院長の休日
ゴリラも顔の時代
平成27年10月11日、朝日新聞朝刊、天声人語です。
甘美な名作をいくつも残した詩人ヴェルレーヌは容姿に恵まれなかった。気の毒な逸話がある。少年時代、友人の家へ遊びに行くと、その母親があとで息子に「まるで動物園から逃げ出したオランウータンのようね」と言った(アンリ・トロワイヤ著「ヴェルレーヌ伝」)
▼肖像画を見るとおでこが出っ張り、逸話もあながち誇張ではなかったかと思わせる。だれしも思春期には自分の容姿で悩むものだ。美形の友をねたみ、似た顔の親をうらむ。
▼世の男性のそんな容姿コンプレックスを呼び覚ますと話題のイケメン・ゴリラに名古屋市の東山動植物園で対面した。18歳シャバーニだ。間近で見ると、うわさにたがわぬ二枚目である。目もとが涼しい。ツイッターやフェイスブックで評判が広まり、欧米テレビ局が「流し目のハンサム」と紹介。今月初めには写真集も出た。
▼「飼育動物の美醜を公式には言いにくいのですが、春先からシャバーニ見たさの来園者が増えました」と飼育担当の伊東英樹さん。「彼の兄が東京にいます」と教えられて上野動物園を訪ねた。
▼ハオコ22歳。整った顔ではあるが、弟ほどの色気は感じられない。ヒト界とゴリラ界で美醜の基準が同じかどうかは知らないけれど、弟が主役タイプなら、兄は脇役タイプか。
▼不思議なもので、見比べて心ひかれるのは兄のほう。弟よりは地味な面立ちだが、友とするなら断然こちらだ。容姿に悩みつつも文学史に名を残したヴェルレーヌの例もある。幸多かれと祈った。
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
男も顔で選ばれる時代です。
うちの奥さんは、
小泉元首相のご子息が気に入っているようです。
TVでCMが流れると、
私に教えてくれます。
天声人語を読んで、
さっそくネットで話題のゴリラを見ました。
■ ■
私にはゴリラの顔はわかりません。
話題のイケメン・ゴリラは、
私好みではありませんでした。
私は眼瞼下垂症手術をしていただいてから、
視界が広くなりました。
車の運転も楽になりました。
学会で前の席に座ってスライドも見えるようになりました。
■ ■
HPの顔を見ても、
昔の顔より今の方がよく見えます。
2015年9月24日から新しいHPになりました。
今回もオフィスクロスロードの
須崎克之様に作っていただきました。
スマホ対応にしていただきました。
HPもリニューアル、
院長の顔はリニューアルから5年です。
ゴリラも顔で選ばれる時代です。
野党の政治家も、
人相を良くすると女性票が増えると、
(私は)思います。


昔の記憶
石炭ストーブの思い出
一年の半分以上は暖房が必要な北海道。
暖房の仕組みも変わりました。
私が子供の頃は、
石炭が暖房の主役でした。
どこの家からも、
SLのように黒い煙が出ていました。
昔の札幌は石炭を燃やした煙で、
冬にスモッグが発生していました。
■ ■
今の中国で起きている、
大気汚染と同じです。
ただでさえ日照の少ない冬に、
煙が太陽の光を遮っていました。
冬に青空はなかったのです。
石炭は重くて、
運ぶのも大変でした。
とにかく石でしたから、、、
■ ■
炭鉱に住んでいた私たちは、
石炭が無料でした。
馬車に乗ったおじさんが、
石炭を運んでくれました。
美唄でも夕張でも、
石炭は馬車が運んでくれました。
その上、炭鉱の住宅は、
電気も水道も無料でした。
■ ■
亡くなった祖母が、
石炭がただなのはいいねぇ~
…とよく言っていました。
その代わり、
ただの石炭は、
火をつけるのが難しかった記憶があります。
子どもが石炭ストーブに火をつけることはありませんでしたが、
薪を使って火をつけていました。
■ ■
うまく火がついても、
ストーブが赤々と燃えるまでに時間がかかりました。
ストーブに石炭を入れることを、
石炭をくべると言いました。
石炭をストーブに入れるシャベルを、
じゅうのうと言いました。
でれっきという金の棒もありました。
でれっきで石炭をつついて、
ストーブの中の石炭を調節していました。
■ ■
北海道の人が、
部屋の温度を暑くなるまで高くするのは、
調節が難しい石炭ストーブの影響もあると思います。
とにかく一度消してしまうと、
簡単に再点火ができませんでした。
温度調節はもっと難しかったです。
今のようにSW一つで、
24℃とかに設定できるなんて、
昔は考えられませんでした。
石炭ストーブは昭和40年代まではふつうでした。
院長の休日
札幌は寒くなりました2015
毎年10月になると、
寒くなってきたとか、
寒いですという院長日記があります。
2014年10月4日に、
寒いけどがまん
2014年10月5日に、
もう一枚着たら
…がありました。
■ ■
毎年のことですが、
朝起きて室温が20℃になっていると、
寒いと思います。
私は寒がりです。
北海道の人は、
暖房で部屋を暖かくするので、
冬でも室内では半袖の人がいます。
■ ■
うちの奥さんは関西人なので、
冬に半袖は変だと言います。
冬は寒いのだから、
もう一枚着るのがあたりまえです。
奥さんの言うことはもっともです。
でも、
北海道の人は冬でも室内でアイスを食べます。
■ ■
北海道では、
多くの家庭にはこたつはありません。
本間家にもありません。
寒い寒いを連発したら、
明日から暖房を入れてもいいという、
奥さんからの許可が下りました。
毎年10月10日ごろから、
本間家では暖房を入れます。
これから来年まで、
半年以上暖房のお世話になります。
今年は灯油価格が下がっているのありがたいです。
医療問題
脱毛エステ最大手ミュゼが遂に破たん
昨日の院長日記、
ミュゼプラチナム、任意整理への続きです。
新潮社のフォーサイトの記事です。
フォーサイト既報の「脱毛エステ最大手ミュゼ」が遂に「破たん」
執筆者:内木場重人 2015年10月6日
女性専門脱毛サロン最大手の「ミュゼプラチナム」(以下「ミュゼ」)の経営危機について、フォーサイトはこれまで何度も報じてきた。
『医師法違反』の声もある『脱毛エステ』疑惑の商法
(2015年5月21日)
『脱毛エステ最大手』に浮上した『経営危機説』『健康被害隠蔽』
(2015年6月19日)
『脱毛エステ最大手』ついに『経営破たん』:刑事事件に発展も
(2015年8月25日)
その運営会社である株式会社ジンコーポレーション(以下「ジン社」)の髙橋仁社長が本日(2015年10月6日)、都内で記者会見し、任意整理に入ったことを明らかにした。事実上の「破たん」であり、フォーサイトのこれまでの指摘がすべて正しかったことを証明した形になった。
解約金も返金できず
ミュゼは創業からわずか10年あまりで急成長し、会員数270万人、店舗数約190、年商約380億円。名実ともに業界最大手に君臨していたが、その内実は火の車だった。
「全身脱毛100円という激安商法で会員を増やしたが、まったく予約が取れないという苦情が殺到。施術方法も医師法違反の疑いが濃厚で、火傷などの被害も相次いでいました」(ジン社幹部)
すでに今春あたりから資金繰りが悪化、社員の夏の賞与も見送り、社員旅行も中止。それでも、髙橋社長は社員向けに「(フォーサイトなどの)記事は事実無根。賞与も冬には出すし、社員旅行も年明けにはやる」と説明。ミュゼの公式HPでも顧客向けに「心配ない」との説明を掲載していたが、逆にそれらはすべて「事実無根」だったことになる(6日、さらに「インターネット記事について」と題する告知をアップし弁明に努めている)。
会見で明らかにした「任意整理」とは、銀行団など債権者と借金の返済方法について協議に入るということ。
「銀行団との協議自体はすでに夏前から入っており、返済を強く求められていた。財務調査のためにコンサルタント会社も常駐し、9月末までに調査結果をまとめて銀行団に報告することになっていた。会見では事業を継続すると説明していたが、このままの規模で継続しても状況は変わらない。早晩、会社更生法などの倒産処理を進めざるを得なくなるでしょう」(同)
解約する場合には当然ながら予め収めた金額を返金するシステムがあるが、当初は翌月の返金だったのが、今夏から2カ月先に繰り延べ。ところが、9月30日に返金しなければならなかった分について、10月1日になっても返金できない事態まで出来していた。
現時点での正確な負債額は判明していないが、テレビCMや電車の中吊り広告など巨額の広告費で大手広告代理店・電通に20億円あまりの未払い金があるなど、総額では500億円以上ともみられている。今回の会見でさらに解約が殺到した場合、いよいよ資金繰りに窮することになるだろう。まだしばらくは注視が必要だ。

■ ■
ノーベル賞受賞者が2人も出る、
2015年の日本で、
TVで大々的に宣伝している脱毛サロンが、
医師法違反、
詐欺的商法で、
当然のごとく経営破たん。
何とも情けない話しです。
■ ■
東京の地下鉄やJRや私鉄にも、
たくさんミュゼの広告が出ていました。
取り締まるべき立場の、
女性の警察官でさえ、
エステの脱毛が医師法違反とは知らず、
契約してしまった人もいます。
国会議員も、
厚生労働省のお役人も、
ミュゼの広告は知っているはずです。
■ ■
病院はもちろん、
美容室も、
衛生的な環境を維持するため、
保健所の指導を受けます。
自分の肌を機器で焼いて、
毛を焼く治療なのに、
施設基準もなければ、
保健所の指導もありません。
■ ■
日本美容医療協会が声明を出している、
エステ脱毛は医師法違反だ!
…という公式見解を、
もっとマスコミが取り上げていただきたいです。
270万人の会員のうち、
どれだけの人が満足に脱毛できたのか、
しっかり調べていただきたいです。
100円で集客して、
ねずみ算式に会員数を増やすと、
脱毛できない、
予約が取れない、
そんなお客さんが増えるのは小学生でもわかります。
医療問題
ミュゼプラチナム、任意整理へ
平成27年10月7日、朝日新聞朝刊の記事です。
ミュゼ、任意整理へ 格安脱毛で人気 「事業は継続」
脱毛エステ最大手の「ミュゼプラチナム」を運営するジンコーポレーション(本社・東京都渋谷区)は10月6日、借金の返済が滞り、銀行団との間で任意整理の協議に入っていることを明らかにした。事業は続けたうえで、再建計画をまとめ、来年3月までに銀行団の同意を得ることを目指す。
高橋仁社長が同日、都内で会見して明らかにした。
ミュゼは全国に脱毛エステサロン約190店を展開し、会員は270万人。8月下旬から9月上旬にかけて解約件数が増え、前もって支払ったエステ代金を顧客に返す費用などがかさんだ、と説明している。
昨冬以降、スタッフが不足気味にもかかわらず、テレビCMや電車内広告を打ち続け、予約が取れないなどの苦情が出ていた。高橋社長は「過大な広告が経営の誤りだった」と述べた。
ミュゼ側は会見で、違法な会計や、顧客への返金が滞ったことはないと説明。施術時間を半分にできる高速の脱毛機を導入し、今後は予約しやすくなると説明した。
常陽銀行(水戸市)など主要取引銀行のほか、電通など広告会社に対しても負債があり、支払い猶予の交渉をしている。負債額は明かさなかった。
ミュゼの運営会社は2002年に福島県郡山市で設立。格安料金を売りに急拡大した。2014年の売上高は386億円。(岡林佐和)
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
美容外科医の間では、
以前から話題になっていました。
100円で脇の脱毛がし放題なんて、
常識では考えられません。
朝日新聞に書いてあった、
高橋仁社長は、
Gooleの無料検索やGmailと同じ仕組みで、
儲かると著書まで出していました。
■ ■
そもそも、
エステで毛乳頭を破壊する機器を使って、
脱毛をすることが違法です。
日本美容医療協会HPに、
エステ脱毛は医師法違反だ!
…という公式見解を出しています。
■ ■
マスコミがどうしてこの問題を大きく取り上げないのか?
実に不思議です。
多額の広告料をいただいていたので、
後ろめたい気持ちがあるのでしょうか?
「事業は継続」と書かれていますが、
いずれ事業を継続できなくなります。
法律を改正すれば別ですが、
明らかに医師法違反です。
■ ■
ミュゼプラチナム経営破たん?
ミュゼどこに相談すればよいか?
…の院長日記を読んでください。
賢明な方は、
今すぐに解約返金の手続きをしてください。
そのうち閉店続出で、
残ったのはローン残高と、
脱毛されない毛だけになります。
あまりにもひどい話しです。
昔の記憶
世のため人のためになる研究
2015年ノーベル医学生理学賞を受賞された、
大村智先生のお言葉です。
新聞に掲載されていた、
世のため人のためになる研究
困っている人を助ける研究をしなさいという言葉が印象的です。
朝日新聞によると、
大村さんにとって、育った環境は大きいという。
忙しい母親に代わり、育ててくれた祖母からは
「人のためになることをしろ」と教えられ、
農作業と村の世話役にいそしむ父親からは勤勉さを、
教師の母親がカイコを飼いながらつけていたノートからは、
科学する心を学んだという。
■ ■
恥ずかしながら、
私はノーベル賞受賞のイベルメクチンを知りませんでした。
大村先生のお名前もはじめて知りました。
新聞の見出しにあった、
農家育ち、
定時制教師から研究者へというのがいいです。
国立大学ではなく、
北里大学というのがいいです。
先生が山梨大学卒業というのがいいです。
■ ■
大村先生のお言葉、
学生に向けたメッセージとして、
「失敗してもいいからやってみようという気持ちを絶えずおこさなきゃならない。
成功した人は、人より倍も3倍も失敗している。
だから1、2回失敗しても、どうってことないよと言いたい」
と話した。
日本にも素晴らしい先生がいらっしゃいました。
大村先生おめでとうございます。
奥様の写真とご一緒に、
12月の授賞式に行かれるのは♡最高です♡。

関田航撮影、朝日新聞より引用
二重・眼瞼下垂
目頭側の二重幅が広い
二重切開の手術を受けたけれど、
目頭側の幅が広いのです。
眼瞼下垂症手術を受けたのですが、
目頭側の黒目が隠れています。
このようなメール相談を受けることがあります。
二重の目頭側の幅が広くなったり、
黒目が隠れたりするのは、
眼瞼挙筋という筋肉の構造のためです。
■ ■
眼瞼挙筋という筋肉は、
目頭側が薄く弱くなっています。
固定するのも大変です。
目頭側の筋肉がうまく働かないと、
目頭側の二重幅が広くなったり、
目頭側の黒目が隠れたりします。
二重切開の手術をしただけでは改善しません。
■ ■
私が開業して11年です。
一番多い手術が目の手術です。
昔は眼瞼下垂がんけんかすいといえば、
加齢よるまぶたの下垂や、
生まれつき目の開きが悪い、
先天性眼瞼下垂症だけを手術していました。
この10年で眼瞼下垂症に対する考えが変わりました。
松尾清先生のおかげです。
■ ■
2008年4月2日(水)にNHKのためしてガッテンで放送された、
松尾清先生の業績によって、
『眼瞼下垂症は形成外科で治す』という認識が生まれました。
若い人でも、
挙筋機能が悪い人がいます。
二重の手術を受けても、
眠たそうな目のままの人がいます。
■ ■
ネットで調べて、
高い美容外科に行っても治せないことがあります。
もともと下の絵のような目をした女性は、
眼瞼下垂症です。
アレルギーで目をこすっていたり、
ハードコンタクトを使っていると、
まぶたを開く筋肉が弱って、
眼瞼下垂症になります。
二重の手術を受ける前に、
眼瞼下垂症かどうか、
目の手術をたくさんしている形成外科医に診てもらうことをおすすめします。
ネットで調べて【相談無料】の美容外科に行っても治りません。

医学講座
楽にやせる薬はありません
体重が100㎏を超えている私の知人です。
本間、お前に、
このままだと死ぬぞ
…って言われたけど、
なかなかやせないんだゎ。
いやしいから食っちゃうんだなぁ
これがぽっこりしたおなかの原因です。
学歴も地位もある人です。
血圧も高めだし、
私は心配しています。
■ ■
TVを見ていると、
ぽっこりしたおなかが出てきて…
有名な製薬会社の漢方薬を飲むと、
すっきりしたおなかになるようなCMがあります。
うちの奥さんが、
これ、
うそだよねぇ~
…と言って見ています。
私もうそだと思います。
■ ■
私が推奨するのは、
2006年11月22日の院長日記
100円で痩せる方法
2007年11月5日の院長日記
一年で50㌔減量
この方法です。
大阪芸術大客員教授・岡田斗司夫さん(49)が、
中年男性向けに執筆したダイエット体験記。
「いつまでもデブと思うなよ」(新潮新書)
…に書かれたダイエット法です。
■ ■
レコーディングダイエット
食事の記録を基本に、117㌔の体重を67㌔まで減らした岡田さん。
岡田さんが実践した「レコーディンク(記録)ダイエット」
①飲み食いしたものと時間をメモする「助走」
②食事のカロリーは記すが、制限はしない「離陸」
③摂取カロリーに上限を定める「上昇」
④他の減量法とカロリー制限を組み合わせる「巡航」、
の四段階。食事の内容や時間は自由で、脂肪分や菓子も制限せず運動もしない。
ただ毎日、体重を量る。
■ ■
きっかけは「食べ歩き日記でも書こう」と食事を記録し始めたこと。やがて、体重が減り始めて驚いた。メモをとる煩わしさで、無意識に太りそうな飲食を減らしていたからだ。
「深夜に菓子をつまんだり、炭酸飲料をガブ飲みしたり…。
自分がいかに“太る努力”を自覚せずに続けてきたか。
肥満の理由を思い知らされた」と、メモ効果を振り返る。
■ ■
間食が減り、5ヵ月間のメモだけで体重は10㌔減。
そこから「カロリーを抑えれば、もっとやせる」と、やる気が出た。
一日のカロリー上限は、
自身の基礎代謝量(何もしなくても一日で消費されるカロリー)より少し多い1500㌔㌍に決めた。
■ ■
代謝量の計算法や食品のカロリーはインターネットのホームページで見つけた。
カロリー表示をしている飲食店もあり、カロリー配分を工夫できる。
だが優先するのは、栄養バランスより記録。
「そのうち『レモンが食べたい』とか、不足している栄養分を体が求めるようになる」という。
■ ■
大事なのは、四つの段階を省かず途中でやめないこと。
カロリー制限を超えた日があっても減量を続け、好物は食べる量を減らす。
岡田さんはハンバーガーを八分のーだけ食べ、残りは捨てた経験もある。
「肥満が問題視されているのに、外食産業の一人前は多すぎる。
半分や三分の一の量のメニューを増やすべきです」と指摘する。
■ ■
減量中は、一時的に便秘気味になった以外は体調が良く、体が軽くなり歩く距離も増えたという。
現在は記録をやめ、一日約二千㌔㌍をとっているが、体重の増減はない。
岡田さんは四段階のダイエットを一年続けたが、目安は半年という。
■ ■
肥満に詳しい札幌複十字総合健診センターの坂本真一医療参与は
「(カロリー制限は)栄養バランスをとるのが正しいが、続かないと意味がない。
できない人には(岡田さんの減量法は)入り口として、選択肢の一つにはなる。
ただし、運動も大切だ」としている。
(以上、平成19年11月4日の北海道新聞より引用)
さあ、今日からでも遅くはありません。
継続は力なり。
決して諦めず、辛抱強く続けることが大切です。
受験勉強と同じです。


100㌔以上あった頃の岡田さんと
減量後の岡田さん。その体重差は50㌔
(北海道新聞より引用)
医学講座
痩身目的の注射で広範囲壊死を生じた1例
昨日の院長日記でご紹介した、
形成外科10月号は札幌美容形成外科の職員にも見せています。
私が日頃から、
無理な手術で悲惨な例をよく見せているので、
多少のことでは驚きません。
札幌美容形成外科の職員は患者さんからの問い合わせにも、
適切に
親切に
対応してくれます。
■ ■
形成外科10月号を見た女性職員が、
一番驚いていたのが、
日本大学形成外科の、
樫村勉先生と仲沢弘明先生の
痩身を目的とした薬剤の皮下注入により腹部の広範囲壊死を生じた1例でした。
私が見ても、
まるで壊死性筋膜炎の後か、
蜂窩織炎の後のようです。
■ ■
この患者さんは、
もし日本大学形成外科に入院して手術をしていなければ、
亡くなっていた可能性が高いと思います。
梅田整先生が報告された、
脂肪吸引後の感染症例に似ています。
日本大学形成外科の仲沢弘明教授は、
日本熱傷学会理事長です。
適切な判断で救命できました。
■ ■
論文の内容です。
患者さんは痩身目的で、
非医療施設で腹部皮下に脂肪融解剤とされる薬剤を注入されました。
注入直後から激しい疼痛を訴え、日本大学救命救急センターに救急搬送されました。
入院後に全身麻酔下に皮膚が壊死になった部分を切除しました。
その後に腎不全となりましたが救命されました。
10日目に壊死の範囲が拡大したためさらに切除を追加しました。
約1ヵ月後に植皮術を実施しましたが大きな傷が残りました。
■ ■
施術した者は逃走し、
警視庁科学捜査研究所と日本大学病理部で検査をした結果、
注入された薬剤は強アルカリ性であることが判明しました。
アルカリによる損傷は重症になります。
私自身も熱傷深度の判定を誤りました。
患者さんには申し訳ないと今でも思っています。
日本大学形成外科の患者さんも、
入院直後に壊死組織を切除していなければ、
亡くなっていた可能性があります。
■ ■
搬送された救命救急センターに、
仲沢先生がいらっしゃらなかったら、
この患者さんは亡くなっていたと思います。
注射だけでやせるというのは、
確かに魅力的な言葉です。
でもわけのわからないものを注射されると、
生命にかかわります。
美容外科での施術ではありませんが、
簡単にやせられるというの100%うそです。
医学講座
悲惨な鼻の後遺症
昨日2015年10月1日、年間購読している、
形成外科という専門誌の10月号が届きました。
先月号には、
レディエッセで失明した患者さんが掲載されていました。
この論文を契機に、
札幌美容形成外科ではレディエッセを中止しました。
■ ■
今月号の論文は、
下顎骨骨切術(いわゆるエラ削り)による後遺症、
オトガイ形成術による後遺症、
鼻の手術による後遺症が掲載されています。
鼻の患者さんは、
23歳と27歳の女性です。
それぞれ別のクリニックです。
■ ■
美容外科に従事する先生には、
なんちゃっての先生も含めて、
是非読んでいただきたい論文です。
これから美容外科に転科を考えている先生にも、
こんな合併症があることを知ってほしいです。
そして患者さんや一般国民にも、
こんな後遺障害で苦しんでいる人がいることを知って欲しいです。
消費者庁や国民生活センターにも動いていただき、
広くマスコミで取り上げていただきたいです。
■ ■
形成外科 第58巻第10号(2015年10月号)
特集:美容医療の合併症から学ぶ2─骨切り他編─
企画にあたって 細川 亙 1077
下顎角部骨切除術で関節突起も一塊として摘出された1例 細川 亙 1079
下顎角形成術後の合併症の1例 高橋範夫ほか 1082
過剰なおとがい骨切除術後にインプラント挿入を受けた1例 田口久雄ほか 1086
美容手術後の外鼻変形の1例 井上義一ほか 1090
治療に難渋した美容手術後外鼻変形の1例 細川 亙 1094
正常な未成年者に対して行われた植毛術により禿げ様外貌に陥った1例 岡崎 睦 1098
包茎専門美容外科クリニックにおける術後尿道欠損の1例 渡辺頼勝ほか 1102
痩身を目的とした薬剤の皮下注入により腹部の広範囲壊死を生じた1例 樫村 勉ほか 1107
下腿脂肪吸引術後に激痛と皮膚潰瘍を生じた1例 河内 司ほか 1111
腰腹部の脂肪吸引術後に広範囲に難治性の多発膿瘍を生じた1例 森 秀樹ほか 1115
乳房増大を目的とした脂肪吸引術後に採取部に皮膚壊死を来たした1例
(以上、克誠堂出版HPより引用)
■ ■
大阪大学の細川亙(ほそかわこう)先生は日本形成外科学会理事長です。
この特集号には、
細川先生ご自身が2編の論文を書かれています。
形成外科学会理事長として、
細川先生の強いお気持ちが伝わります。
細川先生のお言葉です。
美容医療の合併症から学ぶ②
―骨切り他編―
企画にあたって
学術雑誌に論文を投稿する目的の1つは、個人的に経験した極めてまれな事象を読者に知ってもらい、多くの人が共有する知識と経験にする、ということです。
いわゆるまれな病気の1例報告などはこれに当たり、学術雑誌の重要な使命です。
永い間形成外科の診療をしておりますと、美容医療などで生じたまれな合併症を目撃する経験が幾度かあります。患者さん個人にはお気の毒なことですが、そのような貴重な事例は発表されて衆知され、その後の予防などに活用されなくてはなりません。しかし、美容医療での合併症を目撃しても、前医での治療前や治療中の情報が不十分であることが多く、論文として雑誌に症例報告することを断念せざるを得ない場合がほとんどなのではないかと推測します。今回の特集では、通常の論文で要求するような術前・術中に関する詳細な記載は必ずしも求めず、論文作成のハードルを極力低くすることで、貴重でありながら日の目を見ずそのまま闇に葬られてしまいそうな事例を拾い上げて光を当てようとしました。
このような企画に対して、さまざまな美容医療合併症例の投稿がありました。
前号にはそのうちフィラーの注入(脂肪注入を合む)に関する合併症のみを掲載致しましたが、本号ではフィラー注入を除く各種の合併症をまとめました。顔面骨切りをはじめとする各種の美容医療の施術により、思いもよらないような合併症を生じている現実を知っていただき、重篤な合併症の回避に留意していただくための警鐘になればと思います。
大阪大学形成外科 細川 亙
