医学講座
                        
                            第59回日本形成外科学会(福岡)④                                                    
    
                         昨日(2016年4月14日)午後9時26分ごろ
 熊本県で震度7の地震がありました。
 被害にあわれた熊本県の方にお見舞い申し上げます。
 私は福岡のホテルにいました。
 iPhoneが大きな音で地震警報を発しました。
 数秒後に大きな揺れがきました。
 海から近いホテルなので津波を心配し、
 TVをつけました。
      ■         ■
 幸いなことに、
 津波の心配はなく、
 福岡市内は平穏でした。
 ホテルのEVが停止し、
 フロントの方が各部屋を回って、
 けがや異常がないことを確かめてくださいました。
 日本形成外科学会の歴史で、
 総会開催期間中に地震があったのははじめてだと思います。
      ■         ■
 今回の第59回日本形成外科学会、
 2日目までで一番印象に残ったのが、
 ◆シンポジウム12
 4月14日(木)13:00-14:30
 専門医取得後の形成外科人生
 司会
 吉村陽子(藤田保健衛生大学 形成外科)
 髙木誠司(福岡大学医学部 形成外科学教室)
 演者
「専門医取得後の形成外科人生」
 藤井海和子(がん・感染症センター 都立駒込病院 再建形成外科)
「私の専門医取得後の形成外科人生~一地方一般病院での26年~」
 木村 中(函館中央病院 形成外科)
「基礎研究室でのPhDコース+海外ポスドク=7年間の経験」
 野田和男(京都大学 医学部 形成外科)
「解剖学教室での形成外科人生」
 今西宣晶(慶應義塾大学医学部 解剖学教室)
「私の海外医療支援活動の経験–世界の医療団スマイル作戦を通じて」
 山田信幸(やまだクリニック)
「美容外科医のキャリアパス」
 室 孝明(ヴェリテクリニック 福岡院)
「専門医取得から乳房再建専門クリニックの町医者になるまで-そしてこれから」
  岩平佳子(医療法人社団 ブレストサージャリークリニック)
      ■         ■
 今までの日本形成外科学会にはなかった、
 新しい企画でした。
 とてもいい企画だと思いました。
 シンポジウムの最初に、
 司会の髙木誠司先生からお話しがありました。
 髙木先生は
 福岡大学医学部形成外科学准教授で、
 今回の日本形成外科学会総会事務局長です。
      ■         ■
 会長の大慈弥先生の右腕として、
 学会を取り仕切る立場の先生です。
 とても大変なお仕事です。
 この
 専門医取得後の形成外科人生は、
 髙木誠司先生の発案で企画されたそうです。
 各シンポジストの発表すべてが素晴らしいと思いました。
      ■         ■
 私は特に同じ北大形成外科同門の、
 函館中央病院形成外科の木村 中きむらちゅう先生の発表がよかったです。
 木村先生は、
 北大形成外科教授の山本有平先生と同期です。
 私から見て、
 お二人は仲良しの同期です。
 木村先生は、
 現在、北大形成外科で活躍中のたくさんの先生に、
 形成外科の基礎を教えました。
      ■         ■
 他のシンポジストの先生のご発表もよかったです。
 人それぞれの形成外科医人生です。
 苦労も多いと感じました。
 共通しているのは、
 形成外科という診療科目が好きなことです。
 きずを治すプロとしての形成外科が好きな人の集まりです。
 とても充実した3日間でした。
 大慈弥先生、髙木先生ありがとうございました。

                        
                        
                     
                                    
                                                医学講座
                        
                            第59回日本形成外科学会(福岡)③                                                    
    
                         昨日の福岡は夕方に雨でした。
 学会場の福岡国際会議場には、
 たくさんのタクシーが並びました。
 お隣の福岡サンパレスホールでは、
 SUPER JUNIOR KYUHYUN JAPAN TOUR 2016
 …が開催されていてたくさんの女性が並んでいました。
 福岡は活気がある街です。
      ■         ■
 今回の第59回日本形成外科学会は、
 シンポジウムだけで21もあります。
 とても全部を聞くことはできません。
 そのほかに、
 昨年から専門医講習の受講があります。
 定員90人のランチョンセミナーから、
 定員1000人の講習会まで券を買わなくてはなりません。
      ■         ■
 昨日の専門医講習では、
 定員1000人の感染対策講習が、
 券が完売になってしまいました。
 私はもともと聞くつもりがなかったのですが、
 1日しか学会に出席できない先生で、
 この専門医講習を受講したかった先生は、
 残念そうに『完売でした』
 …と話していらっしゃいました。
      ■         ■
 昨日聞いたシンポジウムの内容などは、
 また明日から書きたいと思います。
 院長日記を書く時間もあまりないくらい、
 朝から夕方まで学会があります。
 今日もしっかり勉強してきます。
 私も専門医講習の券を7枚希望したのに、
 今朝は3枚しか買えませんでした。
 専門医を維持するのも大変です。
 1枚1000円です。
 早い先生は朝6:30から並んで講習会の券を買ったそうです。
                        
                        
                     
                                    
                                                医学講座
                        
                            第59回日本形成外科学会(福岡)②                                                    
    
                         今日から第59回日本形成外科学会です。
 福岡はあたたかでいい天気です。
 天気予報では雨が降るようですが、
 朝の福岡は晴れています。 
 日本形成外科学会も大きくなりました。
 プログラム抄録集も厚くなりました。
      ■         ■
 今回の日本形成外科学会で一番驚いたのは、
 スマホアプリです。
 iPhoneでプログラムが読めます。
 AppleStoreでjsprs59を検索すると、
 黄色い画面の第59回日本形成外科学会が出てきます。
 これをダウンロードするだけです。
 実によくできています。
      ■         ■
 このアプリのいいところは、
 自分のスケジュールを設定できるところです。
 今回の学会では、
 会場が7つもあります。
 毎年プログラムを持って、
 あっちの会場から、
 こっちの会場とうろうろしながら聞いていました。
      ■         ■
 今年は、
 iPhoneだけでOKです。
 便利なことに、
 暗い会場で、
 明るい画面はとても読みやすいです。
 字も大きく拡大できます。
 これからの学会はこれになると思います。
      ■         ■
 大慈弥先生が次のように書かれています。
 形成外科・美容外科は、
 創造と革新を求め続ける特異な医学分野です。
 次のBreakthroughは何でしょうか?
 歴史を踏まえ、今回の学術集会は、
 皆様と「Next Breakthrough」を探る機会にしたいと考えています。
 プログラムだけでもすごいBreakthroughです。

                        
                        
                     
                                    
                                                医学講座
                        
                            第59回日本形成外科学会(福岡)①                                                    
    
                         明日から第59回日本形成外科学会です。
 昨年は京都でした。
 今日は札幌から福岡までの移動日です。
 ANA290便で行きます。
 札幌(千歳)14:40発→福岡17:10着です。
 2時間半の空の旅です。
 乗り換えがないので楽です。
      ■         ■
 第59回日本形成外科学会の会長は、
 福岡大学医学部形成外科学講座教授の
 大慈弥裕之先生です。
 大慈弥先生は、
 私と同年代です。
 誕生日は一週間違いです。
 1954年9月15日生まれ。
 卒業年度も1980年で同じです。
      ■         ■
 同年代だから私がほめるわけではありませんが、
 日本形成外科学会会長はすごいです。
 形成外科講座がある大学が増えました。
 有名大学の形成外科教授になっても、
 日本形成外科学会会長になれない先生もいます。
 それだけ大慈弥先生に実力があるという証拠です。
 福岡大学形成外科の初代教授で、
 名実ともに立派な形成外科教室を創られました。
      ■         ■
 大慈弥先生は、
 平成23年9月(2011年9月)に、
 第34回日本美容外科学会の会長も歴任されました。
 大慈弥先生が福岡大学形成外科HPに書かれたお言葉です。
 福岡市都市圏唯一の大学病院形成外科として、
 私どもは難易度の高い形成外科手術や再建外科手術を数多く手がけてきました。
 今後は、再建手術がさらに高度で洗練化されるだけでなく、
 創傷管理や抗加齢医療、美容医療の領域においても、
 形成外科が担う範囲がますます拡大することが予想されています。
 (福岡大学形成外科HPより引用)
 明日からの学会を楽しみにしています。
                        
                        
                     
                                    
                                                院長の休日
                        
                            「実験」の喜び                                                    
    
                         平成28年4月10日(日)、朝日新聞朝刊、男のひといきです。
 「実験」の喜び
 60歳で定年になったとき、「よし、毎日の夕飯は俺が作っちゃおう」と決めた。フルタイムで働いている妻への感謝の気持ちも込めて、2年間実行してきた。
 まずはメニューを決め、買い物へ。そして夕方からいよいよ台所に立つ。レシピを何度も見ながら手順を確認し、頭をフル回転させながら作業を進める。この「レシピ通りに作っていく」という作業が、学生時代の理科の実験をしているようで、実に楽しい。
 例えばカレーの時、カレー粉にトマトを加えて赤くなった鍋の中に、白いヨーグルトを注ぐと金色に変化。いつも1人ニヤニヤしながら「実験成功!」と心の中で叫んでしまう。ピザを作る過程で、ただの白い粉が、魔法をかけたように生地になって、膨らんでいくのも感動ものだ。時には実験失敗もあるが、成功して妻や子どもたちから「おいしい」と言ってもらえると、最高の幸せを感じる。
 2年間の実験のおかげで、天ぷらやオーブン料理、肉まんもできるようになった。さらに実験を積み重ねて、今度は地域の同年齢の男性方に、この喜びを伝えていけたらいいなあ、と思う今日この頃である。
 (横浜市 篠田高史 無職 62歳)
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 今日4月11日(月)は新聞休刊日です。
 昨日の朝日新聞朝刊です。
 投稿者の篠田高史様は62歳で私と同年代です。
 フルタイムで働いている妻への
 ♡感謝の気持ち♡も込めて、
 2年間実行してきた。
 すごいことです。
 篠田高史様を尊敬します。
      ■         ■
 「実験」の喜びは、
 お気持ちがよくわかります。
 私のアップルパイも、
 失敗の連続でした。
 最近は奥さんから、
 北菓楼のアップルパイが美味しいと言われています。
 試しに一個買ってきてもらい、
 中を見てみました。
      ■         ■
 奥さんいわく、
 パイがさくさくしているのがいいとのことです。
 私も反論します。
 これは小さなりんごが入っている。
 アップルの量が違う。
 さくらんぼさんのりんごは、
 大きくて水分がたっぷり、
 僕のはリンゴが大きいから、
 リンゴの果汁で下のパイはしっとりになる。
      ■         ■
 奥さんに言われっぱなしでは残念なので、
 今度は、
 北菓楼のアップルパイにチャレンジです。
 私の定年はまだ決まってませんが、
 休日の楽しみに、
 ぼちぼちアップルパイを作ります。
 そのうち、
 男の料理教室にも行きます。
                        
                        
                     
                                    
                                                昔の記憶
                        
                            イオンの自転車屋さんに感謝                                                    
    
                         私も奥さんも、
 自転車が好きです。
 古い自転車です。
 大切に乗っています。
 自転車屋さんのおじさんから買いました。
      ■         ■
 自転車に乗りました2015
 2015年3月23日の院長日記です。
 昨年は3月23日が初乗りでした。
 今年は少し早く3月17日から乗りました。
 昨年は調子がよかったのに、
 今年は一晩で後輪の空気が抜けました。
      ■         ■
 私の自転車は、
 息子のおふるです。
 もうぼろぼろです。
 昨年と一昨年は、
 ぎこぎこいっていたので、
 油を差しました。
 ぎこぎこ言わなくなりました。
 快適に乗っていました。
      ■         ■
 琴似の自転車屋さんまで行くのは大変なので、
 イオン桑園店の自転車屋さんにお願いしました。
 夜遅くまで、
 若い職人さんが働いています。
 他店で買った自転車なのに、
 親切にみてくださいました。
 ありがたいことです。
      ■         ■
 私:もう古いから(修理は)無理でしょうか?
 イオンの若い職人さん:(ブリジストンの)いい自転車だから修理できますよ。 
 イオンの若い職人さん:修理して乗ってる方も多いですよ。
 ありがたかったです。
 上手に修理をしていただいて、
 新しいタイヤになって快適に走っています。
 昨日は奥さんの自転車が故障しました。
 変速レバーが効きませんでした。
      ■         ■
 奥さんの自転車も、
 イオンの自転車屋さんで修理をしていただきました。
 とっても軽くなった。
 よかった。
 修理費も2000円ちょっとだった。
 ありがたいことです。
 これでしばらく愛着がある自転車に乗れます。
 イオン桑園店の自転車屋さん、
 ありがとうございました。
 感謝しています。

                        
                        
                     
                                    
                                                昔の記憶
                        
                            親父の人生に学ぶ②                                                    
    
                         昨日は親父の火葬から一週間でした。
 仏教では、
 亡くなった日から数えて7日目に営む法要を初七日と呼びます。
 本間家は無宗教なので、
 初七日も、
 四十九日もありません。
      ■         ■
 人が亡くなると、
 実にいろいろな手続きがあります。
 私たちは人が亡くなるまでのことはよく知ってます。
 おしっこの量(尿量)が減ってくるとまずい。
 SPO2(えすぴーおーつー)が80を切るとまずい。
 SPO2経皮的動脈血酸素飽和度
 (指につけて酸素の量を測定する装置です)
      ■         ■
 私は死亡届けを出して、
 火葬許可をもらうのを区役所に行ってしました。
 出生届けは24時間受け付けてくれるので、
 死亡届けも夜間でも大丈夫?と思っていました。
 ところが、
 死亡届けを出して、
 火葬許可をもらうのに時間がかかり、
 夜間はダメなことが行ってみてわかりました。
      ■         ■
 私にとっていい親父だったか?
 うーん。
 いい親父だったんだと思います。
 私が親父に感謝していることはいくつかあります。
 まず人生で役立っているのが、
 法律とか、
 契約書とか、
 裁判所とか、
 公証人とか、
 ふつうの人が知らない知識を自然と身につけてくれました。
       ■         ■
 これには理由があります。
 裁判所というところ
 2009年7月26日の院長日記に書いてあります。
 私の父は、
 私が子どもの頃に、
 自分の叔父と裁判をしていました。
 土地の取得をめぐっての裁判でした。
 父親は薬剤師ですが、
 法律を知らないばかりに、
 土地をだまし取られたと…
 私が小学1年生の頃に、
 NHKの大学講座で、
 法律を勉強していました。
      ■         ■
 その父親の影響か?
 私は社会科の中では、
 政治経済が好きでした。
 地理、
 日本史、
 世界史、
 はまったくダメでしたが、
 政治経済だけは、
 札幌西高校でも、
 10段階評価の10でした。
      ■         ■
 私は理系クラスでしたが、
 10段階評価で10を取ったのは、
 現代国語と政治経済だけでした。
 英語、
 数学、
 化学、
 生物、
 医学部の受験に必要な科目は…
 残念ながら10は取れませんでした。
 政治経済の担当は平野先生でした。
 物静かで温厚な先生でした。
 東大をご卒業と噂されていました。
      ■         ■
 政治経済が好きだった私でも、
 裁判所のことは知りませんでした。
 裁判が公開の法廷で行われることも、
 何となく知っていましたが、
 実際に行ったことはありませんでした。
 一民間人としては、
 できれば裁判所には行きたくないものです。
 昨年10月8日に、
 弁護士の高橋智先生の日記で教えていただき、
 はじめて医療裁判の傍聴に行きました。
      ■         ■
 裁判所というところは、
 実際に行ってみると、
 案外入りやすいところでした。
 事務的に、
 裁判を処理しているという印象でした。
 法廷は静かなところです。
 傍聴人は、
 椅子に座って黙って聞いています。
 甲(こう)とか
 乙(おつ)とか
 丙(へい)というような、
 あまり聞き慣れない日本語が出てきます。
      ■         ■
 裁判員制度ができて、
 裁判所も一般人を意識しています。
 ただ、
 携帯電話の写メは駄目だそうです。
 法廷内はもちろん、
 携帯は駄目だと思っていました。
 私が注意を受けたのは、
 一階の掲示板のところでした。
 裁判の予定表が、
 大学の学生用掲示板のように、
 紙にプリントされて貼ってありました。
      ■         ■
 法廷を間違えないように…
 写メに撮ろうとして注意されました。
 掲示板にコピーが貼ってあるので、
 部屋番号を忘れないように…
 撮っただけでしたが、
 裁判所内ではカメラは禁止と、
 衛視(ガードマンのような人)に言われました。
 よく見ると
 入口近くに撮影禁止と
 注意が書いてありました。 
      ■         ■
 親父のおかげで、
 公証人とか、
 公正証書とか、
 不動産に関する知識も身につきました。
 札幌美容形成外科を開業する時に、
 不動産賃貸契約をしました。
 札幌公証人役場に行き、
 元札幌地裁所長の三上英昭先生に
 公正証書を作成していただきました。
      ■         ■
 コンタクトオフビルの建替えについて、
 大同生命と闘うことになりそうです。
 親父のおかげで、
 契約書はしっかり公正証書で作成してあります。
 文書もしっかり保存してあります。
 裁判所と聞いても、
 堂々と公開の法廷で争うことに何の不安もありません。
 裁判になったら、
 ぜひ傍聴にいらしてください。
      ■         ■
 それにしても、
 帝国データーバンクが、
 もう少し私の院長日記を調査していたら、
 解決までに何年もかかるような、
 ちっぽけな老朽化したビルを
 購入しなかったのだろうに~
 私はひそかに微笑んでいます。
      ■         ■
 大同生命の山田健さん、
 しっかりと丁寧に説明してください。
 虎門中央法律事務所の
 弁護士柴田征範さん、
 所長の今井和男さんが著書に書いた、
 【テナントリスク】を解決してください。
 札幌美容形成外科との退去交渉は、
 建物が老朽化しているから退去せよとの一点張りで、
 一方的かつ強硬であったことから、
 (札幌美容形成外科の)態度は、硬直化しています。

裁判で苦労した親父、晩年は幸せでした
                        
                        
                     
                                    
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                            これからの乙武さん_小説家なら不幸ではない                                                    
    
                         平成28年4月8日(金)朝日新聞朝刊の記事です。
 (寂聴_残された日々:11)
 これからの乙武さん_小説家なら不幸ではない
 今から17年前の初夏、乙武洋匡さんが後にも先にも一度だけ、京都の私の住み家、寂庵(じゃくあん)へ訪れてくれた。たしか乙武さん、23歳の時だった。早稲田の学生で、すでに「五体不満足」という本を出版して、本は売れに売れ、有名人になっていた。
 その乙武さんと私との対談を、雑誌「現代」が企画した。
 約束の時間通り、現代の長身の編集者が軽々、乙武さんを胸に抱き、門から入ってきた。玄関に入るなり、私の足元へ、軽い荷物を置くように、抱いてきた乙武さんをひょいと置いた。乙武さんは、その瞬間、私の目には、一個のぬいぐるみのように見えた。そのショックで、私はうろたえてしまった。本も読み、写真も見てはいたが、実際に両手、両足のないその人を目撃した瞬間の驚きは、予期以上のものであった。この体で生まれ、早稲田の学生になって、ベストセラーの本を出すまでの歳月、人のしないどれだけの苦労をしてきたかと思うだけで胸がいっぱいになった。
 対談が始まったら、乙武さんは、すがすがしい美形の顔を真っすぐあげ、私の顔を正面から見て、その清潔で深い瞳で私の目を見つめ、質問に即座に期待以上の答えをくれた。
 「障害は不便である。しかし、不幸ではない」
 と、「五体不満足」の本に書かれたヘレン・ケラーの言葉を、彼の口から、きっぱりと、じかに聞くと、その言葉の重みが、格別の感動を呼びおこすのであった。彼以上の苦しみに耐えて、ここまで爽やかな人間に育てあげた母なる人の、精神の強さと聡明(そうめい)さに、改めて感動した。
 *
 会ったのはその時だけだったが、その後の乙武さんの動きや噂(うわさ)を他人事(ひとごと)ならず注意していた。結婚したと聞いた時も、教育者になったと聞いた時も、子供が次々生まれたというニュースも、自分の肉親の慶事のように嬉(うれ)しかった。
 ずっと陰ながら好意を抱きつづけ、その幸福を祈っていた乙武さんが、突然、不倫の不行跡をあばかれ、週刊誌に書きたてられ、マスコミに非難されている。
 まさか夏の参院選に向け、自民党で立候補するなど思いもかけなかったが、さすがにそれは取りやめた。
 これから生きのびるには、小説家になるしかないのでは。小説家は不倫をしようが、色好みの札つきになろうが、その恥を書きちらして金を稼いでもどこからも文句は言われないよ。
 ◆作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんによるエッセーです。原則、毎月第2金曜日に掲載します。

 
(以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 うちの奥さんがTVの報道を見て怒っていました。
 がっかりした、
 残念だ、
 選挙はダメだわ。
 女の人は投票しないわ。
 お怒りはごもっともです。
 知り合いの女性も、
 がっかりしたと話していました。
      ■         ■
 私は2012年9月に開催された、
 第4回世界創傷治癒学会連合会議で、
 乙武洋匡(おとたけひろただ)さんの特別講演をお聴きしました。
 感動しました。
 とてもよいお話しでした。
 今回の報道を残念に思っています。
      ■         ■
 こんなことを院長日記に書くと、
 さくらんぼさんからも
 なっちゅんさんからも
 お叱りを受けることは覚悟の上です。
 男性としての正直な感想は、
 五体不満足でも
 あっちの方は不満足じゃなかったんだ。
      ■         ■
 この報道を見て、
 俺でもできるかも?
 俺でも大丈夫かも?という、
 身体にハンディを持った男性がいると思います。
 女性にはわからないと思います。
 不倫は悪いことです。
 奥さんや子供さんがいるのにダメです。
      ■         ■
 米国大統領だって、
 不倫で大きく報道されたことがあります。
 女性の生理と同じで、
 男性には精液がたまってきます。
 たまってくると、
 放出したくなります。
 放出の仕方を誤ると、
 こんなことになります。
      ■         ■
 私は風俗には行きません。
 でも世の中には風俗が好きな男もいます。
 風俗で働く女性もいます。
 風俗には、
 身体にハンディを持った男性も行くそうです。
 そんな男性にも、
 サービスを提供してくれるそうです。
      ■         ■
 私の札幌医大の先輩、
 故_渡辺淳一先生は
 不倫を題材にした小説も、
 たくさんの女性とお付き合いをしたことも、
 小説に書かれました。
 乙武さんには、
 瀬戸内寂聴さんのお言葉のように、
 また活躍していただきたいと願っています。
 青少年に勇気と夢を与えるような仕事をしてほしいです。
 ぜひ名誉挽回をお願いします。
                        
                        
                     
                                    
                                                医学講座
                        
                            医師個人が訴えられます                                                    
    
                         昨日の院長日記、
 脂肪吸引の医療事故2016を、
 若い先生に是非読んでいただきたいです。
 なんちゃって美容外科医の先生、
 事故を起こしても、
 病院が賠償してくれるから大丈夫
 …なんて思わないでください。
      ■         ■
 佐賀県弁護士会の福島和代先生が書かれています。
 6 訴訟、美容外科の倒産
 美容外科を被告として訴訟を提起しましたが、
 訴訟継続中に、美容外科を経営していた医療法人が倒産してしまいました。
 このまま逃がしてはならんと思い、
 担当医師を被告に追加して訴訟を継続し、
 担当医師から慰謝料を支払ってもらうことで和解しました。
      ■         ■
 ♡安心の大手美容外科♡
 年俸2800万円で入職した若い先生、
 事故を起こしても、
 病院が賠償してくれるから大丈夫
 …だと思って、
 2年先輩の、
 なんちゃって美容外科医から指導されたように、
 脂肪吸引をして、
 もし脂肪塞栓で患者さんの呼吸が止まったら、
 医師個人としての責任を問われます。
      ■         ■
 スキーバスの運転手さんが、
 事故を起こして、
 乗客が亡くなったら責任を問われるのと同じです。
 せっかく苦労して手に入れた医師免許証です。
 医療事故を起こして、
 裁判所に行くようなことはしないでください。
 どんなに謝ったところで、
 患者さんが亡くなったら、
 患者さんの親や家族は許してくれません。
      ■         ■
 自分が施術した美容医療で、
 患者さんが亡くなったり、
 失明したりすると、
 一生後悔します。
 年俸2800万円にひかれて、
 美容外科に入職したものの、
 こんなことしていいのか?
 …と悩むのが普通の心を持った医師です。
      ■         ■
 もし事故を起こしてしまったら、
 なんちゃって美容外科医でも、
 一生後悔します。
 苦労して仕送りをした親が悲しみます。
 事故を起こしたということが、
 一生自分の身と心から離れなくなります。
 ♡開院以来死亡事故ゼロ♡と
 大きくHPに書いてあった美容外科から、
 ◆開院以来死亡事故ゼロが消えました◆
 医師個人の責任は経済的にも精神的にも重いです。
                        
                        
                     
                                    
                                                医学講座
                        
                            脂肪吸引の医療事故2016                                                    
    
                         弁護士の高橋智先生から教えていただいた、
 医療事故情報センターニュースです。
 全国の医療機関や医育機関に購読していただきたい、
 とても有意義な情報が満載です。
 今月号の記事をご紹介します。
 一年間でたった3240円です。
 これで不幸な医療事故が減ります。
      ■         ■
 センターニュース
 2016年4月1日発行 N0.337(5)
 弁護士リレーエッセイ
 福島和代(佐賀県弁護士会)
 美容医療過誤事件について
1 はじめに
 私は55期で佐賀県弁護士会所属です。佐賀に登録して間もない頃、たまたま受けた医療過誤事件について相談させていただいたのをきっかけに、九州・山ロ医療問題研究会に登録させてもらいました。医療過誤事件で分らないことがあると医療研の先生方にいつも質問させて頂いております。医療研のみなさまには、いつも有益かつ的確なアドバイスをいただき、ありがとうございます。
2 美容医療トラブルの相談
 私は、医療研佐賀支部所属ということで、傷病等をきっかけにした医療過誤事件も受けますが、その他にも、消費生活センター等で、美容医療トラブルの相談を受けることがあります。美容医療に関する被害は、医療過誤というより消費者被害に近い側面があり、やってみてびっくりするようなことが沢山ありました。私が過去に受任した脂肪吸引の医療過誤事件についてご報告させて頂きます。
3 被害者のきっかけ、勧誘
 本件の被害者は、友人と一緒に女性雑誌の広告を見て、この美容外科に電話をしたのが事件のきっかけでした。広告では、脂肪吸引手術の施術前の太った写真、施術後のマネキンのように痩せた写真が並べられていたそうです。被害者は来院して医師から無料カウンセリングを受けたものの、それは、太腿を指して「この辺が痩せられる」等の説明で、脂肪吸引手術の危険性についての説明はなく、手術から3日でデスクワークには戻れると言われたそうです。
 医師のカウンセリングの後にはカウンセラーと称する女性スタッフ(看護師、臨床心理土等の資格職ではない、受付の人)から、さらに勧誘を受け続け、腕のよい医師、最新の設備、アフターフォローは万全との説明を受けて、被害者は脂肪吸引手術を受ける契約をしました。代金は90万円以上しましたが、美容外科にはクレジット契約書も用意してあり、その場でクレジットの申込も出来ました。
4 脂肪吸引手術とその後
 被害者は、午前10時から午後5時くらいまで、約7時間かかって脂肪吸引手術を受け(複数の患者の手術を同時に行っていたようです。)、終わった後には手術と硬膜外麻酔の影響で痛みと吐き気がありました。しかし、その美容外科は外来診療のみで入院設備がなく、診療時間が終わると病院にも居られず、被害者は、友人の運転で、途中で嘔吐しながら帰宅しました。
 脂肪吸引手術後は、両脚全体に浮腫が起こり、1ヶ月位は靴もまともに履けませんでした。浮腫のために膝は3ヶ月くらい曲がらなかったそうです。
 本件の被害者は、脂肪吸引手術の後に起こる浮腫以外に、吸引手術後の処置がまずく、固定していたテープが皮膚に直接貼られていて、そこがラテックスアレルギーを起し、さらに炎症して感染症を起し、化膿して、皮膚が剥がれてしまいました。
 被害者が電話で相談しても、その美容外科は、被害者に来院を指示せず、診察もせずに、抗生物質と軟膏を郵送しました。医師の検診は手術の1週間後でした。検診までの間は、自分で施術箇所を消毒するのですが、患者が自分で感染症の管理をするのは難しいと思います。 1週間後の検診で、普通の医療機関に転院するように勧めてくれればよかったのですが、医師は、抜糸して、抗生物質と軟膏を処方し、3週間後の来院を指示しました。次の受診までの間も、自分で消毒しなければなりません。 しかし、傷口はどんどん広がり、深くなり、潰瘍になって、膿がとめどなく出て、褥創のようになり、被害者は微熱が続きました。
 被害者は電話で相談しましたが、来院の指示も、転院の指示もありませんでした。3週間後の受診で、被害者はMRSAに感染していることが分りましたが、次の受診はさらに1ヶ月後で、その間、自分で消毒して、薬を塗り続けました。
 脂肪吸引手術から2ヶ月後、被害者の左右の太腿の大きさが異なっていること、潰瘍がひどくなり、褥創みたいになっていることを訴えました。結局、時間の経過とともに傷口が大きな痕になってしまったので、目立たないようにする治療を受けましたが、あまり効果はありませんでした。アフターフォローは万全という説明でしたが、美容医療で実際に事故が起きてしまうと、なす術がないのだと思います。
5 受任、協力医師への相談
 私は被害者から相談を受け、本件を受任し、協力してくださる医師に相談に行きました。2名の医師に、それぞれ別の機会に相談に行きましたが、どちらの医師も普通の内科・医師で、被害自体にあきれられてしまいました。こんなの医療じゃないと半ばお怒りで、「この診療経過のどの辺が問題でしょうか?」という私のとんちんかんな質問に対して、「そもそも脂肪吸引なんてすることがおかしい、脂肪って、ゆらゆら浮いているものじゃないんだよ、筋肉と皮膚の間に脂肪があって、がっちり組織が繋がっているのに、脂肪吸引なんかしたら、中の組織は、皮膚と筋肉の間が離れちゃって、ぐちゃぐちゃになってしまうんだよ!]と、脂肪吸引がいかに危険か力説されてしまいました。また、「これで90万も取るの!」と、私が事案を説明すればするほど憤りが高まられ、普通の内科医師からすると、脂肪吸引をする医者も、受ける患者も、どっちも理解できないという感じでした。私としては感染症になったことについて何か意見をもらえればと思ったのですが、医師から意見書をもらうような事案ではないと判断し、訴訟提起をしました。
6 訴訟、美容外科の倒産
 美容外科を被告として訴訟を提起しましたが、訴訟継続中に、美容外科を経営していた医療法人が倒産してしまいました。 このまま逃がしてはならんと思い、担当医師を被告に追加して訴訟を継続し、担当医師から慰謝料を支払ってもらうことで和解しました。
7 事件を終えて
 被害の程度からすると、本件の慰謝料は低かったように思います。しかし、美容医療の場合、後遺障害の等級でいうと低めに出てしまうため、なかなか損害額の認定が高額になりません。
 私が事件を担当して思うのは、美容医療過誤の被害は作られている面があるということです。非常に危険でも、その説明を十分に行わずに、脂肪吸引等の美容医療の広告、勧誘が行われているケースを見ます。普通の医師の常識的な立場から、きちんと危険性の説明を受ければ、脂肪吸引などの美容整形手術を受ける人はかなり少ないのではないでしょうか?
 また、実際に被害に遭っても、後ろめたさ、恥ずかしさで外部に相談できず、被害を受けた美容外科の医師に頼ってしまい、他の医療機関に繋がらないケースも多いと感じます。まして弁護士に相談されない方も多いでしょうし、相談を受けても受任にまで至らない方は多いです。本件では、被害に遭ってもその美容外科に通い続け、弁護士に相談した時には、被害から相当の時間が経過していました。なんとか解決まで辿り着きましたが、被害者が被害を受けた美容外科に通い続け、囲い込まれてそのまま泣き寝入りのパターンは相当あるのではないかと思います。正確な情報を発信して被害を減らす取組が必要だと感じました。
(以上、センターニュースから引用)
      ■         ■
 同業者として残念な事件です。
 この医療事故情報センターニュースで掲載されなければ、
 美容外科に従事する医師に知られることもなかったと思います。
 私の正直な感想は、
 被害者の女性が、
 【死ななくてよかった】
 【生きていてよかった】
 です。
      ■         ■
 脂肪吸引のトラブル
 2007年5月15日の院長日記です。
 PRSという米国形成外科学会雑誌に掲載された学術論文です
 大手美容外科(倒産しました)で起こった事故です。
 感染症で命を落とす寸前でした。
 救ってくださったのは、
 北大形成外科の先輩です。
 現在は武蔵野赤十字病院形成外科にいらっしゃる、
 梅田整(うめだただし)先生です。
      ■         ■
 弁護士の福島和代先生が書かれているように、
 脂肪吸引手術の危険性についての説明はなく
 手術から3日でデスクワークには戻れる
 医師のカウンセリングの後には
 カウンセラーと称する女性スタッフ
 (看護師、臨床心理土等の資格職ではない、受付の人)から、
 さらに勧誘を受け続け、
 腕のよい医師、最新の設備、アフターフォローは万全との説明を受けて、
 被害者は脂肪吸引手術を受ける契約をしました。
      ■         ■
 こんな美容外科は日本中にたくさんあります。
 厚生労働省も、
 消費者庁も、
 マスコミも、
 積極的に摘発しようとはしていません。
 私が昨年4月に京都で開催された第58回日本形成外科学会で、
 厚生労働省、医政局総務課医療安全推進室長
 厚生労働省医療安全推進官
 大坪寛子先生に質問しました。
 残念なことですが、
 派手なCMでだまされる女性は現在でもいます。
 不幸な事故が無くなる日が来ることを祈っています。
 この問題を書いてくださった、
 佐賀県弁護士会の福島和代先生に感謝いたします。

Plastic and Reconstructive Surgery,Vol.106p204,2000より引用