昔の記憶

冬至2015

 今日2015年12月22日火曜日は冬至です。
 冬至とうじ
 一年で一番日照時間が少ない日です。
 札幌の日の出は7:03
 日没は16:03です。
 私は朝6:30に目覚ましをかけています。
 まだ暗いです。
 冬はなかなか起きられません。
 うちの奥さんは私より起きられません。
      ■         ■
 本間家で一番の早起きは、
 犬のそらです。
 目覚ましが、
 ピ、ぴぴぴぴと鳴っても起きないと、
 そらが、
 わんワンわんと起こしてくれます。
 そらくんはケージの中なので、
 吠えるだけです。
      ■         ■
 私が起きてケージから出してやると、
 一目散に奥さんのところへ行って、
 起きておきて
 ごはんちょうだい

 …と顔をなめたり、
 騒いだりして、
 奥さんを起こしてくれます。
      ■         ■
 若い頃はしゃきっと起きたのに、
 最近は起きられない
と、
 うちの奥さんは言います。
 私はまだ起きられますが、
 61歳なのでくたびれることが多いです。
 冬至には、
 かぼちゃと柚子(ゆず)湯だそうです。
      ■         ■
 北海道は、
 かぼちゃと小豆を甘く煮たものを食べていました。
 祖母の太田キヨが生きていたころは、
 今日は冬至だからと食べさせてくれました。
 今は、
 かぼちゃはデパ地下で閉店間際に安くなった、
 パンプキンサラダです。
 柚子(ゆず)湯は、
 入浴剤でゆずの香りのするのを使ったことがあるだけです。
 あと10日でお正月です。
 もう少しがんばって働きます。

“冬至2015”へのコメントを見る

医学講座

許認可手続きの問題2015

 昨日の院長日記、
 自由診療の静脈麻酔
 さくらんぼさんからコメントをいただきました
 よい薬なら莫大な費用がかかったとしても
 国が医科でも使えるようにするべきだと思います。

 私もその通りだと思います。
      ■         ■
 ドルミカムは正しく使うといい薬です。
 残念なことに、
 日本で認可されている効能効果は、
 極めて限られています。
 歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静に認められたのも、
 2013年12月のことです。
 アステラス製薬が販売しています。
      ■         ■
 薬剤の効能効果の申請は、
 製薬メーカーが厚生労働省にします。
 メーカーは、
 当然、申請にかかる費用と、
 申請後に得られる利益を計算します。
 企業ですから、
 莫大な費用がかかるのに、
 赤字になってまではしません。
      ■         ■
 ドルミカムはいい薬ですが、
 価格は意外と安いです。
 2015年現在の薬価は、
 1アンプル(1本)133円です。
 後発品も出ています。
 133円の薬が、
 一年間にどのくらい売れるのか知りません。
 おそらく、
 メーカーにとってもうからない薬です。
      ■         ■
 私は日本の国の制度に問題があると考えます。
 海外で広く用いられている薬剤なのに、
 日本で販売するためには、
 莫大な費用をかけて、
 臨床試験をして、
 日本人にも安全という、
 【お墨付き】を与えます。
 ここがうさんくさいところです。
 製薬メーカーがうその論文を書いて問題になったことがあります。
      ■         ■
 メーカーは高いお金をかけて臨床試験をしても、
 薬価という公定価格が安いと大打撃を受けます。
 日本の医療費を抑えたいなら、
 許認可を簡素化するべきです
 来年の薬価がどうなるか知りませんが、
 ボトックスに関して言うと、
 日本は世界一高い国です
 同じ製剤なのに、
 自由診療で使うボトックスビスタは、
 保険で使うボトックスの約半額で流通しています
 こんなことを大々的に言っているのは、
 おそらく日本中で私だけです。

“許認可手続きの問題2015”へのコメントを見る

医学講座

自由診療の静脈麻酔

 ドルミカムと静脈麻酔
 2015年12月18日の院長日記です。
 ドルミカムという薬は、
 ベンゾジアゼピン系薬剤です。
 セルシンという薬と同じ系統の薬です。
 ドルミカムの方が新しい薬です。
      ■         ■
 セルシンとかホリゾンというのは商品名です。
 一般名はジアゼパムと言います。
 医学生は、
 このジアゼパムという名前を教えられます。
 はっきり言うと、
 ドルミカムの方が、
 慣れた先生には使いやすい薬です。
 過剰投与で呼吸停止になることもありますが、
 使う先生の問題です。
      ■         ■
 日本では、
 保険診療で、
 静脈麻酔薬として使うことは認められていません。
 歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静
 …には認められていますが、
 【医科】の手術及び処置時の鎮静には、
 正式には認められていません。
      ■         ■
 歯医者さんには認められているのに、
 お医者さんには認められていないのは、
 かなり変な話しです。
 薬事承認時に臨床試験をしなかったためだと、
 (私は)推測しています。
 医科で臨床試験をすると、
 莫大な経費がかかるためだと推測します。
 ドルミカムは海外では医科でも広く使われています。
      ■         ■
 日本でも、
 医科で使っている施設はたくさんあると思います。
 ただ、
 【静脈麻酔】として保険請求ができないのです。
 美容外科では、
 大部分が自由診療です。
 眠っている間に手術を受けたいという人もいます
 そんな方のためにドルミカムを準備しています。
      ■         ■
 自由診療では、
 どんな薬を使って静脈麻酔をしようと自由です。
 ただ、
 モニターもないクリニックで、
 静脈麻酔をするのは危険です。
 美容外科で起きた死亡事故の多くは麻酔が原因です
 静脈麻酔をするなら、
 最低でもモニターを装着して、
 呼吸停止になってもすぐに酸素を投与できるように、
 麻酔器を準備すべきです。
 それが安全な手術の基本です。

“自由診療の静脈麻酔”へのコメントを見る

医学講座

ドルミカムの効能効果

 ドルミカムと静脈麻酔
 2015年12月18日の院長日記です。
 ドルミカムという薬です。
 ミダゾラムという成分の注射液です。
 いい薬だと思います。
 札幌美容形成外科にもあります。
 保険請求はしたことがありません。
      ■         ■
 保険診療で使う場合は、
 ドルミカムの【効能・効果
 麻酔前投薬、
 全身麻酔の導入及び維持、
 集中治療の人工呼吸中の鎮静、
 歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静

 この通りに使わないと、
 保険請求はできません。
      ■         ■
 厳密に言うと、
 歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静
 …には使えても、
 医科の、
 手術及び処置の鎮静には使えません。
 これは薬事承認を取る時に、
 歯科・口腔外科では臨床試験をして承認を取ったのに、
 医科では取らなかったためだと思います。
      ■         ■
 ですから、
 国の承認通りだと、
 【医科】で、
 胃内視鏡をする時にドルミカムを使っても、
 保険請求はできないことになります。
 私は消化器内科医ではないので、
 保険が通るかどうかまでは知りません。
 もし保険が通らないとなると、
 ドルミカムの薬剤料は病院からの持ち出しとなります。
      ■         ■
 保険診療にはさまざまな制約があります。
 理不尽に思えても、
 決まり通りに請求しないと、
 査定というペナルティがあります。
 保険請求できないから、
 ドルミカムの薬代だけ患者さんに請求すると、
 違反になります。
 悪質だと判断されると、
 保険医療機関の取消処分もあります。
      ■         ■
 最近は大学病院ですら、
 保険医療機関の取消処分があります。
 請求ミスや、
 手続き上のミスで、
 過去何年分も返還しなくてはならないこともあります。
 日本の保険医療制度は、
 世界でもトップクラスと言われています。
 医療機関にとっては厳しいものですが、
 国民福祉の向上に役立っています。
 佐野先生のような指導医療官にお願いして、
 大学医学部で講義をしていただくといいと思います
 医学生が保険請求のことを学ぶ機会はまずありません。
 医師国家試験にもまず出ません。

“ドルミカムの効能効果”へのコメントを見る

医学講座

ドルミカムと静脈麻酔

 集団的個別指導2015
 2015年12月17日水曜日に行われた、
 厚生労働省北海道厚生局の指導です。
 この会で、
 厚生労働省北海道厚生局医療課、
 指導医療官の佐野先生に教えていただいたことです。
 佐野先生は元外科の臨床医だったそうです。
      ■         ■
 今までの集団的個別指導とは違って、
 佐野先生は具体的な事例を的確に説明してくださいました。
 最初の医療監視指導官は、
 発表の最中、
 一度もこちらを見ることもなく、
 ただひたすら原稿を読んでいました。
 これでは聴衆の反応は見えないですし、
 自分が伝えたいことが正確に伝わったかどうかもわかりません。
      ■         ■
 最近は、
 運転免許更新時教習ですら
 いかに交通事故を減らして、
 安全運転を普及させようか?
 …という熱意が伝わってきます
 はっきり言って、
 警察も変わりました
 最近の更新時教習は居眠りが少ないです。
      ■         ■
 運転免許の講習と比較するのも酷ですが、
 厚生労働省のお役人はまだまだダメです。
 半数以上が聞いてなくても、
 集団的指導をしたという事実だけが必要と感じられます。
 われわれ聴衆にとっては、
 その話しは前にも聞いたょ
 そんなの知ってるょ

 そんな指導が大部分です。
      ■         ■
 佐野指導医療官のすごいところは、
 学会発表のように、
 聴衆のほうを向いて、
 原稿には時々目をやる程度で、
 最初から最後まで、
 わかりやすい口調で、
 おだやかに話されたことです。
      ■         ■
 私が一番勉強になったのが、
 ドルミカムという薬を、
 静脈麻酔に使っても、
 【静脈麻酔】が算定できないということです。
 専門的なことになりますが、
 薬には【効能・効果】という決まりがあります。
 国が決めた使い方をしないと、
 保険請求はできません。
      ■         ■
 ドルミカムは、
 ミダゾラムという成分の注射液です。
 効能・効果
 麻酔前投薬、
 全身麻酔の導入及び維持、
 集中治療の人工呼吸中の鎮静、
 歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静

 つまり鎮静に使うことはできても、
 静脈麻酔薬ではないので、
 静脈麻酔は算定できないのです。
      ■         ■
 今までの指導医療官とは違って、
 佐野先生の指導は、
 こちらが、
 う~ん、なるほど
 それ、知らなかった。

 …と思わずつぶやきたくなる指導でした。
 他にもたくさん教えていただきました。
 佐野先生ありがとうございました

“ドルミカムと静脈麻酔”へのコメントを見る

医学講座

集団的個別指導2015

 2015年11月4日にこんな文書が届きました。
 保険医療機関にとって大切な、
 厚生労働省の集団的個別指導という指導のお話しです。
 12月の予定を決めた後だっでした。
 12月にするんだったら、
 もう少し早く知らせてくれたらいいのに、
 出席しないと、
 個別指導の対象なんて、
 脅し文句までつけて、、、
 …と私は怒っていました
      ■         ■
 北海厚発1102第26号
 平成27年11月2日
 各保険医療機関 開設者様
 厚生労働省北海道厚生局長
 集団的個別指導(集団部分)【医科】の実施について(通知)
 健康保険法第73条(船員保険法第59条において準用する場合を含む。)、国民健康保険法第41条及び高齢者の医療の確保に関する法律第66条の規定に基づき、下記のとおり、北海道庁(北海道保健福祉部健康安全局)と共同により集団的個別指導を実施しますので、出席されるよう通知します。
 なお、正当な理由がなく欠席した場合は、個別指導の対象となることを申し添えます。
 記
 1.目的 保険医療機関及び保険医療養担当規則等の理解を更に深め、保険診療の質的向上及び適正化を図ることを目的としています。
 2.日時 平成27年12月16日(水)午後6時30分から午後8時まで(予定)

      ■         ■
 今まで何回もこの集団的個別指導に出席しました。
 はっきり言って、
 わかっていることを、
 何回も聞かされているという指導もありました。
 ひどいのになると、
 原稿棒読みの指導もありました。
 あまりひどかったので、
 札幌コンベンションセンターの壇上に上がって、
 あんたね~
 もっと真面目にやれよ
と怒ったこともあります。
      ■         ■
 その時、私は、
 札幌市医師会役員の司会者に、
 壇上からひきずり下ろされました。
 会場から、
 私の文句にたくさんの拍手もいただきました。
 こんなところで文句を言った医者は、
 私以外には聞いたことがありません。
 職を失って13年という院長日記に書いてあります。
 私は医師名義貸事件告発して、
 厚生労働省に大きなインパクトを与えました
      ■         ■
 昨夜は北海道庁の偉い方と、
 札幌市医師会理事の先生もいらしてました。
 私は前のほうの席に座り、
 指導をしっかり聞いていました。
 昨日の指導は、
 私が今までに聴いた指導の中で、
 最高の指導でした
 厚生労働省北海道厚生局医療課、
 指導医療官の佐野先生がすばらしかったです
      ■         ■
 約1時間の佐野先生の指導は、
 医師としての優しさや、
 国民にいい医療を提供したいという、
 医師としての情熱にあふれていました。
 こんな先生が指導官になられて、
 厚生労働省に対する見方が変わりました。
 居眠りしている先生もいませんでした。
 佐野先生のこれからのご活躍をお祈りしています。
 ためになるお話しをありがとうございました。
20151217

“集団的個別指導2015”へのコメントを見る

医学講座

抄読会の思い出

 1980年に北大形成外科に入局した頃は、
 形成外科のけの字もわかりませんでした。
 きれいに縫うだけだから簡単だろう?
 …と思うのは大きな間違いです。
 形成外科でも勉強は大切です。
 北大形成外科では、
 抄読会しょうどくかい
 …という勉強会がありました。
      ■         ■
 助教授だった故浜本淳二先生が担当でした
 PRSという米国形成外科学会誌の論文を、
 一人2~3編ずつ割り当てられ、
 それを訳して読んで、
 内容を要約して発表するのです。
 月曜日の夜に抄読会が多かった記憶があります。
 月曜日は手術日だったので、
 手術の後でPRSを読みました。
      ■         ■
 新しい時代の外国雑誌購読
 2011年10月13日の院長日記に書いてあります。
 私が医師免許を取得した30年前、
 一人前の形成外科医になるために…
 英文雑誌の定期購読をしました。
 北大形成外科では、
 抄読会(しょうどくかい)という…
 外国雑誌を読む勉強会がありました。
      ■         ■
 一年目の私は、
 PRS(ぴー・あーる・えす)という…
 米国形成外科学会雑誌、
 British Journal of Plastic Surgery…
 …の2つの外国雑誌を注文しました。
 British Journal of Plastic Surgeryは英国の雑誌です。
 ぶりてぃっしゅと呼んでいました。
      ■         ■
 私は英語は嫌いではありませんでしたが、
 内科系の論文は、
 字と数字ばかりで…
 目が痛くなるほど細かい字でした。
 それと比べて…
 形成外科の論文は、
 写真が豊富です。
 字を読む前に写真を見るだけで、
 どんな内容かわかりました。
      ■         ■
 私が形成外科を選んだ理由の一つが、
 論文を読んでも興味深いことでした。
 頭が良い方ではなかったので、
 ビジュアルに理解できる形成外科が好きでした。
 それでも専門用語はわからず…
 医学英和辞典を引いても…
 さっぱりわかりませんでした。
      ■         ■
 外国雑誌は航空便で届きました。
 日本の代理店を通して注文します。
 割引があったので、
 私は北大生協から注文しました。
 割引があっても…
 米国と英国の2つの外国雑誌を注文すると…
 一年間で10万円を超えました。

      ■         ■
 今から考えると恥ずかしいですが、
 一年目の私は、
 医学英和辞典を引いても、
 理解できない単語がたくさんありました。
 わからなかったのが、
 Pedicleぺでぃくるという単語です。
 英和辞典を引くとくきと出ています。
 このくきがわかりませんでした。
      ■         ■
 形成外科は、
 組織の移植をする診療科目です。
 組織移植の移植は、
 Transplantの移植
 つまり植物の移植と同じなのです。
 移植する時に、
 くきを傷めると枯れます。
 人間の組織も同じで、
 が大切なのです。
 形成外科ではけいと呼びます。
 今となってはなつかしい思い出です。

“抄読会の思い出”へのコメントを見る

医学講座

PRS年間購読料313,900 円 (税抜)

 医者の勉強法
 2006年12月4日の院長日記です。
 医学は日進月歩で常に新しい治療法が開発されています。よく医者は一生勉強が必要だと言われています。私もその通りだと思います。医師の勉強法には学会に参加する、他の先生の手術を見せていただく、先輩や同僚に相談するなどの方法があります。開業して毎日の診療に追われているとなかなか勉強の機会を作るのは大変です。
 米国形成外科学会の雑誌がPlastic and Reconstructive Surgery(通称PRSピーアールエス)という本です。私は形成外科医になってから毎年年間購読しています。年間14冊程度で毎月航空便で送ってきます。以前は送られてくるまで読めなかったのですが、最近はインターネットに接続されていれば米国国内に居るのと同じように読むことができます。購読するとユーザー名とパスワードがもらえ、それでログインします。
 形成外科・美容外科の医師にとってこのPRSに自分の論文が掲載されるのはとても名誉なことです。日本人の論文は毎号1~2編掲載されれば多いほうです。私も北大や札幌医大時代に掲載していただきました。
 私が形成外科医になった26年前は、PRSに美容外科関連の論文が掲載されることは少なかったのですが、最近は約1/2から1/3が美容外科関連の論文です。アジア人に関しては日本の他、韓国の先生も多数投稿されていて、質の高い良い論文があります。私はこのPRSの他、美容外科関連の国際雑誌を講読して日々勉強しています。私が現在行っている目頭切開の手術法もこのPRSを通じて習得しました。著者の韓国人の先生と学会でお会いして、お互いに手術で工夫している点などを話しとても参考になります。医学を志す学生さんや若い先生は英語を自由に使いこなせる能力が必要だと思います。

      ■         ■
 PRSの年間購読料は、
 私が医者になった35年前は、
 約5万円程度だったと記憶しています。
 1980年5月から働きはじめて、
 最初の2ヵ月間はただ働きで給料ゼロ。
 1980年8月にいただいた、
 初任給が99,000円程度(日給3,300円)の
 北大病院研修医には、
 とても高かった記憶があります。
      ■         ■
 それでも、
 毎年購読し続けていました。
 インターネットができるようになってからは、
 米国の出版社に直接申し込んでいました。
 担当の女性が親切で、
 本が送られて来なくても、
 すぐに手配をしてくださいました。
 私は3年契約で更新していました。
      ■         ■
 残念なことに、
 昨年から日本からon lineで更新できなくなりました。
 昨年は何とか更新しましたが、
 今年はまったくできなくなりました。
 昨年の更新も、
 $1,014.00/yearと高額で、
 今年は1ドル120円以上します。
 日本の代理店を通すと、
 年間313,900 円 (税抜)(有隣堂価格
 35年間購読し続けたPRS
 購読を中止しようか悩んでいます。
20151215
20151215-2

“PRS年間購読料313,900 円 (税抜)”へのコメントを見る

医学講座

第31回北大形成外科アカデミー

 2015年12月12日土曜日、
 第31回北大形成外科アカデミーと忘年会がありました。
 年末の北大形成外科アカデミー
 昨年は2014年12月13日土曜日でした。
 唇裂口蓋裂同時手術という、
 2014年12月14日の院長日記に書いてあります。
      ■         ■
 毎年、北大形成外科の先生から、
 学会では聞けない、
 新しいことを教えていただいてます。
 ありがたいことです。
 今年は大学院生の発表をお聞きしました。
 来年、大学院を卒業される先生の発表と、
 現在研究中の院生の発表でした。
      ■         ■
 来年北海道大学大学院を卒業される、
 塩谷隆太先生と
 安居剛先生のお二人は、
 もう博士論文が完成し、
 それぞれ外国雑誌に掲載が決まっています。
 これはすごいことです。
 論文投稿からacceptアクセプトと呼ばれる掲載決定までが大変なのです。
      ■         ■
 私が特に感動したのは、
 塩谷隆太先生の失敗の記録でした。
 立派な研究が完成するまでには、
 苦難の道があります。
 塩谷先生はラットを使った動物実験なので、
 うまくいかないことがたくさんありました。
 他の論文を読んで同じように実験してみても、
 論文の通りにはならないのです。
      ■         ■
 私の学位論文も苦難の歴史でした。
 苦難が多いと、
 成功の喜びも大きいのです。
 塩谷先生のご発表は、
 リンパ節移植の浮腫予防と転移抑制という題でした。
 将来、癌の転移を防ぐ治療になって、
 ノーベル賞を取れるといいと思って聞いていました。
 動物を使う研究をすると、
 顕微鏡手術に慣れて手術が上手になるという利点もあります。
 これからもいい研究が続くことを願っています。

“第31回北大形成外科アカデミー”へのコメントを見る

医学講座

豊かさを追って_ニトリの挑戦⑤

 今日で北海道新聞朝刊のニトリシリーズの最後です。
 今朝も一番先にニトリさんの記事を探して読みました。
 消費税率の記事が一面に大きく出ていて、
 2面の下のほうで目立ちませんでした。
 ちょっと残念でした。
 道新の連載は、
 日経の履歴書よりずっと内容が充実していました。
 記事を書いてくださった、
 北海道新聞東京報道センターの幸坂浩さんに感謝します。
      ■         ■
 豊かさを追って_ニトリの挑戦>5
 変わる最前線 夢の原点 欧米で飛躍へ
 「ほかの店より安いし、日本の品質だから安心できますね」。家具・インテリア製造販売日本最大手ニトリホールディングス(HD、札幌)が、中国・上海のオフィス街に今年開いた「NITORI(ニトリ)上海中山公園兆豊広場店」。家具を見に来た仕事帰りの30代夫婦が声をはずませた。

 同社は2014年から中国で店舗展開を始めた。人口13億を超すとはいえ、中国では流通が近代化されておらず、本格的なチェーン店はない。このため、低コスト運営で手頃な価格を実現しているニトリは優位に立てるとの読みがある。これまでに7店を出し、当面は年に5店のペースで増やしていく考え。目標は「中国全土で千店」だ。

 ニトリHDが初めて海外に店を出したのは2007年の台湾・高雄。だが、欧米式の大型家具が好まれる台湾では、日本と同じ商品を持ち込んでも売れない。店を宣伝したくても宅配新聞が見当たらず、チラシも簡単には配れない。

 台湾1号店は3年後に撤退の憂き目を見た。似鳥昭雄社長は「明らかに準備不足だった」と振り返る。日本で好調だからといって、そのまま海外に乗り込んでも太刀打ちできないことを思い知らされたという。

 その後、大型家具を増やすなど、顧客の好みに合わせて品ぞろえを改めた。高雄の1号店は、日本国内と同じ売り場面積約5千平方メートルの郊外型店舗だった。だが自家用車が普及途上にある台湾では、都心の百貨店など公共交通機関で行ける店の人気が高い。同社も千平方メートル前後の都心型店舗に力を入れることにした。

 こうした工夫が奏功し、台湾事業は2012年に黒字化した。現在は、海外最多となる24店を構えている。

 「人材」ではなく「人財」。ニトリHDは社員をこう呼んでいる。毎年たくさんの店を出し続けるには、有能な社員を次々育てる必要がある。成長に欠かせない財産なのだ。

 とりわけ海外事業では、人材育成の巧拙が成否を分けるとニトリHDは考えている。例えば中国。まだサービス業の経験者が少ないため、即戦力を採用するのは難しい。接客の基礎から教えなければ、ソファを求める客が来店しても「はい、あちらにあります」で終わってしまう。

 客の好みを自然に聞き出し、商品の特長をよどみなく説明し、できるだけ多く売る。日本では当たり前の、こうした基本動作を浸透させる努力が続く。最近は現地社員の士気も高まってきた。冒頭の上海中山公園兆豊広場店で今春から働く郁明さん(31)は「ニトリと一緒に自分も成長していきたい」と目を輝かせる。

 同店の従業員は約40人。このうち店長を含む2人が日本人で、残りは現地社員だ。今後、入社5~6年の人材が育ってきた段階で、店長も中国人に任せる考え。台湾では既に全店長が現地採用社員となった。台湾事業を担う約500人のうち日本人は10人ほどしかいない。現地に溶け込むほど商売はうまくいく。そんな「哲学」が背景にある。

 アジアで成長を続けるかたわら、ニトリHDの視線は別の巨大市場にも向く。北米と欧州だ。米国には既に5店を構えており、ある程度店が増えたところで、北米に近く物流効率が良い南米で商品生産を始める予定だ。欧州への出店時期は決まっていないが、南米製に加えアフリカ製の商品も販売する構想がある。

 2032年に世界で3千店、売上高は3兆円―。あと20年弱で、いまの10倍近い規模へ成長するという壮大な目標は、地球儀を見渡した上で掲げられている。

 札幌の小さな家具店にすぎず、倒産の危機に追い込まれていた約40年前。わらにもすがる思いで似鳥社長が渡米し、家具・インテリア店に並ぶ安くて質の良い商品に感動したことがニトリの原点だった。

 似鳥社長は言う。「日本は欧米より50年遅れていた。いまでも20年は遅れている。日本に本当の豊かさを提供したい。それがニトリのロマンなのです」

 同社の商品が欧米で通用すれば、それは日本が欧米に追いついた一つの証しとなる。夢に向かって挑戦は続く。

爆発的な購買力 魅力に
 安い人件費を背景に、ものづくりの場として注目されてきたアジア。ここへきて急速に豊かになり、商品を販売する「市場」としての魅力も高まっている。

 国際通貨基金(IMF)によると、中国の2014年の経済成長率は7.3%。最近は減速が目立つとはいえ、中国政府は今後も7%程度の成長を目標に掲げる。マイナス成長も珍しくない日本との違いは際立つ。成長を支える人口は13億7600万人。日本の約11倍だ。

 巨大市場を狙い、「ユニクロ」の ファーストリテイリング や「無印良品」の良品計画など、日本を代表する流通各社も中国で積極的な店舗展開を続けている。

  東南アジア諸国連合 (ASEAN、全10カ国)にも日本の5倍に当たる6億2200万人が暮らす。このうち タイ やベトナムといった主要5カ国では、2014年の成長率が4.6%だった。

 各国の購買力が高まったことで、商品の売れ行きも爆発的に伸びている。例えば中国では自動車の保有台数が2000年の1608万台から、2013年には1億2670万台へと8倍近くに増えた。

 「2032年に世界で3千店」の目標を掲げる家具・インテリア製造販売日本最大手ニトリホールディングス(HD、札幌)にとっても、アジアは重要な市場だ。現在の店舗数は台湾24、中国7にすぎないが、これを20年弱で台湾100、中国千まで増やす計画。特に中国は、700店を目指している日本を抜き、国別で世界最多となる見通しだ。

 今後の中国での大展開をにらみ、ニトリHDは2016年6月に販売子会社の似鳥(中国)有限公司(上海)を設立する。これとは別に、中国の物流を担う子会社も2015年中に発足させることにしている。
=おわり=(東京報道の幸坂浩が担当しました)
数値目標社内に活気
 流通アナリストの鈴木孝之・プリモリサーチジャパン代表の話
 経営者は社員にビジョン(目標、未来像)を示さなければなりません。似鳥昭雄社長が掲げる「2032年に世界で3千店」という目標は、それに向かって挑戦するエネルギーを社内に生み出していると思います。

 ただ、ニトリHDの事業には、まだ改善の余地があります。商品の安さには目を見張るものがありますが、デザイン性や陳列方法はもっと洗練させられるはずです。

 商品を見ているだけで楽しくなるような店づくりができれば、さらなる成長が可能になるでしょう。
20151213

(以上、北海道新聞より引用)

      ■         ■
 今日の記事の中で、
 「人材」ではなく「人財」。
 ニトリHDは社員をこう呼んでいる。
 毎年たくさんの店を出し続けるには、
 有能な社員を次々育てる必要がある。
 成長に欠かせない財産なのだ。

 この言葉が印象的でした。
      ■         ■
 医療にも通じることです。
 有能な人は財産です。
 人財を育てるのが大変です。
 似鳥昭雄社長が言われた、
 「日本は欧米より50年遅れていた。
 いまでも20年は遅れている。
 日本に本当の豊かさを提供したい。
 それがニトリのロマンなのです」

      ■         ■
 医療技術を見ると、
 日本が欧米より遅れていることはありません。
 残念なことですが、
 医薬品の許認可や、
 新製品の開発・認可は、
 欧米よりずっと遅れています。
 優秀な人財を育てるというニトリの方針は、
 医療経営にも役立ちます。
 北海道新聞の連載に感謝します。
 若い人にも道新を読んでいただきたいです。

“豊かさを追って_ニトリの挑戦⑤”へのコメントを見る

TEL 011-231-6666ご相談ご予約このページのトップへ