医療問題
包茎手術の価格
昨年1月16日にも、包茎手術について書きました。
同じことの繰り返しになりますが、女性にはわからない悩みが包茎です。
スポーツクラブや温泉に行っても、包茎の男性は必ずタオルで隠しているものです。
男同士でも、見られると恥ずかしいのです。
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包茎には、仮性包茎と真性包茎があります。
真性包茎の人が、無理に包皮をむいて、戻らなくなった状態を嵌頓(カントン)包茎といいます。
日本人男性の半数以上が仮性包茎といわれています。
半数以上が、仮性包茎なのだから、気にしなければそれでよいのです。
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ただ、気にしなければよいと言っても、気になるものです。
ネットで調べると、たくさんのサイトが出てきます。
スポーツ新聞には包茎手術の広告が掲載されています。
包茎手術○万円~
※軽微な仮性包茎に限ると小さな字で書かれています
この○万円~の『~』が問題です。
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○万円だと思って、受診してみると…
あなたは‘嵌頓包茎だから’と料金が倍になったりします。
私も雇われ院長だった時代には、同じようなことをしていたので、偉そうなことは言えません。
正直に申し上げると、本当に申し訳ないことをしたと反省しています。
業界の内情曝露になりますが、この○万円~の○万円で済むことは、まずありません。
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もともと、軽微な仮性包茎だったら手術を受ける必要もないのです。
本当に手術が必要なのは、真性包茎や嵌頓包茎です。
札幌美容形成外科では、開院して2年目までは、真性包茎や嵌頓包茎を保険診療で手術していました。
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保険診療で包茎手術をすると、驚くほど安くできます。
正直なところ、包茎手術は赤字でした。
罪滅ぼしのつもりで、保険診療で手術をしていました。
ところが、ここで問題が生じました。
他院で、‘嵌頓包茎(カントンホウケイ)’と‘診断’された方の中に、かなり仮性包茎がありました。
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一般的には、仮性包茎→真性包茎→嵌頓包茎と料金が高くなります。
スポーツ新聞の包茎広告に、小さな字で※軽微な仮性包茎に限る
と書いてあるのは、このためです。
ちょっとでも‘くびれ’があると、皮がむけても‘嵌頓包茎’になってしまい、料金が高くなります。
実際は、ちょっときつくても皮が剥ければ仮性包茎です。
仮性包茎は保険で手術はできません。
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このトラブルが増えたため、2006年8月で包茎手術の保険診療は中止いたしました。
厚生労働省は、医療費の削減に躍起です。
包茎手術の手術点数(手術料金)を上げると、医療費が増えるので、包茎手術の保険点数は上がりません。
今後も、包茎手術を積極的に保険診療で手術する診療所や病院はないと思います。
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包茎専門クリニックにもいろいろなところがあります。
平日は閉院していて、手術のある日だけ、東京から‘先生’とスタッフが来る診療所。
高いけれど、先生の腕や技術はあるところ。
高いし、‘先生’もアルバイトの‘先生’が手術をするところ。
広告や料金だけではわかりません。
一生に一度の手術です。
慎重にクリニックを選んで手術をうけてください。