医学講座
包茎手術のキズ
昨日は、包茎手術の価格について記載しました。
ネットで検索すると、包茎手術でキズが残り、被害に遭ったという情報があります。
しっかりしたクリニックで、腕の良い‘先生’に手術を受けると、包茎手術のキズはほとんどわからなくなります。
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‘被害に遭った方’の状況をネットで拝見すると、
通院不要
溶ける糸で縫合
キズが残らない手術法
などという、広告に問題があると思います。
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私が包茎手術をしても、トラブルになるリスクがある方はいらっしゃいます。
一番、キズが治りにくいのが糖尿病です。
一度も定期健康診断を受けたことがない方がいらっしゃいます。
自分で気づかないうちに、糖尿病になっていて、包茎手術の血液検査で見つかった方もいらっしゃいました。
その方は、手術後に糖尿病の治療もして、キズが問題なく治りました。
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『急に包皮に炎症を起こし勃起できなくなった』
と、受診された方が、何人かいらっしゃいました。
手術をせずに検査をして糖尿病が見つかりました。
糖尿病を治療しないと、治りません。
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通院不要は手術を受ける側にとって、魅力的な言葉です。
恥ずかしい思いをするのは、一度でたくさん。
通院が不要なくらい、‘簡単’な手術だと考えてしまいます。
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指をナイフで切ったことを考えてください。
縫合しなければならないほど切ったら、必ず抜糸には通院します。
溶ける糸で縫合し、通院もしないとは考えません。
どんなに丁寧に手術をしても、軽度の出血はあります。
指を切った時も、指を動かすと痛いですし、じっと安静にしています。
自分の大切な部分を切るのです。
手術の後は、安静にして半日くらいは休むべきです。
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形成外科で顔のキズを縫う時に使うのが、ナイロン糸という溶けない糸です。
このナイロン糸で縫合するのが、一番キレイに治る縫合法です。
HPに記載したように、‘溶ける糸’で縫合しても、糸は溶けないものです。
糸が溶けなかったところは、しこりになって固くなります。
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ネットで見る、問題があるキズは、たいてい瘢痕(ハンコン)という状態です。
縫い方がわるかったり、手術後の管理が悪いと瘢痕になります。
手術後の局所処置は、ご自分でも可能です。
ただ、手術事体が雑だったり、下手だったりすると、手術後に痛みも腫れも強くなります。
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包茎手術は、上手に手術をすると、手術から2~3日こそ少し痛いものの、
その後は痛み止めを内服する必要もないくらいになります。
私は、本人が気になるなら、包茎手術を受けるべきだと思います。
そして、どうせ手術を受けるなら早いうちに受けるべきだと思います。
一生に一度手術を受ければ、世界中どこへ行っても恥ずかしくありません。
ただ、慎重にクリニックを選んで手術を受けてください。