医学講座
美容整形と写真①
以前、米国在住の方から、
次のようなお問い合わせをいただきました。
日本人で日本国籍をお持ちで、
現在は米国に居住なさっていらっしゃる女性です。
『手術を受けると…』
『顔が変わりますが…』
『入国や出国の審査では、大丈夫でしょうか…?』
『そちらでは…』
『手術を受けたという証明書を出していただけますか…?』
■ ■
もっともなご心配ですね。
その方は、札幌までいらしていただき、
二重埋没法の手術を受けられました。
帰国の際の出国審査、
米国への入国審査は、
問題なく通過できたそうです。
特に証明書も書きませんでした。
■ ■
一般的には、
整形手術を受けると…
整形前の顔を忘れてしまいます。
『本人』であることに変わりはありません。
パスポートの写真と『実物』が、
あまりにも違うと…
出入国審査でひっかかりそうですが、
実際に出入国できなかったという話しは、
美容外科学会でも聞いたことはありません。
■ ■
もし、審査官に質問されたら…
正直に手術を受けたとお話しになるのが、
一番よい方法だと思います。
クリニックの領収書や、
手術承諾書を見せればわかると思います。
それほど劇的に変わるものではありません。
目が二重か?
顔にシワが何本あるか?
なんてことは…
あまり見ていないような気がします。
■ ■
問題なのは、
指名手配された犯罪者であるか?
国籍、
年齢、
性別、
その他、本人であるかどうか?
ではないでしょうか?
私の推測です。
■ ■
もし、顔で本人確認をしているのでしたら…
ホクロ一つ取っても変わります。
頭髪が薄くなった人が、
カツラをつけただけでイメージが変わります。
整形以外で大きく変わる要因はたくさんあります。
病気で顔面神経麻痺なっても、
脳梗塞で顔が半分動かなくても、
パスポートの写真とは別人になります。
■ ■
一番変わらないのは、
歯です。
日航ジャンボ機が墜落した時に、
本人確認の大きな手がかりになったのが、
歯型です。
何本歯があって、
どこを治療していて…
というのは人が亡くなっても変わりません。
医学的に言うと、
証明写真で歯を見せているとダメというのは、
実にナンセンスな話しです。
選挙のポスターでは、
政治家ですら、
歯を出して笑っているではありませんか!