります。
 私の父は、
 私が子どもの頃に、
 自分の叔父と裁判をしていました
 土地の取得をめぐっての裁判でした。
 父親は薬剤師ですが、
 法律を知らないばかりに、
 土地をだまし取られたと…
 私が小学1年生の頃に、
 NHKの大学講座で、
 法律を勉強していました。
      ■         ■
 その父親の影響か?
 私は社会科の中では、
 政治経済が好きでした。
 地理、
 日本史、
 世界史、
 はまったくダメでしたが、
 政治経済だけは、
 札幌西高校でも、
 10段階評価の10でした。
      ■         ■
 私は理系クラスでしたが、
 10段階評価で10を取ったのは、
 現代国語政治経済だけでした。
 英語、
 数学、
 化学、
 生物、
 医学部の受験に必要な科目は…
 残念ながら10は取れませんでした。
 政治経済の担当は平野先生でした。
 物静かで温厚な先生でした。
 東大をご卒業と噂されていました。
      ■         ■
 政治経済が好きだった私でも、
 裁判所のことは知りませんでした。
 裁判が公開の法廷で行われることも、
 何となく知っていましたが、
 実際に行ったことはありませんでした。
 一民間人としては、
 できれば裁判所には行きたくないものです。
 昨年10月8日に、
 弁護士の高橋智先生の日記で教えていただき、
 はじめて医療裁判の傍聴に行きました。
      ■         ■
 裁判所というところは、
 実際に行ってみると、
 案外入りやすいところでした。
 事務的に、
 裁判を処理しているという印象でした。
 法廷は静かなところです。
 傍聴人は、
 椅子に座って黙って聞いています。
 (こう)とか
 (おつ)とか
 (へい)というような、
 あまり聞き慣れない日本語が出てきます。
      ■         ■
 裁判員制度ができて、
 裁判所も一般人を意識しています。
 ただ、
 携帯電話の写メは駄目だそうです。
 法廷内はもちろん、
 携帯は駄目だと思っていました。
 私が注意を受けたのは、
 一階の掲示板のところでした。
 裁判の予定表が、
 大学の学生用掲示板のように、
 紙にプリントされて貼ってありました。
      ■         ■
 法廷を間違えないように…
 写メに撮ろうとして注意されました。
 掲示板にコピーが貼ってあるので、
 部屋番号を忘れないように…
 撮っただけでしたが、
 裁判所内ではカメラは禁止と、
 衛視(ガードマンのような人)に言われました。
 よく見ると
 入口近くに撮影禁止と
 注意が書いてありました。
 
      ■         ■
 親父のおかげで、
 公証人とか、
 公正証書とか、
 不動産に関する知識も身につきました。
 札幌美容形成外科を開業する時に、
 不動産賃貸契約をしました。
 札幌公証人役場に行き、
 元札幌地裁所長の三上英昭先生に
 公正証書を作成していただきました。
      ■         ■
 コンタクトオフビルの建替えについて、
 大同生命と闘うことになりそうです。
 親父のおかげで、
 契約書はしっかり公正証書で作成してあります
 文書もしっかり保存してあります。
 裁判所と聞いても、
 堂々と公開の法廷で争うことに何の不安もありません。
 裁判になったら、
 ぜひ傍聴にいらしてください。
      ■         ■
 それにしても、
 帝国データーバンク
 もう少し私の院長日記を調査していたら、
 解決までに何年もかかるような
 ちっぽけな老朽化したビルを
 購入しなかったのだろうに~
 私はひそかに微笑んでいます。
      ■         ■
 大同生命の山田健さん、
 しっかりと丁寧に説明してください
 虎門中央法律事務所
 弁護士柴田征範さん、
 所長の今井和男さんが著書に書いた、
 テナントリスク】を解決してください
 札幌美容形成外科との退去交渉は、
 建物が老朽化しているから退去せよとの一点張りで、
 一方的かつ強硬であったことから、
 (札幌美容形成外科の)態度は、硬直化しています

20160409

裁判で苦労した親父、晩年は幸せでした

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医学講座

これからの乙武さん_小説家なら不幸ではない

 平成28年4月8日(金)朝日新聞朝刊の記事です。
 (寂聴_残された日々:11)
 これからの乙武さん_小説家なら不幸ではない
 今から17年前の初夏、乙武洋匡さんが後にも先にも一度だけ、京都の私の住み家、寂庵(じゃくあん)へ訪れてくれた。たしか乙武さん、23歳の時だった。早稲田の学生で、すでに「五体不満足」という本を出版して、本は売れに売れ、有名人になっていた。
 その乙武さんと私との対談を、雑誌「現代」が企画した。
 約束の時間通り、現代の長身の編集者が軽々、乙武さんを胸に抱き、門から入ってきた。玄関に入るなり、私の足元へ、軽い荷物を置くように、抱いてきた乙武さんをひょいと置いた。乙武さんは、その瞬間、私の目には、一個のぬいぐるみのように見えた。そのショックで、私はうろたえてしまった。本も読み、写真も見てはいたが、実際に両手、両足のないその人を目撃した瞬間の驚きは、予期以上のものであった。この体で生まれ、早稲田の学生になって、ベストセラーの本を出すまでの歳月、人のしないどれだけの苦労をしてきたかと思うだけで胸がいっぱいになった。
 対談が始まったら、乙武さんは、すがすがしい美形の顔を真っすぐあげ、私の顔を正面から見て、その清潔で深い瞳で私の目を見つめ、質問に即座に期待以上の答えをくれた。
 「障害は不便である。しかし、不幸ではない」
 と、「五体不満足」の本に書かれたヘレン・ケラーの言葉を、彼の口から、きっぱりと、じかに聞くと、その言葉の重みが、格別の感動を呼びおこすのであった。彼以上の苦しみに耐えて、ここまで爽やかな人間に育てあげた母なる人の、精神の強さと聡明(そうめい)さに、改めて感動した。
 *
 会ったのはその時だけだったが、その後の乙武さんの動きや噂(うわさ)を他人事(ひとごと)ならず注意していた。結婚したと聞いた時も、教育者になったと聞いた時も、子供が次々生まれたというニュースも、自分の肉親の慶事のように嬉(うれ)しかった。
 ずっと陰ながら好意を抱きつづけ、その幸福を祈っていた乙武さんが、突然、不倫の不行跡をあばかれ、週刊誌に書きたてられ、マスコミに非難されている。
 まさか夏の参院選に向け、自民党で立候補するなど思いもかけなかったが、さすがにそれは取りやめた。
 これから生きのびるには、小説家になるしかないのでは。小説家は不倫をしようが、色好みの札つきになろうが、その恥を書きちらして金を稼いでもどこからも文句は言われないよ。
 ◆作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんによるエッセーです。原則、毎月第2金曜日に掲載します。
20160408
 

(以上、朝日新聞より引用)

      ■         ■
 うちの奥さんがTVの報道を見て怒っていました。
 がっかりした、
 残念だ、
 選挙はダメだわ。
 女の人は投票しないわ。

 お怒りはごもっともです。
 知り合いの女性も、
 がっかりしたと話していました。
      ■         ■
 私は2012年9月に開催された、
 第4回世界創傷治癒学会連合会議で、
 乙武洋匡(おとたけひろただ)さんの特別講演をお聴きしました。
 感動しました。
 とてもよいお話しでした。
 今回の報道を残念に思っています。
      ■         ■
 こんなことを院長日記に書くと、
 さくらんぼさんからも
 なっちゅんさんからも
 お叱りを受けることは覚悟の上です。
 男性としての正直な感想は、
 五体不満足でも
 あっちの方は不満足じゃなかったんだ。

      ■         ■
 この報道を見て、
 俺でもできるかも?
 俺でも大丈夫かも?
という、
 身体にハンディを持った男性がいると思います。
 女性にはわからないと思います。
 不倫は悪いことです。
 奥さんや子供さんがいるのにダメです。
      ■         ■
 米国大統領だって、
 不倫で大きく報道されたことがあります。
 女性の生理と同じで、
 男性には精液がたまってきます。
 たまってくると、
 放出したくなります。
 放出の仕方を誤ると、
 こんなことになります。
      ■         ■
 私は風俗には行きません
 でも世の中には風俗が好きな男もいます。
 風俗で働く女性もいます。
 風俗には、
 身体にハンディを持った男性も行くそうです。
 そんな男性にも、
 サービスを提供してくれるそうです。
      ■         ■
 私の札幌医大の先輩、
 故_渡辺淳一先生は
 不倫を題材にした小説も、
 たくさんの女性とお付き合いをしたことも、
 小説に書かれました。
 乙武さんには、
 瀬戸内寂聴さんのお言葉のように、
 また活躍していただきたいと願っています。
 青少年に勇気と夢を与えるような仕事をしてほしいです。
 ぜひ名誉挽回をお願いします。

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医学講座

医師個人が訴えられます

 昨日の院長日記、
 脂肪吸引の医療事故2016を、
 若い先生に是非読んでいただきたいです。
 なんちゃって美容外科医の先生、
 事故を起こしても、
 病院が賠償してくれるから大丈夫

 …なんて思わないでください。
      ■         ■
 佐賀県弁護士会の福島和代先生が書かれています。
 6 訴訟、美容外科の倒産
 美容外科を被告として訴訟を提起しましたが、
 訴訟継続中に、美容外科を経営していた医療法人が倒産してしまいました。
 このまま逃がしてはならんと思い
 担当医師を被告に追加して訴訟を継続し、
 担当医師から慰謝料を支払ってもらうことで和解しました。

      ■         ■
 安心の大手美容外科
 年俸2800万円で入職した若い先生、
 事故を起こしても、
 病院が賠償してくれるから大丈夫

 …だと思って、
 2年先輩の、
 なんちゃって美容外科医から指導されたように、
 脂肪吸引をして、
 もし脂肪塞栓で患者さんの呼吸が止まったら、
 医師個人としての責任を問われます
      ■         ■
 スキーバスの運転手さんが、
 事故を起こして、
 乗客が亡くなったら責任を問われるのと同じです。
 せっかく苦労して手に入れた医師免許証です。
 医療事故を起こして、
 裁判所に行くようなことはしないでください。
 どんなに謝ったところで、
 患者さんが亡くなったら、
 患者さんの親や家族は許してくれません。
      ■         ■
 自分が施術した美容医療で、
 患者さんが亡くなったり、
 失明したりすると、
 一生後悔します。
 年俸2800万円にひかれて、
 美容外科に入職したものの、
 こんなことしていいのか?
 …と悩むのが普通の心を持った医師です。
      ■         ■
 もし事故を起こしてしまったら、
 なんちゃって美容外科医でも、
 一生後悔します。
 苦労して仕送りをした親が悲しみます
 事故を起こしたということが、
 一生自分の身と心から離れなくなります。
 開院以来死亡事故ゼロ
 大きくHPに書いてあった美容外科から、
 開院以来死亡事故ゼロが消えました
 医師個人の責任は経済的にも精神的にも重いです

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医学講座

脂肪吸引の医療事故2016

 弁護士の高橋智先生から教えていただいた、
 医療事故情報センターニュースです。
 全国の医療機関や医育機関に購読していただきたい、
 とても有意義な情報が満載です
 今月号の記事をご紹介します。
 一年間でたった3240円です。
 これで不幸な医療事故が減ります
      ■         ■
 センターニュース
 2016年4月1日発行 N0.337(5)
 弁護士リレーエッセイ
 福島和代(佐賀県弁護士会)
 美容医療過誤事件について

1 はじめに
 私は55期で佐賀県弁護士会所属です。佐賀に登録して間もない頃、たまたま受けた医療過誤事件について相談させていただいたのをきっかけに、九州・山ロ医療問題研究会に登録させてもらいました。医療過誤事件で分らないことがあると医療研の先生方にいつも質問させて頂いております。医療研のみなさまには、いつも有益かつ的確なアドバイスをいただき、ありがとうございます。
2 美容医療トラブルの相談
 私は、医療研佐賀支部所属ということで、傷病等をきっかけにした医療過誤事件も受けますが、その他にも、消費生活センター等で、美容医療トラブルの相談を受けることがあります。美容医療に関する被害は、医療過誤というより消費者被害に近い側面があり、やってみてびっくりするようなことが沢山ありました。私が過去に受任した脂肪吸引の医療過誤事件についてご報告させて頂きます。
3 被害者のきっかけ、勧誘
 本件の被害者は、友人と一緒に女性雑誌の広告を見て、この美容外科に電話をしたのが事件のきっかけでした。広告では、脂肪吸引手術の施術前の太った写真、施術後のマネキンのように痩せた写真が並べられていたそうです。被害者は来院して医師から無料カウンセリングを受けたものの、それは、太腿を指して「この辺が痩せられる」等の説明で、脂肪吸引手術の危険性についての説明はなく、手術から3日でデスクワークには戻れると言われたそうです。
 医師のカウンセリングの後にはカウンセラーと称する女性スタッフ(看護師、臨床心理土等の資格職ではない、受付の人)から、さらに勧誘を受け続け、腕のよい医師、最新の設備、アフターフォローは万全との説明を受けて、被害者は脂肪吸引手術を受ける契約をしました。代金は90万円以上しましたが、美容外科にはクレジット契約書も用意してあり、その場でクレジットの申込も出来ました。
4 脂肪吸引手術とその後
 被害者は、午前10時から午後5時くらいまで、約7時間かかって脂肪吸引手術を受け(複数の患者の手術を同時に行っていたようです。)、終わった後には手術と硬膜外麻酔の影響で痛みと吐き気がありました。しかし、その美容外科は外来診療のみで入院設備がなく、診療時間が終わると病院にも居られず、被害者は、友人の運転で、途中で嘔吐しながら帰宅しました。
 脂肪吸引手術後は、両脚全体に浮腫が起こり、1ヶ月位は靴もまともに履けませんでした。浮腫のために膝は3ヶ月くらい曲がらなかったそうです。
 本件の被害者は、脂肪吸引手術の後に起こる浮腫以外に、吸引手術後の処置がまずく、固定していたテープが皮膚に直接貼られていて、そこがラテックスアレルギーを起し、さらに炎症して感染症を起し、化膿して、皮膚が剥がれてしまいました。
 被害者が電話で相談しても、その美容外科は、被害者に来院を指示せず、診察もせずに、抗生物質と軟膏を郵送しました。医師の検診は手術の1週間後でした。検診までの間は、自分で施術箇所を消毒するのですが、患者が自分で感染症の管理をするのは難しいと思います。 1週間後の検診で、普通の医療機関に転院するように勧めてくれればよかったのですが、医師は、抜糸して、抗生物質と軟膏を処方し、3週間後の来院を指示しました。次の受診までの間も、自分で消毒しなければなりません。 しかし、傷口はどんどん広がり、深くなり、潰瘍になって、膿がとめどなく出て、褥創のようになり、被害者は微熱が続きました。
 被害者は電話で相談しましたが、来院の指示も、転院の指示もありませんでした。3週間後の受診で、被害者はMRSAに感染していることが分りましたが、次の受診はさらに1ヶ月後で、その間、自分で消毒して、薬を塗り続けました。
 脂肪吸引手術から2ヶ月後、被害者の左右の太腿の大きさが異なっていること、潰瘍がひどくなり、褥創みたいになっていることを訴えました。結局、時間の経過とともに傷口が大きな痕になってしまったので、目立たないようにする治療を受けましたが、あまり効果はありませんでした。アフターフォローは万全という説明でしたが、美容医療で実際に事故が起きてしまうと、なす術がないのだと思います。
5 受任、協力医師への相談
 私は被害者から相談を受け、本件を受任し、協力してくださる医師に相談に行きました。2名の医師に、それぞれ別の機会に相談に行きましたが、どちらの医師も普通の内科・医師で、被害自体にあきれられてしまいました。こんなの医療じゃないと半ばお怒りで、「この診療経過のどの辺が問題でしょうか?」という私のとんちんかんな質問に対して、「そもそも脂肪吸引なんてすることがおかしい、脂肪って、ゆらゆら浮いているものじゃないんだよ、筋肉と皮膚の間に脂肪があって、がっちり組織が繋がっているのに、脂肪吸引なんかしたら、中の組織は、皮膚と筋肉の間が離れちゃって、ぐちゃぐちゃになってしまうんだよ!]と、脂肪吸引がいかに危険か力説されてしまいました。また、「これで90万も取るの!」と、私が事案を説明すればするほど憤りが高まられ、普通の内科医師からすると、脂肪吸引をする医者も、受ける患者も、どっちも理解できないという感じでした。私としては感染症になったことについて何か意見をもらえればと思ったのですが、医師から意見書をもらうような事案ではないと判断し、訴訟提起をしました。
6 訴訟、美容外科の倒産
 美容外科を被告として訴訟を提起しましたが、訴訟継続中に、美容外科を経営していた医療法人が倒産してしまいました。 このまま逃がしてはならんと思い、担当医師を被告に追加して訴訟を継続し、担当医師から慰謝料を支払ってもらうことで和解しました。
7 事件を終えて
 被害の程度からすると、本件の慰謝料は低かったように思います。しかし、美容医療の場合、後遺障害の等級でいうと低めに出てしまうため、なかなか損害額の認定が高額になりません。
 私が事件を担当して思うのは、美容医療過誤の被害は作られている面があるということです。非常に危険でも、その説明を十分に行わずに、脂肪吸引等の美容医療の広告、勧誘が行われているケースを見ます。普通の医師の常識的な立場から、きちんと危険性の説明を受ければ、脂肪吸引などの美容整形手術を受ける人はかなり少ないのではないでしょうか?
 また、実際に被害に遭っても、後ろめたさ、恥ずかしさで外部に相談できず、被害を受けた美容外科の医師に頼ってしまい、他の医療機関に繋がらないケースも多いと感じます。まして弁護士に相談されない方も多いでしょうし、相談を受けても受任にまで至らない方は多いです。本件では、被害に遭ってもその美容外科に通い続け、弁護士に相談した時には、被害から相当の時間が経過していました。なんとか解決まで辿り着きましたが、被害者が被害を受けた美容外科に通い続け、囲い込まれてそのまま泣き寝入りのパターンは相当あるのではないかと思います。正確な情報を発信して被害を減らす取組が必要だと感じました。
(以上、センターニュースから引用)

      ■         ■
 同業者として残念な事件です。
 この医療事故情報センターニュースで掲載されなければ、
 美容外科に従事する医師に知られることもなかったと思います。
 私の正直な感想は、
 被害者の女性が、
 【死ななくてよかった
 【生きていてよかった
 です。
      ■         ■
 脂肪吸引のトラブル
 2007年5月15日の院長日記です。
 PRSという米国形成外科学会雑誌に掲載された学術論文です
 大手美容外科(倒産しました)で起こった事故です
 感染症で命を落とす寸前でした。
 救ってくださったのは、
 北大形成外科の先輩です。
 現在は武蔵野赤十字病院形成外科にいらっしゃる、
 梅田整(うめだただし)先生です。
      ■         ■
 弁護士の福島和代先生が書かれているように、
 脂肪吸引手術の危険性についての説明はなく
 手術から3日でデスクワークには戻れる
 医師のカウンセリングの後には
 カウンセラーと称する女性スタッフ
 (看護師、臨床心理土等の資格職ではない、受付の人)から、
 さらに勧誘を受け続け
 腕のよい医師、最新の設備、アフターフォローは万全との説明を受けて、
 被害者は脂肪吸引手術を受ける契約をしました

      ■         ■
 こんな美容外科は日本中にたくさんあります
 厚生労働省も、
 消費者庁も、
 マスコミも、
 積極的に摘発しようとはしていません。
 私が昨年4月に京都で開催された第58回日本形成外科学会で
 厚生労働省、医政局総務課医療安全推進室長
 厚生労働省医療安全推進官
 大坪寛子先生に質問しました。
 残念なことですが、
 派手なCMでだまされる女性は現在でもいます。
 不幸な事故が無くなる日が来ることを祈っています。
 この問題を書いてくださった、
 佐賀県弁護士会の福島和代先生に感謝いたします。

Plastic and Reconstructive Surgery,Vol.106p204,2000より引用

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医学講座

オプションをすすめる美容外科は避けて

 昨日の院長日記、
 目の手術は眠る麻酔を避けてください
 オプションであんしん麻酔をつけた結果、
 安心麻酔で眠っていたので、
 挙筋腱膜の微調整ができませんでした。
 麻酔だけで5万円もしたのに、
 不満足な結果】でした
 経験を積んだ形成外科医は目の手術は眠ってる間にはしません
      ■         ■
 そもそも、
 病院の治療に高額のオプションは変です。
 【オプション】は車を買う時とか、
 病院の差額ベッド、
 飛行機のファーストクラス、
 せいぜいこんなものです。
 私はオプションをすすめる美容外科は危険だと思います
      ■         ■
 ネットの広告には
 7350円からはじめる二重整形
 大切なのはクリニック選びです

 …とか書いてあるのに、
 実際に行ってみると、
 あなたの目は埋没法では取れます
 ベテランの受付さんから
 高額の手術をすすめられます
      ■         ■
 残念なことですが、
 信じてはいけない美容外科がたくさんあります
 営利目的なのです。
 相談無料
 集客のための手口です。
 よろこぶのは患者さんではなくて、
 歩合給が増えた受付さんです
20160306-12koma

瞼板法

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二重・眼瞼下垂

目の手術は眠る麻酔を避けてください

 他院で全切開の手術を、
 あんしん麻酔で受けたという患者さんの修正手術をすることがあります。
 目の手術は難しいです。
 私が手術をしても、
 左右差が残ることがあります
 再手術になることもあります
 できるだけ満足していただけるように、
 日々努力しています。
      ■         ■
 他院で【全切開】をすすめられる患者さんには、
 眼瞼下垂症の人がかなりの割合でいます
 眼瞼下垂症の人は、
 単純に【切って縫う】だけの手術では、
 目が開くようになりません。
 きれいな二重にもなりません。
 睫毛の根元が見えるような目にもなりません。
      ■         ■
 眼瞼下垂症という言葉を出すと、
 おりこうな患者さんはネットで検索して、
 札幌美容形成外科のような保険が使えるクリニックに逃げてしまいます
 ですから、
 大手美容外科では【眼瞼下垂症】だとわかっても、
 がんけんかすいも言わないところがあります。
 眼瞼下垂症手術は切る手術です。
 『切る手術』がこわいという患者さんには、
 オプションであんしん麻酔をつけます。
      ■         ■
 看護師さんが、
 1、2、3と数えてと言ったら、
 眠ってしまいました。
 目が覚めかけると先生が縫っていました。
 こんな患者さんが来院されます。
 【全切開】でできた二重を、
 手術中に確認することもなく、
 あとは抜糸でおしまいです。
      ■         ■
 手術直後に見た時から、
 左右差があったそうです。
 手術中に確認しないなんちゃっての若い先生は、
 そのうち気にならなくなります
 『時間がたてば気にならなくなります
 
 …しか言えません。
 左右差ができた原因がわからないのです。
      ■         ■
 実は、
 もともと挙筋機能の差があったのです。
 私たち経験を積んだ形成外科医は、
 手術中に目を開いてもらって、
 挙筋腱膜の微調整をします。
 これは意識があって、
 目を開くことができなければできません。
 オプションのあんしん麻酔で眠っていては、
 この微調整ができません。
 目の手術ではオプションのあんしん麻酔はつけないでください。
 麻酔だけで5万円もするらしいです。
 札幌美容形成外科では5万円で眼瞼下垂症手術が受けられます。
 TVのCMにだまされないでください
 

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昔の記憶

親父の人生に学ぶ①

 私の父にお悔やみのお言葉をいただきありがとうございました
 いい人生だったと思います。
 大正15年生まれの男性は、
 第二次世界大戦でたくさんの方が命をなくしました。
 うちの親父は徴兵されるのが嫌で、
 札幌工業高校木材工芸科から、
 東北薬学専門学校に進学しました
      ■         ■
 戦争が無ければ、
 家具職人にでもなっていたのでしょうか?
 札幌工業高校の卒業制作では、
 茶箪笥ちゃだんす(今の食器棚)を制作したそうです。
 私が子供の頃には、
 家に親父が作ったという茶箪笥がありました。
 薬剤師を選んだのは、 
 父親の姉が薬剤師になったことも影響していると思います。
      ■         ■
 私が医師になったのは、
 小さい頃から周囲にお医者さんの家族が多かったこと
 父親が病院勤務をしていたことも影響しています。
 でも、
 小さい頃の私は注射が大嫌い。
 血を見るのはこわく、
 死とか、
 お墓とかは、
 背筋がぞっとしていました
      ■         ■
 それが今では、
 毎日注射をして、
 毎日血を見て、
 親父の火葬場では、
 折れた大腿骨の部位や、
 骨折の固定に使った金属を親戚に説明しました。
 子供の頃からは想像もできませんでした。
      ■         ■
 親父の90年の人生は、
 いい人生だったと思います。
 薬剤師は定年を過ぎてからもやっていました。
 私の記憶が正しければ、
 80歳を過ぎてからも、
 調剤薬局のピンチヒッターとして、
 北見まで出張していたこともありました。
 親父は薬剤師が好きでした。
      ■         ■
 下の写真は、
 定年後に働かせていただいた病院です。
 薬局の本間先生は、
 病院の職員から頼りにされていたようです。
 昔の人なので、
 若い薬剤師さんができないことも、
 ひょひょいとやっていたようです。
      ■         ■
 内科の先生から、
 肝臓に注射する、
 無水エタノールを滅菌してほしいと頼まれた。
 作ったらたいした喜ばれた(北海道弁でとてもよろこばれたの意)。

 私が想像するに、
 製品として滅菌された無水エタノールが販売される前のことだと思います。
 肝臓癌にエタノールを注射して治療する方法です。
 私が学生の頃にはありませんでした。
 昔の知恵が生きたのだと思います。
      ■         ■
 今年1月に市立札幌病院に入院させていただいた時に、
 看護師さんから、
 今日の治療薬という本をお借りして、
 病室で読んでいたのには驚きました。
 眼鏡なしで、
 小さな字を読んでいました。
 私も親父を見習って、
 70歳を過ぎても、
 診療を続けたいと思います。
 親父がお世話になったみなさま、
 ほんとうにありがとうございました。 
20160403

一番うれしそうな写真です
故人に免じて無断で掲載させていただくことをお許しください

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医学講座

平成28年診療報酬改定_腋窩多汗症注射

 平成28年4月1日から、
 重度原発性腋窩多汗症の注射実施料が新設されました
 【注射実施料】
 G017_腋窩多汗症注射(片側につき)200点
 2012年11月に保険適応になってから、
 ずっと
 G000_皮内、皮下及び筋肉内注射(一回につき)18点
 18点だったのが200点になりました。
      ■         ■
 多汗症ボトックス注射料180円で苦労していました。
 わき汗ボトックス注射をはじめてから、
 医療法人札幌美容形成外科は
 赤字決算
 になりました。
 役員報酬引下
 …でようやく黒字決算になりました。
      ■         ■
 両側で180円だったのが、
 両側で4000円になりました。
 それじゃぁ~
 先生4000円も値上げになっちゃうの?

 ご心配はごもっともです。
 4,000円も上がりません。
 薬価というボトックスの価格が、
 87,536円から84,241円に下がりました。
 3,295円クスリ代が安くなりました
      ■         ■
 値上がり分は、
 【注射実施料】
 4,000円-180円=3,820円です。
 値下げ分が、
 【薬価】
 87,536円-84,241円=3,295円
 【実質値上
 3,820円-3,295円=525円です。
 3割負担の方で160円
 1割負担の方で60円です。
      ■         ■ 
 申し訳ございませんが、
 4月からボトックスの注射料金が、
 160円増えています
 世界一高いボトックスの薬価や、
 ジェネリック品が増えると
 もっと安くできると思います。
 私は自己負担が1万円以内だったら、
 患者さんに優しい医療政策だと思います。
 みなさまのご理解をお願いいたします。
ボトックスの作用と仕組み

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昔の記憶

本間寛90歳_死去

 突然のお知らせで申し訳ございません。
 私の父、本間寛ほんまゆたかが、
 平成28年3月29日(火)午後0:49に亡くなりました。
 謹んでご報告申し上げます。
 葬儀は、
 家族葬で行いました。
 お知らせが遅れたことをお許しください。
      ■         ■
 【傷病経過】
・平成27年12月26日 自宅で尻もちをついて受傷。
・平成28年1月4日 小規模多機能ホームほくおう花に入所させていただき、ケアマネの吉木さんに左大腿骨の異常を見つけていただく。
・平成28年1月5日 中央区の整形外科病院で左大腿骨頚部骨折の診断。ワーファリン内服と腎機能低下で大きな病院でないと手術はできないと説明される。
・平成28年1月6日 市立札幌病院整形外科に転院(主治医:山中康裕先生)
・平成28年1月13日 市立札幌病院で手術をしていただき成功
・平成28年1月28日 イムス札幌内科リハビリテーション病院に転院(主治医:副院長 西森博之先生)
・平成28年3月4日 満90歳の誕生日を元気で迎える。病院からいただいた誕生祝いのケーキを美味しいと食べる。
・平成28年3月24日 下痢で低K血症になった後に間質性肺炎を発症(原因不明)
・平成28年3月29日午後0:49、90年の生涯を閉じる(次男、本間由文、本間瑞子が付き添う)本間賢一はiPhoneのFaceTimeで札幌美容形成外科から直前まで話しかける。
 本間瑞子が『じいちゃんがんばりなさい』というのを私が『もうそんなにがんばらなくてもいいよ』とFaceTimeで話しかけたところ3回息をして呼吸停止となった。幸せな最期でした。
 イムス札幌内科リハビリテーション病院副院長の西森博之先生には、最後まで懸命な治療をしていただきました。心から感謝しています。お世話になった2病棟のみなさん、リハビリの先生ありがとうございました。大腿骨頚部骨折の手術後1ヶ月で100mも歩けたとよろこんでいました。
      ■         ■
 葬儀はやわらぎ北円山別邸で行いました。
 お坊さんも牧師さんもいない無宗教です。
 お経の代わりに孫4人がおじいちゃんにお別れの言葉を述べました。
 故人の人生をセピア色のアルバムから写真を取り出してDVDで流しました
 わがままな葬儀をお引き受けくださった
 やわらぎ北円山別邸の皆様、
 司会の鈴木様に心から御礼を申し上げます。
 いいお葬式でした。
 じいちゃんは天国で喜んでいると思います。
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20160401-4

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