医学講座

大同生命からの文書

 平成28年1月9日、次の文書が大同生命から届きました。
 簡易書留です。
 コンタクトオフビル建替に関するご通知
 拝啓 平素は、当ビルの運営管理にご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、当ビルは竣工から既に54年が経過し老朽化が進むとともに、昨今の新築ビルと比較し耐震面や防災面等をはじめとする建物基本性能が著しく劣後してきております。
 今後は、札幌駅前通の発展のため、当ビルにつきましても、大同生命保険株式会社に売却したうえで建替えを計画中の札幌大同生命ビルと一体で建替えを行うことが最良との判断に至りましたので、この旨、本書をもってご通知申し上げます。
 本件の詳細説明については、今後、大同生命保険株式会社から行いますのでよろしくお願い申し上げます。
 敬具
 コンタクトオフ株式会社
 代表取締役 柳 寛史
      ■         ■
 拝啓 貴社におかれましては、ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
 コンタクトオフビルの老朽化等への対応策について、コンタクトオフ株式会社様と協議し、また、専門家を交え検討しましたところ、上記のとおり、同ビルを購入のうえ札幌大同生命ビルと一体で建替えを行うこととなりましたのでご通知申し上げます。
 本件の詳細につきましては、近日中にご説明させて頂く所存でおりますが、お問い合わせ等がおありの場合には、今後、下記の照会先までご連絡を頂きたくお願い申し上げます。
 敬具
 大同生命保険株式会社
 代表取締役 工藤 稔
      ■         ■
 本件に関する照会先
 〒103-6031 東京都中央区日本橋2丁目7番1号
 大同生命保険株式会社 不動産部 担当:山田、野原
 連絡先:TEL 03-3272-6335 携帯 080-1494-9989
 FAX 03-3272-6577

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      ■         ■
 簡単な文書です。
 立退き交渉というのは、
 とても厄介なものです。
 私たちはこのビルで医療や営業をし、
 サービスを提供して生計を立てています

 私は院長ですが、
 従業員もいます。
 患者さんもいます。
 こんな医者でも頼って通ってくださる患者さんがいます。
 開業11年で1万人を超えています
      ■         ■
 コンタクトオフビルには、
 美容室もネイルサロンも、
 リラクゼーションのお店もあります。
 はっきり言って、
 大同生命は交渉の仕方が超下手です
 こんな文書を送られると、
 大同生命からの宣戦布告に聞こえます。
 俺は大金持ちの大同生命だ
 おんぼろのお前のビルを買ったぞ
 建て直すから出て行け

      ■         ■
 大同生命HPに社長さんの言葉が載っています。
 当社は、より多くの企業経営者・個人事業主のみなさまを様々なリスクからお守りするため、経営者を取り巻く環境変化等を踏まえた商品の開発・お客さまサービスの向上に取組んでおります。
 代表取締役社長 工藤 稔

大同生命社長_工藤稔
 大同生命は中小企業の味方らしいです。
 社長さんに伺いたいです、
 半年で出て行けと言われても、
 私たちはどこで営業をすればいいのですか?
 お客さんには何と説明すればいいのですか?
 コンタクトオフビルの店子はみんな困っています

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医学講座

大同生命のリスク

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 2016年6月20日HTB北海道テレビの番組、
 イチオシ!
 どう変わる札幌中心部再開で取材を受けました。
 YouTubeでご覧いただけます
      ■         ■
 新国立競技場の設計変更で有名になったように、
 建物の設計変更には多額の費用がかかります。
 大同生命札幌ビルの改築計画は、
 2014年12月27日の北海道建設新聞に掲載されています
 大同生命が札幌ビル建て替えを計画
 -規模などは今後の調査で-
 大同生命保険(本社・大阪)が、札幌市中心部にある「札幌大同生命ビル」の建て替えを計画していることが26日までに分かった。今後、新たなビルの規模を決める市場調査に入り、設計作業を経て現ビルの解体に取り掛かる。越山ビルディングズと富国生命保険による再開発に次ぐ、都心部の大型建設事業となる見通しだ。
 札幌駅前通に面する札幌市中央区北3条西3丁目1の現ビルを解体し、跡地に新たなビルを建てる方向で検討している。現ビルはSRC造、地下2地上15階、延べ約1万3300m²。地下1階に飲食店、1、2階と5階から12階に同社北海道支社などのオフィスが入る。建築家の黒川紀章氏が設計したことで知られている。
 築39年が経過し老朽化していることから建て替えを計画。同社では「建て替える方針だが、新たなビルの規模や工事の開始時期など詳細はまだ決まっていない」(東京本社広報課)と話している。
 現ビルの周辺は近年、オフィス街としての色合いを強めている。南側の北2条西3丁目では、越山ビルと札幌フコク生命駅前通ビル、札幌ビルディングの再開発事業が進み、2017年春にオフィス、商業の両機能を持った新たなビルがオープンする。駅前通を挟んで向かい側には、日本生命札幌ビルと札幌三井JPビルディングが並んで立っている。
 (以上、北海道建設新聞より引用)

      ■         ■
 北海道新聞には2015年7月1日に掲載されています。
 大同生命ビル建て替え 札幌駅前通、2019年秋にも完成
 大同生命保険(大阪市)は、札幌市中央区北3西3の札幌駅前通沿いにある札幌大同生命ビルを建て替え、2019年秋にも完成させる。オフィスビルとして使う計画だが、ビルの解体時期、新ビルの規模、総事業費などは決まっていない。周辺では1972年の札幌五輪前後に建設された高層ビルの建て替えなど再開発が進む。
 現在のビルは1975年8月に完成し、地下2階、地上12階建て。鉄骨鉄筋コンクリート延べ床面積約1万3600平方メートル。建築家の故黒川紀章氏が設計したことで知られ、飲食店やオフィス、ギャラリーなどとして活用してきた。
 同社はビルの老朽化に加え、耐震性の強化や災害時の電力供給能力を高めるため、建て替えを決めたという。テナントには既に昨年夏ごろ、建て替えの方針を示し、順次退去が進んでいる。同社は「市外に本社がある企業の誘致も進め、地域に貢献していく」としている。
 ビル周辺では、2006年9月に日本生命札幌ビル(北3西4)、2014年8月には商業施設兼オフィスの札幌三井JPビルディング(北2西4)が開業した。築50年前後の越山ビル(北2西3)など計3棟の建て替え工事も進み、2016年度中に「札幌駅前通共同ビル」(仮称)が完成予定だ。

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(以上、北海道新聞より引用)

      ■         ■
 私がお隣の大同生命ビル建て替えの話しを耳にしたのは、
 今から2年くらい前だったと記憶しています。
 最初の計画では、
 現在の大同生命札幌ビルと隣接する駐車場を取り壊し、
 新しいビルを建設する設計だったと考えます。
 昨年11月までは、
 雪印パーラーが入居しているこのビルを、
 大同生命が取得して取り壊すなど、
 聞いたことがありませんでした。
      ■         ■
 どのような経緯で、
 このコンタクトオフビルを取得することになったのか?
 これからしっかり山田健さんが説明してくれると思います
 国立競技場の建設は、
 2020年の東京オリンピックに間に合わせる必要があります。
 2019年9月のラグビーW杯は微妙とも言われています。
 設計変更のためです。
      ■         ■
 大同生命札幌ビルは、
 2019年秋竣工予定です。
 あと3年半しかありません
 この古いビルを取得したことによって、
 竣工が1年延びると、
 100億円を超える大型プロジェクトが打撃を受けます。
 帝国データーバンクがどんな報告をしたのかわかりませんが、
 札幌美容形成外科の
 移転→仮店舗→新築ビルへの入居は大変です
      ■         ■
 私は現在地での診療にこだわりますので、
 建設期間中の仮店舗による診療後は、
 当然、新しいビルに入居することを主張します。
 なんと言っても、
 思い出の場所です
 下の雪印パーラーさんも、
 創業地である現在地での営業継続を主張されると思います。
      ■         ■
 大変なのが代替地です。
 ビルの条件という、
 2007年6月29日の院長日記に書いてあります。
 天井高2800
 個別空調
 スプリンクラー工事
 24時間出入り可能
 給排水工事
 麻酔余剰ガス
 ガス滅菌機の排気

 簡単にビルは見つかりません。
      ■         ■
 札幌美容形成外科一軒でも立退きが遅れると、
 100億円を超える大プロジェクトが、
 年単位で遅れます。
 大通り公園にある、
 明治安田生命札幌大通ビルは、
 建替えが決まってから、
 竣工まで10年近くかかりました
 私が大同生命の株主だったら、
 竣工が何年も遅れると、
 株主総会で追及すると思います。
 大同生命がリスクをかけて、
 この古いビルを取得した理由が読めません。
 この院長日記をコピペして、
 ぜひ会議資料や稟議書につけてください
 山田健さんよろしくお願いします

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医学講座

立退料と税金

 昨日の院長日記、
 ビル建替え2016FBにUPしたところ
 多数のいいねや、
 激励のお言葉をいただきました。
 ほんとうにありがとうございます。
 正直なところ、
 大同生命不動産部の03-3272-6335*3605の電話番号、
 宅建の資格をお持ちの山田健さんのお名前を公開することには、
 ちょっと迷いました。
      ■         ■
 私が入居しているコンタクトオフビルには、
 美容室やネイルサロンなどが入居しています。
 残念なことですが、
 他のテナントさんの中には、
 このビル建替え2016をご存知ないところもありました。
 ふだん階段で顔を合わせている美容師さんから、
 情報をありがとうございますと感謝されました。
      ■         ■
 今の時代、
 正しい情報を正確に伝えることが一番大切だと思います。
 私は不審な電話があった時には、
 必ずネットで番号を調べて対応しています。
 よく不動産業者から営業の電話があります
 かなり迷惑しています。
 03-3272-6335を検索しましたが、
 大同生命不動産部も大同生命もヒットしませんでした。
 正直なところ最初は営業の電話だと思いました。
      ■         ■
 院長日記読者の方の中には、
 あ~ら本間先生、
 大同生命からがっぽり立ち退き料をいただいて、
 新しいクリニックをお作りになったら?

 …と思われることもあると思います。
 ところが、
 世の中はそんなに甘くはありません。
 私たちのような医療法人が立退き料をもらうと、
 一時所得として税金がかかります
      ■         ■
 国税庁HPのタックスアンサーに書いてあります。
 No.3155借家人が立退料をもらったとき
 平成27年4月1日現在法令等
 1 資産の消滅の対価補償としての性格のもの
 家屋の明渡しによって消滅する権利の対価の額に相当する金額
 → 譲渡所得の収入金額となります。
 2 収入金額又は必要経費の補填としての性格のもの
 立ち退きに伴って、その家屋で行っていた事業の休業等による収入金額又は必要経費を補填する金額
 → 事業所得等の収入金額となります。
 3 その他の性格のもの
 上記1及び2に該当する部分を除いた金額
 → 一時所得の収入金額となります

      ■         ■
 もし医療法人札幌美容形成外科が、
 1億円の立退き料をもらったとします。
 簡単に計算すると約半分の5000万円は税金でもって行かれます。
 新しいクリニックの内装や設備を残りの5000万円で作ったとすると、
 その内装や設備に対して、
 毎年固定資産税がかかります。
 いいことは何もありません
 私の役員報酬は北海道知事への届出制なので、
 私の所得も増やせません。
 苦労が増えるだけなのです。
      ■         ■
 築55年の古いビルですから、
 改築はある意味仕方がないです。
 でも大同生命ビルの改築計画が新聞に出たのは、
 今から1年以上前です。
 竣工まで3年半と迫った2016年に、
 急に古いビルを取得した大同生命の意図が見えません。
 難しい交渉は弁護士の高橋智先生にお任せしています。
 私は院長日記で情報を発信します。
 当然、大同生命不動産部の山田健さんも読んでいらっしゃると思います。

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医学講座

ビル建替え2016

 平成28年1月6日15:30に電話がありました。
 番号を見ると、
 03-3272-6335*3605
 見たことがない番号です。
 3605は内線番号のようです。
 大同生命不動産部の山田さんという男性でした。
 コンタクトオフビルの件で用事があるとのことでした。
      ■         ■
 以前はネームディスプレイというNTTのサービスがあったので、
 かけてきた会社名がわかりました。
 今はナンバーディスプレイだけです。
 どこの会社か電話番号だけではわかりません。
 不動産屋さんからの営業電話も多く
 忙しい時にかかってきて、
 迷惑している同業者もたくさんいます。
 どうやら本物の大同生命のようです。
      ■         ■
 用件を聞くと、
 札幌美容形成外科が入居している、
 コンタクトオフビルを、
 大同生命が取得し、
 平成28年1月29日に所有権移転登記をする。
 そちらにご挨拶に行きたいという電話でした。
 ご挨拶と言っても、、、
 私は忙しいので断りました。
      ■         ■
 要は、お隣の大同生命が、
 コンタクトオフビルを購入したのだったら、
 大同生命ビルを建替える時に、
 このビルも建替えるのでしょう?
と聞くと、
 そうだということでした。
 あぁ、新年早々やれやれです
 私の専門は医療です。
 ご挨拶に来てもらっても、
 私は忙しいので、
 弁護士の高橋智先生に話してくださいと伝えました
 一月は繁忙期です。
      ■         ■
 ビル建替えでは、
 何度も大変な思いをしました
 最初は開業して3年目の2007年でした。
 その時は何もわからず狼狽しました。
 2016年1月6日に電話をくれた山田さんは、
 山田健(やまだたけし)さんという大同生命の社員で、
 宅建の免許を持っていらっしゃる、
 不動産の専門家のようでした。
      ■         ■
 そういえば、
 昨年秋に、
 帝国データーバンクの澤田さんから電話がありました。
 大同生命が札幌美容形成外科の調査を依頼したのだろうとピンときました
 さすがの帝国データーバンクも、
 札幌美容形成外科の院長日記を全部読んではいなかったらしく、
 ビル建替えで
 こちらが強力な弁護士さんに依頼していることまで、
 報告書に書かなかったようです。
 (私の推測です)
      ■         ■
 私が調べたところ、
 大同生命は平成27年12月に株式会社コンタクトオフと売買契約をして、
 コンタクトオフビルの土地建物を取得しました。
 平成28年1月29日に所有権移転登記を、
 札幌法務局にします。
 これからは大同生命さんが大家さんです。
 私は医療に専念し、
 患者さんへの医療サービスの継続、
 従業員の雇用を守ることに全力をつくします。
      ■         ■
 宅建の免許を持った大同生命不動産部の山田健さんも、
 札幌美容形成外科のような、
 手術室を備えたテナントの立ち退きが、
 どんなに大変なのかご存知なかったようです。
 前に試算したところ、
 代替ビルを準備して、
 新たに建設したビルに戻ると、
 その費用だけで1億円を超えました。
      ■         ■
 札幌に最近建設された、
 明治安田生命札幌大通ビル、
 札幌三井JPビルディング、
 どちらも最後まで残ったのは、
 胃腸科と歯科の医療機関でした。
 そのことも私が教えてあげるまで、
 大同生命不動産部の山田健さんはご存知ありませんでした。
 患者さんにはご迷惑をおかけしません
 どうかご安心ください
 改築計画については、
 その都度詳しく院長日記でご報告いたします。

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医学講座

姿勢に気をつけています

 私の五十肩の原因は
 姿勢に原因がありました。
 毎日、手術用顕微鏡を見ながら、
 ルーペを見ながら、
 手先だけ動かすのが私の仕事です。
 力はあまりかかりませんが、
 同じ姿勢で長時間手術をしています。
      ■         ■
 小学校以来、
 姿勢に気をつけなさい
 …なんて言われたことがありませんでした。
 背筋を伸ばして
 背伸びの運動

 ラジオ体操でよく聞いた言葉です。
 気にしたこともありませんでした。
      ■         ■
 日常生活でも、
 両手でスマホを持って、
 家でも、
 電車の中でも、
 前かがみになって、
 背中を丸めた人をよく見かけます。
 スマホを見る時に
 姿勢に注意しましょう! 
 …も聞いたことがありません。
      ■         ■
 私のリハビリを担当してくださったのが、
 整形外科北新東病院の理学療法士、吉野先生でした。
 医師の私が言うのもなんですが…
 吉野先生は素晴らしい理学療法士の先生でした。
 吉野先生は私がリハビリ室に入るところから、
 私の姿勢をよく見ていらっしゃいました。
 私の背中は丸まり、
 前かがみで背筋が伸びていませんでした。
      ■         ■
 五十肩のリハビリ治療は、
 肩ではなく背中から始まりました。
 背骨を中心として、
 肩から背中の筋肉は連続しています。
 痛い五十肩を治すのに…
 まず痛くない背中の筋肉を鍛える治療が始まりました。
      ■         ■
 吉野先生のご指導で、
 肩甲骨を動かす訓練がはじまりました。
 特筆すべきことは、
 リハビリはまったく痛くありませんでした
 無理矢理、
 痛い肩を動かすことはありませんでした。
 肩の動きを良くするには、
 肩甲骨や背骨の動きなのだそうです。
      ■         ■
 私は痛み止めも使わず、
 仕事中も、
 通勤途中も、
 常に肩甲骨を寄せる運動を続けました。
 おかげさまで、
 時間はかかりましたが、
 無影灯も動かせるようになりました。
 駐車券も取れます。
      ■         ■
 今では肩は痛くないですし、
 前と同じように生活ができます。
 理学療法士の吉野先生にほんとうに感謝しています。
 小学校以来はじめて自分の姿勢の悪さがわかりました。
 今のところ五十肩は再発していません。
 もう61歳ですが、
 背筋を伸ばして、
 姿勢に気をつけています。
 毎日のことなのでとても参考になりました。
 私は理学療法士や作業療法士の仕事に、
 もっと高い保険点数をつけて差し上げたいです。

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医療問題

リハビリへの予算配分2016

 昨日の院長日記、
 医療行政に翻弄される病院2016に、
 さくらんぼさんからコメントをいただきました
 早く出ろと言われても
 まだリハビリすればよくなる可能性がありました

 その通りだと思います。
      ■         ■
 さくらんぼさんの、
 本間先生はどのようにしたら今の現状を変えられると思いますか?
 …というご質問に、
 残念ながら名案はありません。
 国のシステムも複雑で、
 老人医療の専門家でもない私には、
 よく理解できていません。
      ■         ■
 医療従事者の一人として感じることは、
 私の五十肩の経験から
 リハビリで治る病気がたくさんあるのに、
 リハビリの医療保険の点数が低いことが問題だと思います。
 現在の医療保険制度では、
 理学療法士や作業療法士には、
 自分で開業して、
 社会保険へ請求する権利が認められていません。
      ■         ■
 整骨院・接骨院(柔道整復師)には認められているのに、
 国家試験に合格した、
 理学療法士や作業療法士に認められないのは、
 私は変だと思います
 私の五十肩はリハビリでよくなりました。
 定期的に医師の診察がありましたが、
 毎回一時間もリハビリをしていただいたのに、
 驚くほど安い料金でした。
      ■         ■
 これじゃ、
 病院の不採算部門だと言われても仕方がないと感じました。
 もっと理学療法士や作業療法士のリハビリに、
 診療報酬が増えるような政策が必要だと思います。
 下のパンフレットは、
 北海道後期高齢者医療広域連合から配布された資料です。
 先日の厚生労働省集団的個別指導でも、
 一部の整骨院・接骨院(柔道整復師)の不適切な請求が取り上げられていました。
 私はリハビリへの予算配分と、 
 理学療法士・作業療法士への配慮が、
 今後の医療政策に必要だと思います。
20160105

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医学講座

医療行政に翻弄される病院2016

 お正月から病院のことを書きました
 日本の保険医療システムは世界でもトップクラスの、
 いい医療と言われています。
 お金持ちも、
 生活保護の方も、
 同じ水準の医療を受けられます。
 貧富の差が出るのは、
 差額ベッドの病室くらいです。
      ■         ■
 形成外科と保険診療
 2011年6月15日の院長日記です。
 マイケル・ムーア監督の、
 Sicko(シッコ)という映画があります。
 DVDにもなっています。
 こちらのブログで紹介された記事です。
 ある中年の大工さんが不運にも仕事中に二本の指を切断してしまった。健康保険のない彼は、医師から素晴らしい選択をせまられた。
 「中指をつなげるなら6万ドル、薬指なら1.2万ドル」
 この大工さんはロマンチストだったので、薬指を選択。お別れした中指の方は、新居にお引越し。サヨナラ・・・、、、失われた中指の移転先はどこかって?そこは、ゴミ集積所だった。
 これは、米国のマイケル・ムーア監督の新作映画『シッコ』の笑える一場面である。
      ■         ■
 今の日本では、
 健康保険で指をつなぐ手術が受けられます。
 もちろん生活保護の方も受けられます。
 おそらく、刑務所内作業で、
 囚人が指を切断したとしても手術が受けられます。
 私は、受刑者の手術をしたことがあります。
 私は受刑者でも指をつなぐ手術が受けられる、
 日本の医療システムはいいと思います。
      ■         ■
 日本の医療財政が破綻しつつあるのは、
 指つなぎの手術のためではありません。
 高齢化のためです。
 膨大になった医療費を、
 何とか削減しようと躍起です。
 その政策のために、
 さくらんぼさんが指摘されたように、
 入院と同時にくらい退院の話です
 儲からない老人や患者は長くいるなということです。

 これが今の病院の実態です。
      ■         ■
 私と同年代の病院長は、
 いかに紹介率を上げるか?
 平均在院日数を減らすか?
 そんなことで翻弄されています。
 患者さんのためのいい医療というより、
 何とか病院の赤字を増やさないように…
 これが一番の悩みの種です。
      ■         ■
 私たち臨床医の間では、
 今の臨床研修システムができた時から、
 大学の医局に入る先生が減ることを予測していました。
 マッチングというお見合いみたいなシステムです
 これで医学生が大学に残らなくなりました
 困った国は、
 専門医システムを変えて、
 大学以外では専門医を取得しにくい政策を考えています。
 姑息的な方法だと私は思っています。
 これからも病院長や主任部長の苦悩は続くと私は思います。

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医学講座

主任部長の苦悩

 昨日の院長日記に、
 JA帯広厚生病院時代に、
 毎年売上目標があったと書きました。
 JAの病院だけではなく、
 国公立や民間の病院にも、
 売上目標ばあると思います。
      ■         ■
 どの病院でも、
 毎年予算を組みます。
 金融機関から借入をして、
 大きな建物を建てて、
 立派な設備を整えるには、
 お金が必要です。
 お金を借りる時には、
 必ず事業計画書を提出します。
      ■         ■
 チェーン店の美容外科JAの病院が違うのは、
 たとえ売上目標が達成できなくても、
 お給料が減らないのが、
 JAの病院や国公立病院です。
 高いお給料をもらっている先生が、
 さっぱり働かなくて売上が大きく減ると、
 さすがに病院でも問題になりますが、
 基本的には俸給表という給与体系で医師の給与が決まります。
      ■         ■
 チェーン店の美容外科の給料は、
 クリニックごとに違うシステムです。
 儲けや売上によって、
 医師の給料が変わるのはどこでも同じです。
 以前は年収数千万円の給与を提示していた、
 有名な美容外科もありました。
 売上が減ると、
 先生や看護師への給料が払えなくなります。
 倒産した美容外科もたくさんあります
      ■         ■
 JA帯広厚生病院の形成外科主任部長、
 すごいと思いませんか?
 北海道の十勝地方で、
 一番大きな病院です。
 私は40歳から43歳まで勤務しました
 正直に言うと、
 毎年の売上目標達成は大変でした
      ■         ■
 当時のJA帯広厚生病院形成外科には、
 3人の形成外科医が勤務していました。
 私を含めて北大形成外科から派遣された形成外科医です。
 私は学位記をいただいて、
 北大の大浦武彦教授から、
 JA帯広厚生病院の固定医として勤務していました。
 固定医とか固定というのは、
 医者の業界用語です。
 自分で退職の意思を表示しない限りは、
 JA帯広厚生病院に永久就職するという意味です。
      ■         ■
 私以外の2人の医師は、
 北大形成外科医局からの派遣です。
 人材派遣会社からの派遣とは違います
 北大形成外科から、
 JA帯広厚生病院に行きなさいと言われて、
 北大から期限付きで赴任した先生のことです
      ■         ■
 派遣された医師の人事権は、
 北大形成外科の医局にあります。
 JA帯広厚生病院の院長が、
 この先生にはぜひ長く帯広にいてほしいと思っても、
 主任部長が最低3年はいてほしいと思っても、
 ある日突然、大学の都合で人事異動になることがあります。
 これが形成外科主任部長の一番の苦悩でした。
      ■         ■
 全国どこの病院でも同じだと思います。
 自分が持っている知識とか技術を、
 下の先生に伝承するのが私たち上級医の仕事です。
 自分以外の2人の先生が優秀だと、
 病院から提示された売上目標も楽にクリアーできます。
 ところが、
 3人だった常勤医が大学の人事で、
 ある日突然2人になることもあります。
      ■         ■
 医師3人でやっていたことを、
 2人でこなすのはかなり大変なことです。
 形成外科専門医が3人なのと、
 形成外科専門医1人と研修医2人では、
 できる手術に大きな違いがあります。
 大学から派遣される医師によって、
 仕事内容も売上も大きく違ってきます。
      ■         ■
 私がJA帯広厚生病院形成外科主任部長だったのは、
 今から20年前です。
 今は大学医局を選ぶ医学部卒業生が減りました
 大学も派遣する医師が少なくて困っています。
 常勤医3人だった形成外科が、
 ある日突然、部長職が一人になることもあります。
 売上目標達成どころか、
 毎日の患者さんの診療にも支障をきたします。
 私の形成外科主任部長時代の一番の苦悩は、
 下の先生が一年毎に変わることでした。
 40歳を過ぎていろいろ考えて、
 私は開業医の道を選びました

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医学講座

2016年の目標

 今年は暖冬でおだやかなお正月です。
 札幌に住んでいるのに、
 寒いのが苦手な私にはありがたいことです。
 お正月に2016年の目標を考えました。
 毎年初詣に行った時に、
 今年は何をお願いしようか?と考えます。
 その時に今年の目標も考えます。
      ■         ■
 医療関係者でもあまり知らないと思いますが、
 私が勤めたJA帯広厚生病院や、
 釧路労災病院にも、
 毎年売上目標がありました。
 チェーン店の美容外科だけではなく、
 JA北海道厚生連や、
 昔の労働福祉事業団が経営していた公的な病院にも売上目標がありました。
      ■         ■
 おそらく、
 国立大学附属病院や、
 地方公共団体が運営する、
 全国の自治体病院にも売上目標があると思います。
 私が働いていた頃の、
 JA帯広厚生病院では、
 毎月、部長・科長会議というのがありました。
 通称、部科長会議と呼んでいました。
      ■         ■
 会議には、
 病院長、副院長、
 各診療科の部長、
 看護部長、
 薬剤部長、
 検査科の科長、
 病院の偉い人が集められました。
 院長が挨拶をして会議がはじまります。
      ■         ■
 この部科長会議で、
 毎回、事務方から、
 売上目標
 各科ごとの売上、
 対前年比の数字、
 目標達成率
 診療報酬の返戻(へんれい)など、
 病院のお金にかかわることが、
 細かく数字で示されました
      ■         ■
 JA帯広厚生病院は、
 JA北海道厚生連が運営する大きな病院です。
 私が勤務していた頃は、
 JA帯広厚生病院が、
 北海道で一番の売上、
 北海道で一番の黒字でした。
 JA北海道厚生連の事務方が優秀でした。
      ■         ■
 私が働いていた頃の、
 労働福祉事業団釧路労災病院も、
 全国の労災病院の中で、
 全国一の黒字病院でした。
 釧路労災病院は、
 故新田一雄院長の経営手腕により、
 設備も黒字も最高の労災病院でした
      ■         ■
 さて、医療法人札幌美容形成外科の2016年の目標です。
 2016年4月には診療報酬の改定があります。
 私が聞くところによると、
 残念なことに医療機関にとって厳しい内容です。
 がっぽりもうけるつもりはありません。
 赤字ならなければいいです
 一番の目標は安全な医療です。
 私は臆病者なので無理な手術はいたしません
      ■         ■
 自分自身については、
 まず健康でいることです
 自分が病気になって、
 患者さんに迷惑をかけない。
 職員に迷惑をかけない。
 家族に迷惑をかけない。
 これを目標にします。
 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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院長の休日

謹賀新年2016

 あけましておめでとうざいます。
 本間家恒例の新春撮影会です。
 昨年のクリスマスイヴに、
 実家に行って撮りました。
 私の父:本間寛(ほんまゆたか)2016年3月4日で満90歳。
 私の母:本間瑞子(ほんまみずこ)2016年4月20日で満88歳。
 家内の母:片寄登喜子(かたよせときこ)2016年1月20日で満82歳。
 私が今年9月で62歳。
 家内が今年4月で60歳です。
      ■         ■
 私の父親は、
 昨年12月に入院しました。
 3月まで生きられないかも?
 …と思いましたが、
 適切な治療をしていただき、
 生き延びることができました。
 生命力の強い人です。
      ■         ■
 うちの奥さんは、
 今年4月で還暦です。
 私の母親は米寿です。
 高齢化社会を象徴するような、
 本間家2016です。
 願いはひとつ、
 病気をしないで元気でいることです。
 今年もどうぞよろしくお願いいたします。
20160101

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