昔の記憶
ボーナスの想い出
世の中は不景気です。
今年の冬のボーナスは?
どうなるだろう…?
と心配な方は少なくないと思います。
私が北大病院の研修医だった…
約30年前のことです。
当時の私の給与は、
日給(時給ではありません)約3,300円。
一ヵ月働いていただいたお給料は、
99,000円程度で10万円になりませんでした。
■ ■
もちろんボーナス(賞与)はありません。
国家公務員(文部教官)である、
助手の先生までは賞与がありました。
助手になれたのは、
卒後15年以上経過した、
上から4人目の先生まででした。
それ以下の非常勤職員は、
日給月給制でした。
■ ■
私が入局した年の、
ボーナス支給日のことでした。
いつものように上の先生について、
朝から外来勤務をしました。
その日も混んでいました。
終わったのは14:00近くでした。
■ ■
当時、医局長で講師だった、
‘杉さん’こと…
杉原平樹(すぎはらつねき)先生が、
『ご苦労さん!』
『一生懸命働いてくれたのに、』
『ボーナスもなくて申し訳ないなぁ~』
『今日はボーナスが出たから』
『お昼をごちそうするょ』
と北大病院前の、
‘そば切り’というお蕎麦(そば)屋さんへ
連れて行ってくださいました。
■ ■
当時の研修医の昼食は、
北大病院協済会の食堂か、
医学部にあった、
北大生協の食堂が定番でした。
北大病院の
道路をはさんで向かい側には、
ラーメン屋さん、
お蕎麦屋さん、
お寿司屋さん、
などがありましたが、
めったに行くことはありませんでした。
■ ■
『何でも好きなものを頼んでいいぞ!』
『俺ができることは、これ位だけどなぁ~』
と杉原先生のありがたいお言葉。
さすが体育会系、元野球部です。
私たち研修医3人は、
『先生、本当に何でもいいんですか?』
『それじゃぁ、いただきます!』
と…
ふだんは食べられない、
大きなエビがついた、
1,400円もした
天ざるソバを注文しました。
しかも大盛りでした。
そのエビ天の美味しかったこと!
ボーナス時期になると、
ボーナスをいただいた想い出よりも、
ボーナスが出なかった時代を思い出します。
北大病院前の
お蕎麦屋さん